
こんにちは。今回は購入済み未レビューのイヤホンを紹介する「棚からレビュー」企画です。
紹介するのは「RAPTGO HOOK-X」、14.2mm平面駆動ドライバーと18層PZT(圧電)ドライバーのハイブリッド構成による3万円台の中華イヤホンです。今年になって急増している14mm級の平面駆動ドライバー搭載モデルですが、そのなかでも結構異彩を放っている製品です。購入は2ヶ月ほど前ですが、先に2BAとのハイブリッド構成の「DUNU Talos」のレビューを掲載した関係もあり、こちらも急いで仕上げることにしました。
■ 製品の概要について
「RAPTGO」は音響分野での長年の実績のあるメーカーが立ち上げた中国の新しいブランドです。その最初のモデルとして登場したのが 「RAPTGO HOOK-X」ですね。14.2mmの大口径の平面駆動ドライバーと、18層圧電(PZT)ドライバーのハイブリッドという非常に珍しい構成のイヤホンです。今年に入り14mm級の平面駆動ドライバー搭載したイヤホンは非常に多く登場していますが、ドライバー構成という点では他社と比較してもひときわ異彩を放っているといっても良いでしょう。


「RAPTGO HOOK-X」が搭載する14.2mm 平面磁気ドライバーはダイナミックドライバーやBAドライバーより優れた応答性を持つ特性を活かし、音質面をさらに強化するため、N52マグネットで駆動する14.2mmの大型振動板の平面ドライバーを独自に製造。20Hz~40kHzのフルレンジで駆動し、バランスの取れたターゲットチューニングを行っているとのことです。


また「RAPTGO HOOK-X」の大きな特徴である圧電(PZT)ドライバーは、18個のピエゾセラミック圧電素子からなる両面積層方式で設計されており52の複雑な工程を経て製造されます。またひとつひとつ手作業でテストされ、平面駆動ドライバーとのペアリングを実施。平面駆動ドライバーの高音域の伸びやかなレスポンスに加え、一般的なBAやESTドライバーとは比較にならないほどの音の解像度と空気感を実現しているとのことです。
そして「RAPTGO HOOK-X」は開放型のデザインを採用。平面駆動ドライバーの特性を際立たせることで、より音場に広がりを持ち、開放型ヘッドホンのような開放感とリアルなサウンドを再現しています。本体は精密な設計に基づき5軸CNCによる精密加工により成形されています。


ケーブルはプラグ交換可能な高純度OCC銀メッキ同軸ケーブルを付属。3.5mmステレオ(シングルエンド)と2.5mm/4極および4.4mm/5極のバランス接続に対応したプラグが同梱されます。
「RAPTGO HOOK-X」の購入は国内主要専門店(国内代理店取扱品)、アマゾンのLINSOUL-JP(L.S オーディオ)およびHiFiGoなどの海外セラーにて。海外での価格は239ドル、国内では36,080円です。
Linsoul(linsoul.com): RAPTGO HOOK-X
HiFiGo: RAPTGO HOOK-X
楽天市場(ナイコムストア): RAPTGO HOOK-X ※レビュー掲載時1~2日で発送
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): RAPTGO HOOK-X ※レビュー掲載時プライム在庫あり
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回私は8月頃に購入しました。「RAPTGO HOOK-X」のパッケージは製品イメージなどが記載されたグレーのシンプルなデザイン。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換プラグ、イヤーピース、ケース、説明書、保証書など。イヤーピースは3種類でそれぞれS/M・Lの3サイズが同梱されます。


本体は金属製のシェルでサイズ感としては若干大きめ。開放型デザインのためブラックのフェイス部分はメッシュ状にパンチ穴が開いています。外周を覆うメタリックグリーンの縁取りが良いアクセントになっていますね。本体部分はメタリックグレーで一体成形されています。コネクタは0.78mmで接続部分はフラットなタイプです。


ほかの14mm級平面ドライバー搭載のイヤホンと比較すると、最もコンパクトな「LETSHUOER S12」に比べると大きさを感じますが、他のモデルとの比較では一般的な範囲内という感じですね。付属のイーやーピースは多少浅いタイプですが、ステムノズルが奥まで入るため装着性はまずまずです。


ちなみに「RAPTGO HOOK-X」は開放型デザインのイヤホンのため、ある程度の音漏れはありますが、通常の環境・音量ではイヤホンのすぐそばに耳を近づけると音が多少聞こえてくる程度。よほど静かな場所や密接した状況でなければ屋内でも屋外でさほど問題なく使えそうです(もちろん一定の配慮は必要です)。
ケーブルは布巻で柔らかく取り回しは非常に良好です。こちらも本体の縁取りと同様にグリーンのカラーリングが特徴的ですね。


イヤーピースは3種類のシリコンタイプが付属します。付属品のほか、JVC「スパイラルドット」、acoustuneの「AET07」または新タイプの「AEX07」、といった定番イヤーピースに交換するのも良いでしょう。粘着度のあるタイプでは「SpinFit CP100+」、ラディウス「ディープマウント(クリア)」なども良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「RAPTGO HOOK-X」の音質傾向は癖の無いニュートラルな印象で、サウンドバランスは中低域寄りに若干U字の緩やかな変化を感じるイメージ。そのためメリハリより穏やかさや僅かに温かみを感じる傾向といえます。「RAPTGO HOOK-X」が搭載する14.2mmの大口径平面駆動ドライバーは一番下から40kHzのハイレゾのエリアまでフルレンジで鳴っているということで、滑らかさや歪みの少なさで「平面駆動らしさ」を感じさせます。いっぽうで、高域にピエゾセラミックを使用している場合、BAとはまた異なる直線的な「ピエゾらしさ」みたいなものを感じる事が多いのですが、「RAPTGO HOOK-X」での圧電(PZT)ドライバーは平面駆動ドライバーと完全に一体化して(いるかのように)鳴っており、その存在を意識することはありません。非常に解像度が高く、刺さりを抑制しつつ煌びやかさを持った高域は同時に非常に滑らかに中音域と連続しており、自然に質感を高めています。
一般的に、大口径と言っても平面駆動のヘッドホンに比べると相当サイズの小さいイヤホン用のドライバーの場合では、その特徴を低域の質感で活かし、高域をBAなどで補完するアプローチが以前から採用されていました。「RAPTGO HOOK-X」も高域に圧電(PZT)ドライバーを使用していることから構成だけ見ると同様の発想のようにも思えますが、実際は高域も含めて平面駆動ドライバーが主体と鳴って動き、PZTドライバーは高域および高高域の質感を高めるために完全に「黒子」としてチューニングされているのがわかります。
「RAPTGO HOOK-X」の高域は解像度の高い明瞭で伸びのある音を鳴らします。中高域付近からアクセントがありシンバル音などは非常に煌びやかに鳴ります。印象としてはシャープさがあるものの、BAなどをツィーターに使用しているハイブリッドイヤホンのような金属質な印象は無く自然に解像感を向上させている印象。このへんはPZTドライバーによる恩恵と思われますが、ピエゾ特有のドライでちょっと硬すぎるくらいの硬質感は抑制されており、平面駆動ドライバーの高域と上手く一体化しているように感じます。
中音域は癖の無い音を鳴らしつつボーカル帯域へフォーカスした印象も感じさせます。開放型の構造から音抜けは良く、ヘッドホンのような広々とした音場感で余裕を持って自然に鳴る印象はこのイヤホン特有のものだろうと思います。「RAPTGO HOOK-X」もハーマンターゲットカーブをある程度意識したバランスのイヤホンと考えられますが、その傾向は特に中音域のアプローチで実感させられます。
特にプラグをバランス接続に替えた場合はボーカルがより近くで定位し、心地よいリスニングサウンドを実感出来るでしょう。決してモニター的ではないのですが、非常にニュートラルで見通しが良く、ボーカルの息づかいや演奏の分離感も優れていることから、この手のバランスのイヤホンを好まれる方には良い印象を感じるのではと思います。いっぽうでキレや解像感という点では「LETSHUOER S12」の中音域に比べるとやや穏やかに感じます。この辺は結構好みの問題かなと思います。
低域は全体としてはニュートラルなバランスで極端な強さはありませんが思ったよりパワフルで量感と分離が良くスピード感のある音を楽しめます。特に重低音は重く深く存在感のあル音を鳴らします。ミッドベースは歪みが無くスピード感のあるアタックと優れた解像感は間違いなく平面駆動ドライバーらしい優れた特徴を感じます。重低音は非常に深く沈みエネルギーのある重低音の質の良さが全体を下支えします。低域の質感の高さ、伸びや抜けの良さ、そして表現力は開放的なサウンドに存在感と締まりを与えます。間違いなく「RAPTGO HOOK-X」の優れたポイントのひとつでしょう。
■ まとめ
というわけで、「RAPTGO HOOK-X」は各社が強力な製品を投入している14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンのなかでもひときわ異彩を放つ構成を持ち、音質的にも、非常にバランスの良い完成度の高いイヤホンでした。最もメリハリの強い「TRN Kirin」や低域特化型の「7Hz Timeless」といったわかりやすいドンシャリ方向や、もっとも明瞭感のあるバランス型サウンド「LETSHUOER S12/Z12」、よりW字寄りの「TINHIFI P1 PLUS」、平面モードは最もフラットで高解像度の「DUNU Talos」、そしてオーディオ的な作り込みが顕著な「MUSE HiFi POWER」と自然な滑らかさが特徴の「TANGZU Wuzetian」といった高評価リスニングモデル、とそれぞれの製品に個性があります。
「RAPTGO HOOK-X」のアプローチはこれらの製品と比較すると、いわゆる「ハーマンターゲット」的アプローチによるリスニングサウンドを平面に加えPZTドライバーを加えることで強化した製品、ということになるのでは、とおもいます。なお、14mm級平面ドライバー搭載でハーマンターゲットを意識したモデルとしては「7Hz Timeless」をベースにCrinacle氏コラボでチューニングされた「Salnotes Dioko」がありますが、「RAPTGO HOOK-X」は多少バランスも異なり、より質感を高めた印象があります。音質的にも価格差に見合う違いはあるかと思います。
ウィークポイントとしてはやはり価格かもしれませんね。その特殊な構成ゆえに価格がひとまわり高く、上記のように分類はしてみたものの、価格差ほどの大きな違いを感じないレベルの製品も多く存在することから、ベストな製品になるためには「がっちり好みに合ったら」という条件になりそうです。また開放型のデザインを敬遠される方も多少はいらっしゃるでしょう。これらの条件を超えて、さらに音質面で合う方であれば、その完成度は非常に高く、購入後の満足度も高いイヤホンだと思いますよ。
「RAPTGO」は音響分野での長年の実績のあるメーカーが立ち上げた中国の新しいブランドです。その最初のモデルとして登場したのが 「RAPTGO HOOK-X」ですね。14.2mmの大口径の平面駆動ドライバーと、18層圧電(PZT)ドライバーのハイブリッドという非常に珍しい構成のイヤホンです。今年に入り14mm級の平面駆動ドライバー搭載したイヤホンは非常に多く登場していますが、ドライバー構成という点では他社と比較してもひときわ異彩を放っているといっても良いでしょう。


「RAPTGO HOOK-X」が搭載する14.2mm 平面磁気ドライバーはダイナミックドライバーやBAドライバーより優れた応答性を持つ特性を活かし、音質面をさらに強化するため、N52マグネットで駆動する14.2mmの大型振動板の平面ドライバーを独自に製造。20Hz~40kHzのフルレンジで駆動し、バランスの取れたターゲットチューニングを行っているとのことです。


また「RAPTGO HOOK-X」の大きな特徴である圧電(PZT)ドライバーは、18個のピエゾセラミック圧電素子からなる両面積層方式で設計されており52の複雑な工程を経て製造されます。またひとつひとつ手作業でテストされ、平面駆動ドライバーとのペアリングを実施。平面駆動ドライバーの高音域の伸びやかなレスポンスに加え、一般的なBAやESTドライバーとは比較にならないほどの音の解像度と空気感を実現しているとのことです。
そして「RAPTGO HOOK-X」は開放型のデザインを採用。平面駆動ドライバーの特性を際立たせることで、より音場に広がりを持ち、開放型ヘッドホンのような開放感とリアルなサウンドを再現しています。本体は精密な設計に基づき5軸CNCによる精密加工により成形されています。


ケーブルはプラグ交換可能な高純度OCC銀メッキ同軸ケーブルを付属。3.5mmステレオ(シングルエンド)と2.5mm/4極および4.4mm/5極のバランス接続に対応したプラグが同梱されます。
「RAPTGO HOOK-X」の購入は国内主要専門店(国内代理店取扱品)、アマゾンのLINSOUL-JP(L.S オーディオ)およびHiFiGoなどの海外セラーにて。海外での価格は239ドル、国内では36,080円です。
Linsoul(linsoul.com): RAPTGO HOOK-X
HiFiGo: RAPTGO HOOK-X
楽天市場(ナイコムストア): RAPTGO HOOK-X ※レビュー掲載時1~2日で発送
Amazon.co.jp(LINSOUL-JP): RAPTGO HOOK-X ※レビュー掲載時プライム在庫あり
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
今回私は8月頃に購入しました。「RAPTGO HOOK-X」のパッケージは製品イメージなどが記載されたグレーのシンプルなデザイン。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換プラグ、イヤーピース、ケース、説明書、保証書など。イヤーピースは3種類でそれぞれS/M・Lの3サイズが同梱されます。


本体は金属製のシェルでサイズ感としては若干大きめ。開放型デザインのためブラックのフェイス部分はメッシュ状にパンチ穴が開いています。外周を覆うメタリックグリーンの縁取りが良いアクセントになっていますね。本体部分はメタリックグレーで一体成形されています。コネクタは0.78mmで接続部分はフラットなタイプです。


ほかの14mm級平面ドライバー搭載のイヤホンと比較すると、最もコンパクトな「LETSHUOER S12」に比べると大きさを感じますが、他のモデルとの比較では一般的な範囲内という感じですね。付属のイーやーピースは多少浅いタイプですが、ステムノズルが奥まで入るため装着性はまずまずです。


ちなみに「RAPTGO HOOK-X」は開放型デザインのイヤホンのため、ある程度の音漏れはありますが、通常の環境・音量ではイヤホンのすぐそばに耳を近づけると音が多少聞こえてくる程度。よほど静かな場所や密接した状況でなければ屋内でも屋外でさほど問題なく使えそうです(もちろん一定の配慮は必要です)。
ケーブルは布巻で柔らかく取り回しは非常に良好です。こちらも本体の縁取りと同様にグリーンのカラーリングが特徴的ですね。


イヤーピースは3種類のシリコンタイプが付属します。付属品のほか、JVC「スパイラルドット」、acoustuneの「AET07」または新タイプの「AEX07」、といった定番イヤーピースに交換するのも良いでしょう。粘着度のあるタイプでは「SpinFit CP100+」、ラディウス「ディープマウント(クリア)」なども良いと思います。
■ サウンドインプレッション
「RAPTGO HOOK-X」の音質傾向は癖の無いニュートラルな印象で、サウンドバランスは中低域寄りに若干U字の緩やかな変化を感じるイメージ。そのためメリハリより穏やかさや僅かに温かみを感じる傾向といえます。「RAPTGO HOOK-X」が搭載する14.2mmの大口径平面駆動ドライバーは一番下から40kHzのハイレゾのエリアまでフルレンジで鳴っているということで、滑らかさや歪みの少なさで「平面駆動らしさ」を感じさせます。いっぽうで、高域にピエゾセラミックを使用している場合、BAとはまた異なる直線的な「ピエゾらしさ」みたいなものを感じる事が多いのですが、「RAPTGO HOOK-X」での圧電(PZT)ドライバーは平面駆動ドライバーと完全に一体化して(いるかのように)鳴っており、その存在を意識することはありません。非常に解像度が高く、刺さりを抑制しつつ煌びやかさを持った高域は同時に非常に滑らかに中音域と連続しており、自然に質感を高めています。一般的に、大口径と言っても平面駆動のヘッドホンに比べると相当サイズの小さいイヤホン用のドライバーの場合では、その特徴を低域の質感で活かし、高域をBAなどで補完するアプローチが以前から採用されていました。「RAPTGO HOOK-X」も高域に圧電(PZT)ドライバーを使用していることから構成だけ見ると同様の発想のようにも思えますが、実際は高域も含めて平面駆動ドライバーが主体と鳴って動き、PZTドライバーは高域および高高域の質感を高めるために完全に「黒子」としてチューニングされているのがわかります。
「RAPTGO HOOK-X」の高域は解像度の高い明瞭で伸びのある音を鳴らします。中高域付近からアクセントがありシンバル音などは非常に煌びやかに鳴ります。印象としてはシャープさがあるものの、BAなどをツィーターに使用しているハイブリッドイヤホンのような金属質な印象は無く自然に解像感を向上させている印象。このへんはPZTドライバーによる恩恵と思われますが、ピエゾ特有のドライでちょっと硬すぎるくらいの硬質感は抑制されており、平面駆動ドライバーの高域と上手く一体化しているように感じます。中音域は癖の無い音を鳴らしつつボーカル帯域へフォーカスした印象も感じさせます。開放型の構造から音抜けは良く、ヘッドホンのような広々とした音場感で余裕を持って自然に鳴る印象はこのイヤホン特有のものだろうと思います。「RAPTGO HOOK-X」もハーマンターゲットカーブをある程度意識したバランスのイヤホンと考えられますが、その傾向は特に中音域のアプローチで実感させられます。
特にプラグをバランス接続に替えた場合はボーカルがより近くで定位し、心地よいリスニングサウンドを実感出来るでしょう。決してモニター的ではないのですが、非常にニュートラルで見通しが良く、ボーカルの息づかいや演奏の分離感も優れていることから、この手のバランスのイヤホンを好まれる方には良い印象を感じるのではと思います。いっぽうでキレや解像感という点では「LETSHUOER S12」の中音域に比べるとやや穏やかに感じます。この辺は結構好みの問題かなと思います。低域は全体としてはニュートラルなバランスで極端な強さはありませんが思ったよりパワフルで量感と分離が良くスピード感のある音を楽しめます。特に重低音は重く深く存在感のあル音を鳴らします。ミッドベースは歪みが無くスピード感のあるアタックと優れた解像感は間違いなく平面駆動ドライバーらしい優れた特徴を感じます。重低音は非常に深く沈みエネルギーのある重低音の質の良さが全体を下支えします。低域の質感の高さ、伸びや抜けの良さ、そして表現力は開放的なサウンドに存在感と締まりを与えます。間違いなく「RAPTGO HOOK-X」の優れたポイントのひとつでしょう。
■ まとめ
というわけで、「RAPTGO HOOK-X」は各社が強力な製品を投入している14mm級平面駆動ドライバー搭載イヤホンのなかでもひときわ異彩を放つ構成を持ち、音質的にも、非常にバランスの良い完成度の高いイヤホンでした。最もメリハリの強い「TRN Kirin」や低域特化型の「7Hz Timeless」といったわかりやすいドンシャリ方向や、もっとも明瞭感のあるバランス型サウンド「LETSHUOER S12/Z12」、よりW字寄りの「TINHIFI P1 PLUS」、平面モードは最もフラットで高解像度の「DUNU Talos」、そしてオーディオ的な作り込みが顕著な「MUSE HiFi POWER」と自然な滑らかさが特徴の「TANGZU Wuzetian」といった高評価リスニングモデル、とそれぞれの製品に個性があります。
「RAPTGO HOOK-X」のアプローチはこれらの製品と比較すると、いわゆる「ハーマンターゲット」的アプローチによるリスニングサウンドを平面に加えPZTドライバーを加えることで強化した製品、ということになるのでは、とおもいます。なお、14mm級平面ドライバー搭載でハーマンターゲットを意識したモデルとしては「7Hz Timeless」をベースにCrinacle氏コラボでチューニングされた「Salnotes Dioko」がありますが、「RAPTGO HOOK-X」は多少バランスも異なり、より質感を高めた印象があります。音質的にも価格差に見合う違いはあるかと思います。ウィークポイントとしてはやはり価格かもしれませんね。その特殊な構成ゆえに価格がひとまわり高く、上記のように分類はしてみたものの、価格差ほどの大きな違いを感じないレベルの製品も多く存在することから、ベストな製品になるためには「がっちり好みに合ったら」という条件になりそうです。また開放型のデザインを敬遠される方も多少はいらっしゃるでしょう。これらの条件を超えて、さらに音質面で合う方であれば、その完成度は非常に高く、購入後の満足度も高いイヤホンだと思いますよ。