
こんにちは。今回は 「Astrotec AM850 MK2 (JP Edition)」です。10月7日より発売開始となった日本仕様のモデルで、独自設計の第2世代の日本製LCP(液晶ポリマー)振動板を採用したシングルダイナミック構成で、同社の技術力を詰め込んだ内部構造に加え3種類の交換式チューニングノズルを採用した最新モデルです。以前の「AM850」とは共通点は無く、全く新しいリスニングイヤホンとしてAstrotecらしい手堅い仕上がりになっています。また日本仕様では独自のブラックのカラーリングで仕上げられているのも特徴的ですね。
■ 製品の概要について
「Astrotec」は中国でも老舗のオーディブランドで、もともと大手メーカーへのOEM/ODM等で長い実績を持ちます。実績のある製造メーカーらしい豊富なラインナップと技術力、繊細かつ丁寧なサウンドチューニングには定評があります。
「Astrotec AM850 MK2」は日本製の液晶ポリマー(LCP)振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載するイヤホンで交換可能なノズルフィルターにより3種類のサウンドチューニングに変更が可能です。
5軸CNC加工された航空グレードのアルミニウム合金製シェルを採用。シェルの内面にエッチングされた高密度パターンにより音の二次屈折を減少させ、共鳴を効果的に抑制します。この空気の流れを最適化するパターンにより、ダイヤフラムコイルにストレスがかからず最適な動きを可能とし、よりクリーンなサウンドパフォーマンスを得ることができるそうです。また今回紹介する「JP Edition」は海外仕様とは異なるブラックのカラーリングが施されたメタルシェルが特徴です。


「Astrotec AM850 MK2」では専用に新開発された「10mm 第2世代 LCP(液晶ポリマー)振動板ダイナミックドライバー」を搭載。液晶ポリマー(LCP)振動板は軽量で剛性が高く、不要な振動を抑えることで明瞭なサウンドを実現します。パワフルな低域、より広い音場、クリーンな高域のを備えた素晴らしいパフォーマンスを提供します。


「Astrotec AM850 MK2」は、交換可能なチューニングノズルを備えています。「Neutral(ブラック)」「Tide(グレー)」「Air(ゴールド)」の3種類のノズルが用意されています。それぞれのノズルの内部は「Neutral(ブラック)」=「花」、「Tide(グレー)」=「円形」、「Air(ゴールド)」=「五角形」に加工されており、異なるフィルターの組み合わせによりサウンドを調整します。標準の「Neutral(ブラック)」はノズルのニュートラルなセットで、「Tide(グレー)」は低域を強化、「Air(ゴールド)」は高音を強化することができます。


「Astrotec AM850 MK2」はMMCX仕様のコネクタを採用。ケーブルは高純度OFC(無酸素銅)線ケーブルが付属します。
日本仕様のブラックの独自色で仕上げられた「Astrotec AM850 MK2 (JP Edition)」は10月7日より発売を開始しました。購入は輸入代理店のIC-CONNECTの直営ショップまたは主要専門店にて。価格は22,000円前後です。
Amazon.co.jp(IC-CONNECT): Astrotec AM850 MK2 (JP Edition)
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「Astrotec AM850 MK2 (JP Edition)」のパッケージは製品イメージが掲載された黒箱タイプ。外箱の化粧カバーを外すと黒地にロゴが記載されたボックスがあります。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換用ノズルおよび固定金具、イヤーピース(シリコンタイプ2種類S/M/Lサイズ、ウレタン2ペア)、クリーニングブラシ、イヤホン保護ポーチ、レザーケース、保証カードなど。


本体は搭載される10mmドライバーから直線的に出力される円形の背面ノズル周辺部と、耳にフィットする形状のフェイス部分を組み合わせたデザイン。交換可能なチューニングノズルを含めた装着部分が比較的長いため、イヤーピースは少し小さめを選び、奥まで装着させるとしっかりと固定できるようです。イヤーピースを注意すれば装着性は良好です。


本体内部はドライバーからの反響音をコントロールするためにパターンエッチングが施されているそうです。音の反響をなくす音響室をイヤホン内部に持ち込んだような考え方ですね。こういう部分で老舗ブランドらしいこだわりを感じます。


「Astrotec AM850 MK2」のシェルは比較的コンパクトでフェイス部分もKZやTFZなどのシェル形状を比べるとひとまわり小さいのが分かります。耳に収まりやすいサイズ感ですね。


3種類のチューニングノズルは本体にしっかり固定されています。金属製の固定金具が付属しているので使用しない2種類のノズルを紛失することもないでしょう。ノズルはメッシュ部分の形状は同じですが後方からみると、「円形」の「Tide(グレー)」は厚みがあり開口部の大きさが最も小さいもののメッシュパーツの裏面にフィルターなどは貼られていません。標準の「Neutral(ブラック)」はよく見ると内側5カ所に窪みが有り「花(blossom)」状の形状になっています。こちらは内側にドーナツ状のフィルターが貼られています。「Air(ゴールド)」の内側はよく見ると確かに五角形でメッシュパーツにはまた違う種類のフィルターが前面に貼られています。ここで貼られているフィルターは低域を抑制するもののようですね。


付属ケーブルはMMCX仕様の柔らかい銀メッキ線ケーブルが付属します。好みに応じてリケーブルを選びやすいですね。イヤーピースは一般的な形状の白色タイプと、少し柔らかいタイプ(ノズル部分が3色カラー)、ウレタンタイプが大小の2種類が付属します。付属のイヤーピースのほか、定番のJVC「スパイラルドット」やAcoustune「AET07」、またよりフィット感の強いタイプでは「SpinFit CP100+」など、自分の耳に合う最適なイヤピースに交換するのも良いでしょう。
■ サウンドインプレッション
「Astrotec AM850 MK2」の音質傾向は緩やかなV字の印象の弱ドンシャリ。癖の無いニュートラルな印象もありますが、伸びるところは伸びて沈むところは沈む、リスニングサウンドとしての素直さを感じさせるバランスの良さがありますね。最近のとかくハーマンターゲットカーブ偏重の傾向が強いのもどうなのかな、と個人的には思っていることもあり、「Astrotec AM850 MK2」のような手堅い音作りは好感が持てます。全体的に明るく解像感も高い印象で質感についても2万円台のイヤホンのなかでも結構良い方だと思います。最近だと逆にありそうで無いサウンドバランスなので差別化のポイントになるかもしれませんね。
そして「Astrotec AM850 MK2」の特徴のひとつである3種類のチューニングノズルについては、曲の種類や再生環境などによって標準の「Neutral(ブラック)」のノズルでも結構高域が強めな印象があるため、最近の聴きやすいバランスという点では低域強化の「Tide(グレー)」のノズルの方が好感されるかもしれませんね。さらに高域強化の「Air(ゴールド)」のノズルも他でありがちな極端に派手になったりキツい音になったりすることは無く、3種類ともサウンドバランスを維持して破綻の無い印象で変化します。利用者の好みで使い分けができ、3種類とも実用的である点は、他社のフィルター交換タイプのイヤホンと比べても良い点だろうと思います。
「Astrotec AM850 MK2」の高域は明るく鮮明な音を鳴らします。明瞭な解像感があり、見通しの良い伸びのある音を鳴らしますが、再生環境によってはかなりアグレッシブに鳴るため、標準の「Neutral(ブラック)」ノズルでも刺激が気になる方もいらっしゃるかも。個人的には鋭い音は鋭く、煌めきを感じる音で鳴って欲しいタイプですので高域強化の「Air(ゴールド)」のノズルでも全然OKかな、と思ったりします。なお低域強化の「Tide(グレー)」を使用すると中低域寄りに変化するため刺激はかなりコントロールされつつ、曇ること無く楽しめると思います。
中音域はドンシャリ方向の傾向のため曲によっては若干凹みます。全体のバランスにより自然な音場の広さと奥行きを生み出しており、見通しが良く癖の無いサウンドを楽しめます。解像感および分離の良さがあり、自然な透明感を感じますね。見通しの良さのなかでボーカル帯域は生き生きと再生され、音像は自然な輪郭ながら明瞭で、息づかいや余韻もしっかり表現されます。演奏も明瞭さとともにスピード感があり、音数の多い曲でも籠もることはありません。いっぽうでボーカルに比べてややシャープに感じられるため曲によっては聴き疲れを感じやすいかもしれません。
ノズルを「Tide(グレー)」に替えると印象は維持したままボーカルの厚みが増し、男性ボーカルはやや温かみを持ちます。また「Air(ゴールド)」のノズルでは、さらに透明感が向上し、よりキレのあるシャープなサウンドになります。
低域はバランスの取れた量感で締まりのある音を鳴らします。標準の「Neutral(ブラック)」ノズルでは過度に強調する印象は無く、直線的な印象のミッドベースが全体としてニュートラルな印象を与え、深く沈みタイトな重低音が音場を下支えします。標準の低域の厚みや力強さを好まれる方にはややスッキリしすぎる印象に感じるかもしれません。ここでノズルを低域強化の「Tide(グレー)」に替えるとミッドベースの厚みが増し、全体的にはやや温かい方向に変化します。相対的に他の2種類のノズルより解像感や明瞭さは下がるため音数の多い曲ではあまり向きませんが、バランスとしてはより臨場感のあるサウンドを楽しめます。また高域強化の「Air(ゴールド)」のノズルではさらに直線的なインパクトとキレが増します。重低音の響きが減少するため音場は少し狭く感じますが、よりスピード感のあるアタックで正確度の増した低域の反応を楽しめます。
■ まとめ
というわけで、「Astrotec AM850 MK2」は老舗ブランドが手がけた激戦区のミドルグレードのイヤホンということで、同社らしい品質の高さとともに、同種のギミックのある他社製品とは「似てるようで全然違う」内部形状で調整する独自のチューニングノズルなど個性的な特徴も併せ持った製品でした。
音質面でも流行りを追わず、長年の経験値の高さを反映した手堅さと精緻な内部構造による音作りの確かさを感じました。また各ノズルでもサウンドバランスが破綻せずにしっかりと変化を楽しませてくれるのも良いですね。
個人的には同じAstrotec社のリケーブル製品「ATC6」8芯6N単結晶銅線ケーブルとの組み合わせが結構気に入っています。解像感がより向上し、標準の「Neutral(ブラック)」のノズルでも音場感の向上とともキレの良さを楽しめます。
日本版の発売により専門店などで試聴機も用意されると思いますので、そのサウンドを確認頂くのも良いと思います。もちろんマニア諸氏は無試聴突撃でも全然問題ない完成度ですよ(^^)。
「Astrotec」は中国でも老舗のオーディブランドで、もともと大手メーカーへのOEM/ODM等で長い実績を持ちます。実績のある製造メーカーらしい豊富なラインナップと技術力、繊細かつ丁寧なサウンドチューニングには定評があります。
「Astrotec AM850 MK2」は日本製の液晶ポリマー(LCP)振動板ダイナミックドライバーをシングルで搭載するイヤホンで交換可能なノズルフィルターにより3種類のサウンドチューニングに変更が可能です。
5軸CNC加工された航空グレードのアルミニウム合金製シェルを採用。シェルの内面にエッチングされた高密度パターンにより音の二次屈折を減少させ、共鳴を効果的に抑制します。この空気の流れを最適化するパターンにより、ダイヤフラムコイルにストレスがかからず最適な動きを可能とし、よりクリーンなサウンドパフォーマンスを得ることができるそうです。また今回紹介する「JP Edition」は海外仕様とは異なるブラックのカラーリングが施されたメタルシェルが特徴です。


「Astrotec AM850 MK2」では専用に新開発された「10mm 第2世代 LCP(液晶ポリマー)振動板ダイナミックドライバー」を搭載。液晶ポリマー(LCP)振動板は軽量で剛性が高く、不要な振動を抑えることで明瞭なサウンドを実現します。パワフルな低域、より広い音場、クリーンな高域のを備えた素晴らしいパフォーマンスを提供します。


「Astrotec AM850 MK2」は、交換可能なチューニングノズルを備えています。「Neutral(ブラック)」「Tide(グレー)」「Air(ゴールド)」の3種類のノズルが用意されています。それぞれのノズルの内部は「Neutral(ブラック)」=「花」、「Tide(グレー)」=「円形」、「Air(ゴールド)」=「五角形」に加工されており、異なるフィルターの組み合わせによりサウンドを調整します。標準の「Neutral(ブラック)」はノズルのニュートラルなセットで、「Tide(グレー)」は低域を強化、「Air(ゴールド)」は高音を強化することができます。


「Astrotec AM850 MK2」はMMCX仕様のコネクタを採用。ケーブルは高純度OFC(無酸素銅)線ケーブルが付属します。
日本仕様のブラックの独自色で仕上げられた「Astrotec AM850 MK2 (JP Edition)」は10月7日より発売を開始しました。購入は輸入代理店のIC-CONNECTの直営ショップまたは主要専門店にて。価格は22,000円前後です。
Amazon.co.jp(IC-CONNECT): Astrotec AM850 MK2 (JP Edition)
■ パッケージ構成、製品の外観および内容について
「Astrotec AM850 MK2 (JP Edition)」のパッケージは製品イメージが掲載された黒箱タイプ。外箱の化粧カバーを外すと黒地にロゴが記載されたボックスがあります。


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、交換用ノズルおよび固定金具、イヤーピース(シリコンタイプ2種類S/M/Lサイズ、ウレタン2ペア)、クリーニングブラシ、イヤホン保護ポーチ、レザーケース、保証カードなど。


本体は搭載される10mmドライバーから直線的に出力される円形の背面ノズル周辺部と、耳にフィットする形状のフェイス部分を組み合わせたデザイン。交換可能なチューニングノズルを含めた装着部分が比較的長いため、イヤーピースは少し小さめを選び、奥まで装着させるとしっかりと固定できるようです。イヤーピースを注意すれば装着性は良好です。


本体内部はドライバーからの反響音をコントロールするためにパターンエッチングが施されているそうです。音の反響をなくす音響室をイヤホン内部に持ち込んだような考え方ですね。こういう部分で老舗ブランドらしいこだわりを感じます。


「Astrotec AM850 MK2」のシェルは比較的コンパクトでフェイス部分もKZやTFZなどのシェル形状を比べるとひとまわり小さいのが分かります。耳に収まりやすいサイズ感ですね。


3種類のチューニングノズルは本体にしっかり固定されています。金属製の固定金具が付属しているので使用しない2種類のノズルを紛失することもないでしょう。ノズルはメッシュ部分の形状は同じですが後方からみると、「円形」の「Tide(グレー)」は厚みがあり開口部の大きさが最も小さいもののメッシュパーツの裏面にフィルターなどは貼られていません。標準の「Neutral(ブラック)」はよく見ると内側5カ所に窪みが有り「花(blossom)」状の形状になっています。こちらは内側にドーナツ状のフィルターが貼られています。「Air(ゴールド)」の内側はよく見ると確かに五角形でメッシュパーツにはまた違う種類のフィルターが前面に貼られています。ここで貼られているフィルターは低域を抑制するもののようですね。


付属ケーブルはMMCX仕様の柔らかい銀メッキ線ケーブルが付属します。好みに応じてリケーブルを選びやすいですね。イヤーピースは一般的な形状の白色タイプと、少し柔らかいタイプ(ノズル部分が3色カラー)、ウレタンタイプが大小の2種類が付属します。付属のイヤーピースのほか、定番のJVC「スパイラルドット」やAcoustune「AET07」、またよりフィット感の強いタイプでは「SpinFit CP100+」など、自分の耳に合う最適なイヤピースに交換するのも良いでしょう。
■ サウンドインプレッション
「Astrotec AM850 MK2」の音質傾向は緩やかなV字の印象の弱ドンシャリ。癖の無いニュートラルな印象もありますが、伸びるところは伸びて沈むところは沈む、リスニングサウンドとしての素直さを感じさせるバランスの良さがありますね。最近のとかくハーマンターゲットカーブ偏重の傾向が強いのもどうなのかな、と個人的には思っていることもあり、「Astrotec AM850 MK2」のような手堅い音作りは好感が持てます。全体的に明るく解像感も高い印象で質感についても2万円台のイヤホンのなかでも結構良い方だと思います。最近だと逆にありそうで無いサウンドバランスなので差別化のポイントになるかもしれませんね。
そして「Astrotec AM850 MK2」の特徴のひとつである3種類のチューニングノズルについては、曲の種類や再生環境などによって標準の「Neutral(ブラック)」のノズルでも結構高域が強めな印象があるため、最近の聴きやすいバランスという点では低域強化の「Tide(グレー)」のノズルの方が好感されるかもしれませんね。さらに高域強化の「Air(ゴールド)」のノズルも他でありがちな極端に派手になったりキツい音になったりすることは無く、3種類ともサウンドバランスを維持して破綻の無い印象で変化します。利用者の好みで使い分けができ、3種類とも実用的である点は、他社のフィルター交換タイプのイヤホンと比べても良い点だろうと思います。「Astrotec AM850 MK2」の高域は明るく鮮明な音を鳴らします。明瞭な解像感があり、見通しの良い伸びのある音を鳴らしますが、再生環境によってはかなりアグレッシブに鳴るため、標準の「Neutral(ブラック)」ノズルでも刺激が気になる方もいらっしゃるかも。個人的には鋭い音は鋭く、煌めきを感じる音で鳴って欲しいタイプですので高域強化の「Air(ゴールド)」のノズルでも全然OKかな、と思ったりします。なお低域強化の「Tide(グレー)」を使用すると中低域寄りに変化するため刺激はかなりコントロールされつつ、曇ること無く楽しめると思います。
中音域はドンシャリ方向の傾向のため曲によっては若干凹みます。全体のバランスにより自然な音場の広さと奥行きを生み出しており、見通しが良く癖の無いサウンドを楽しめます。解像感および分離の良さがあり、自然な透明感を感じますね。見通しの良さのなかでボーカル帯域は生き生きと再生され、音像は自然な輪郭ながら明瞭で、息づかいや余韻もしっかり表現されます。演奏も明瞭さとともにスピード感があり、音数の多い曲でも籠もることはありません。いっぽうでボーカルに比べてややシャープに感じられるため曲によっては聴き疲れを感じやすいかもしれません。ノズルを「Tide(グレー)」に替えると印象は維持したままボーカルの厚みが増し、男性ボーカルはやや温かみを持ちます。また「Air(ゴールド)」のノズルでは、さらに透明感が向上し、よりキレのあるシャープなサウンドになります。
低域はバランスの取れた量感で締まりのある音を鳴らします。標準の「Neutral(ブラック)」ノズルでは過度に強調する印象は無く、直線的な印象のミッドベースが全体としてニュートラルな印象を与え、深く沈みタイトな重低音が音場を下支えします。標準の低域の厚みや力強さを好まれる方にはややスッキリしすぎる印象に感じるかもしれません。ここでノズルを低域強化の「Tide(グレー)」に替えるとミッドベースの厚みが増し、全体的にはやや温かい方向に変化します。相対的に他の2種類のノズルより解像感や明瞭さは下がるため音数の多い曲ではあまり向きませんが、バランスとしてはより臨場感のあるサウンドを楽しめます。また高域強化の「Air(ゴールド)」のノズルではさらに直線的なインパクトとキレが増します。重低音の響きが減少するため音場は少し狭く感じますが、よりスピード感のあるアタックで正確度の増した低域の反応を楽しめます。
■ まとめ
というわけで、「Astrotec AM850 MK2」は老舗ブランドが手がけた激戦区のミドルグレードのイヤホンということで、同社らしい品質の高さとともに、同種のギミックのある他社製品とは「似てるようで全然違う」内部形状で調整する独自のチューニングノズルなど個性的な特徴も併せ持った製品でした。
音質面でも流行りを追わず、長年の経験値の高さを反映した手堅さと精緻な内部構造による音作りの確かさを感じました。また各ノズルでもサウンドバランスが破綻せずにしっかりと変化を楽しませてくれるのも良いですね。個人的には同じAstrotec社のリケーブル製品「ATC6」8芯6N単結晶銅線ケーブルとの組み合わせが結構気に入っています。解像感がより向上し、標準の「Neutral(ブラック)」のノズルでも音場感の向上とともキレの良さを楽しめます。
日本版の発売により専門店などで試聴機も用意されると思いますので、そのサウンドを確認頂くのも良いと思います。もちろんマニア諸氏は無試聴突撃でも全然問題ない完成度ですよ(^^)。