Geek Wold GK10

こんにちは。今回は「Geek Wold GK10」です。「1BA+2DD+2ピエゾセラミック」という片側5ドライバー構成でアンダー50ドル、5千円台の価格設定というなかなかアグレッシブな内容の低価格中華イヤホンです。結構スパルタンな構成に対して、スタビウッドのハート型のシェルなどポップでファンシーさを感じるパッケージングと、「ただ者では無い感じしかしない」製品であります(^^;)。
実際のところ音質面では、同様にピエゾを含む低価格多ドライヤホンの「NICEHCK NX7」などとは真逆の方向性で、スッキリした高域や5ドライバーのディテール表現を感じつつ、同時に包み込むような音場の広がりを楽しる、とても深く個性的なサウンドです。
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Geek Wold GK10」のドライバー構成は、超高域用のピエゾセラミック×2基、高域用のBA×1基、中音域用の7mm グラフェンダイナミックドライバー、低域用の8mmチタンダイナミックドライバーの片側5ドライバー構成。シェル自体は樹脂製ですがフェイスプレートにはスタビライズウッドを使用しています。フェイスプレートはブルー系のほか、レッドやイエローなど何種類かのバリエーションが存在しているようですが、レビュー掲載時点ではブルー系のみになっていました。

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Geek Wold GK10」の購入はHiFiGoの直販サイトまたはアマゾンのマーケットプレイスにて。
価格は47.9ドル。アマゾンでは5,269円です。
Amazon.co.jp(HiFiGo): Geek Wold GK10 
※プライム在庫あり。現在5%OFFクーポン配布中です。


■ ハード型の特徴的なシェルデザインながら軽量で装着性も良好。

Geek Wold GK10」のパッケージはとてもシンプルですが、さまざまな付属品が小さな箱に詰まっています。内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(グレータイプと、黒色のソニー風がそれぞれS/M/Lサイズ)、レザーポーチ、保証書。
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樹脂製のハウジングはとても軽量でハート型の独特のシルエットが特徴的です。スタビライズウッドのフェイスプレートは表面を樹脂コーティングされています。私の手元に届いた製品はダークブルーのタイプでした。
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一見するととても個性的なデザインに感じるシェルですが、実際は比較的スリムなIEMタイプの耳にフィットしやすい形状にまとめられています。そのため、軽量であることもあり、装着性は非常に良好です。イヤーピースは2種類のものが付属していますが、定番のJVC「スパイラルドット」やAcoustune「AET07」など、自分の耳に合う最適なイヤピースに交換するのも良いでしょう。
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ケーブルは中華2pinコネクタ仕様の8芯銀メッキ線ケーブルが付属します。比較的柔らかい線材で取り回しの良いケーブルです。一般的な2pin仕様のためリケーブルの選択肢が多いのも良いですね。


■ バランスは良くピエゾらしい高域も心地よい。いっぽう中低域の癖の強さは好みが分かれるかも。

Geek Wold GK10」の音質傾向は高域から低域までバランス良い緩やかなカーブを描きますが、このサウンドの本質はサウンドバランスではなく「演出」というか、かなり個性的な音作りにあると思います。普通「癖が強いイヤホン」というと特定の音域が際立っていたり、味付けが濃かったりするわけですが、「Geek Wold GK10」の場合は各音域を担うドライバーが非常に特徴的に鳴るものの、全体としては適度なバランスに仕上がっているという、他にはなかなか見られないサウンドだったりします。高域および高高域はピエゾらしいまっすぐでスッキリした高解像度の音を鳴らし、いっぽうで中低域から低域にかけて深く広がる独特の響きと音場感があります。この低域ながら籠もらずにそれぞれの音が分離して鳴っているのはなんとも不思議な感覚です。
Geek Wold GK10特に海外でその賛否をめぐり激論が交わされたようですね(どうやら最初に○○ドル越えのサウンド、みたいな煽りがあって、それに対する反対意見がといった、日本でも過去に似たような話が幾度もあったパターンのようですね^^;)。まあ確かに過度な煽りはどうかと思いますが、「好きな人はかなり好きだろう」と思いますし、「かなり嫌い、という人も一定数いるだろう」とも感じます。そういった意味で「非常に癖が強いイヤホン」であることは間違いないですが、個人的にはピエゾドライバーの使い方のひとつとて、あるいはマニアなら大好き「ド変態イヤホン」(笑)のひとつとして結構楽しい存在ではないかと思います。そういう意味では結構好印象ですね。

Geek Wold GK10」の高域はピエゾらしい直線的に伸びるスッキリした音を鳴らします。多少ドライで解像度の高い音ですが刺さりやすい帯域はコントロールされており、適度な鋭さがあるいっぽう聴きやすい印象です。この2ピエゾ+1BAのコンビネーションは非常に良い音作りをしているようですね。おそらく強めの高域が苦手で、特にピエゾ搭載のイヤホンはキツい、という印象を持っている方にとっても「Geek Wold GK10」の高域は快適さを感じるのではと思います。少なくとも高域についてはネガティブな感想を持つ方はあまりいらっしゃらない気がします。

Geek Wold GK10中音域はボーカル帯域を中心に聴きやすい音を鳴らします。7mmグラフェンコート振動版ダイナミックドライバーによる中音域はこの価格帯のイヤホンとしては十分な解像感があります。ボーカル帯域の輪郭は自然な印象ながら明瞭で、特に女性ボーカルは癖が無く伸びの良い音を鳴らします。適度な煌めきがありつつ聴きやすい印象にまとめられています。いっぽう男性ボーカルは力強さを感じますが中低域付近に緩さを感じる場合があります。演奏は音源による影響が大きく、スタジオ録音のバンド演奏やライブ音源などは非常に快適ですが、音数の多い曲では定位の不正確さが気になります。やはり中低域から低域にかけてやや過剰ともいえる臨場感の演出があり、分析的なリスニングには向かない印象になります。ただ、この辺についてはリケーブルにより多少変化が得られるようです。

低域は再生環境によってはかなり過剰な演出を実感するかもしれません。8mmのチタンドライバーは非常にパワフルで深みのある音を鳴らします。重低音は深く沈み、重い音を鳴らすいっぽうで適度な解像感があります。いっぽうでミッドベースは独特の広がりがあり、包み込むというより「覆い被せる」ような臨場感で響きます。スッキリした高域の印象もあり、中高域をマスクして籠もるようなことはないものの、直線的な響きや正確性を好まれる方には向きませんし、曲によって合う、合わないも考えられます。特に低域の強いEDMや、スピード感やキレを求めるハードロックなどでは苦手に思う方も多いかもしれませんね。いっぽうでポップスなどのボーカル曲、ギターやピアノソロなど1音1音の響きを効かせた音源、臨場感のあるライブ音源などでは非常に楽しく、この価格帯では他に感じ得ない楽しさがありますね。

Geek Wold GK10このように「Geek Wold GK10」の「癖」が強くなってくるのは中低域から低域にかけてですね。全体のバランスは良く、ドンシャリ方向に心地よく鳴ってくれるのですが、多少演出過剰な部分があり、自然なサウンドやモニター的な定位感を好まれる方には好き嫌いが結構ハッキリ分かれそうです。ただ50ドルという価格設定で5ドライバーという点を考えると、このイヤホンの「個性」としてしっかり成立しており、個人的には十分に「有り」だと思っています。また情報量の多い銀メッキ線ケーブルケーブル等へのリケーブルにより中低域の締まりの向上させるのも良いアプローチでしょう。再生環境によってベストな組み合わせは変化しそうですが、色々遊んでみる」というのが良いのではと思います。
正直かなりの「変態構成」ではありますが、他にイヤホンをいくつも使っている方ならば、他には無いレアな構成ながらお手頃価格ですし、「分かってる」マニアの方に試してみていただきたい興味深い製品だと感じました(^^)。


タグ :
#GeekWold
#中華イヤホン(低価格/50USD以下)
#コネクタ:中華2pin(フラット/中華)
#リケーブル:中華2pin/CIEM-2pin
#構成:その他
#ドライバー:PZT(圧電)
#有線イヤホン:5000円以上(1万円未満)
#有線イヤホン:低価格(35USDor5000円以下)