
こんにちは。というわけで今回は「KZ SK10」です。1BA+1DDのハイブリッド構成で、有線イヤホンの「KZ ZAS」を彷彿とさせるクリアシェル&メタルフレームフェイスパネルが非常に格好良い最新モデルです。またフタの部分が透明な充電ケースもとてもファッショナブルですね。また見た目だけでなく性能面、そして音質についても高いクオリティを持ちつつ、5千円以下の低価格を実現しているのも魅力的ですね。


「KZ SK10」はKZとしても特に力の入ったモデルらしく、外観からも既存のKZ製TWSでは一線を画する製品であることがわかります。さらにカラーもホワイト、ピンク、ブラックの3色が選択できるなど、とにかくデザイン性にこだわっていますね。そして同社製TWSで最大のネックだった再生時間が本体6.5時間となり、いよいよ実用面でも「使えるモデル」となった感じがします。また付属の説明書に取得した技適マークを掲載するなど、従来モデルと比較してもより日本市場へ積極的なようです。
■ 主要な仕様
| モデル名 | KZ SK10 |
|---|---|
| ドライバー構成 | 1BA+1DD 30019+10mm複合振動板DD |
| Bluetooth | 5.2 |
| コーデック | AAC / SBC |
| 再生時間 | 6.5時間(本体) 26時間(ケース込み) |
| バッテリ容量 | 48mAh(片側) 400mAh (ケース) |
| 充電コネクタ | USB Type-C |
| 重量 | 本体6g(片側) / 45g(ケース) |
| カラー | ホワイト、ピンク ブラック |
| 技適認証番号 | 210-160781 |
■ 製品の概要について
「KZ SK10」は同社の完全ワイヤレス製品で最も多くの製品を出している1BA+1DDのハイブリッド構成を採用。ダイナミックドライバーで中低域を中心にカバーし、明瞭感のある高域を実現するためにバランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーを組み合わせることで理想的なサウンドバランスを実現します。また、「KZ SK10」は本体6gの軽量ハウジングで充電ケースもフタ部分を透明にして本体デザインと一体で美しいシルエットにまとめられています。


「KZ SK10」ではBluetooth 5.2対応のチップセットを搭載。コーデックはAACおよびSBCの対応で、iPhoneおよびAndroidで低遅延、低消費電力、および高い接続性を実現しています。搭載ドライバーは「KZ 30019」BAと10mmサイズの複合振動板ダイナミックドライバーを搭載しています。


また「KZ SK10」では同社製TWS製品としてははじめて本体の連続再生時間が6.5時間になりました。また充電ケースは最大4回のフル充電で最長26時間の稼働が可能です。KZ製のTWSは音質面の評価は高かったもののとにかく再生時間が短いことがネックでしたが、前回の「KZ Z1 Pro」の5時間、そして「KZ SK10」ではより長い6.5時間となり、この点のウィークポイントはほぼ解消されたと考えて良いでしょう。


そして、KZ製の既存モデル同様に「KZ SK10」でもゲームモード(低遅延モード)を搭載しています。このモードを有効にすることで40msの低遅延でゲームや動画視聴などでの快適性がより向上します。
「KZ SK10」の購入はAliExpressまたはアマゾンの主要セラーにて。
価格はAliExpressが42.99ドル、アマゾンが4,900円です。
Amazon.co.jp(KZ official shop): KZ SK10
■ 完全ワイヤレスイヤホンとしては他に類を見ない美しいデザイン。軽量で装着性も良好。
「KZ SK10」のパッケージは既存モデルのようなイラストパッケージでは無く、透明の円形部分から中に入っている本体が透けて見える仕様。透明ケースの特徴を最大限に見せるデザインになっていますね。パッケージ構成はイヤホン本体、充電ケース、イヤーピース(S/M/Lおよび装着済みの別タイプ)、充電ケーブル、説明書。説明書は中国語/英語表記なのは従来通りですが、中を見てみると「技適マーク」が掲載されたページが。本体/充電ケースには技適認証マークはシルクスクリーンプリントされていませんが、説明書に記載することで日本向け認証もクリアしていることを記載しています。


「KZ SK10」の本体はまさに「KZ ZAS」のワイヤレス版といった仕上がりです。実は、私自身は「KZ ZAS」よりこちらの「KZ SK10」の方を先にオーダーしていたのですが(「KZ SK10」は発売前のプレオーダーで購入)、あまりにデザインが似ているのでつい「KZ ZAS」も購入した気分になってしまって、実際のオーダーが遅れたという冗談みたいな話が・・・(汗)。まあ実際に届いたのはどちらも似たタイミングではありましたね。フェイスパネルのデザインは「KZ SK10」も「KZ ZAS」も非常に酷似していますが、ハウジング部分の形状は「KZ Z1 Pro」や「KZ SKS」とほぼ同じため実際に比較すると「KZ SK10」のほうがコンパクトにまとまっています。装着性は良好で、しっかり耳でホールドし、屋外でも簡単に外れることは無いでしょう。


KZ製TWSのステムノズルは一般的なTWSより長さがあり、多少細いタイプではあるものの有線イヤホン用のイヤーピースも利用できます。付属のイヤーピースはコシの無い柔らかいものですので、通常Mサイズより大きいサイズのイヤーピースを使用している方なら交換した方が良さそうです。イヤーピースは「RHAイヤーピース」や「final E」タイプなどが利用できますが、低価格のものでも「SONY ハイブリッドイヤーピース」(250円)なども良いでしょう。あとセリアなど100均のものでもサイズが合えば十分に使えるかもしれませんね。


また箱を開けてまず目に付く充電ケースは透明なフタ部分が特徴的な円形デザイン。サイズ感は「KZ SKS」「KZ Z1 Pro」などで採用されている円形ケースと同様のサイズ感ですが、「KZ SK10」のほうが僅かに直径が小さく、そのぶん角の丸みがとれた筒状のデザインになっていますね。
| 再生/停止 | 1回タッチ(左右どちらか) |
|---|---|
| 曲戻し | 左側 2回タッチ |
| 曲送り | 右側 2回タッチ |
| 受話・終話 | 着信時1回タッチ(左右どちらか) |
| 着信拒否 | 着信時長押し(左右どちらか) |
| 音声アシスタント | 左右どちらかを2秒長押し |
| ゲームモード | 3回タッチ(左右どちらか) |
| 手動オン/オフ | 左右どちらかを3秒長押し |
| 電源オン/オフ | 充電ケースから出す/戻す |
そして「KZ SK10」の内部については、搭載する10mm二重磁気回路ダイナミックドライバーは一見すると「KZ SKS」と同じもののようにも思えます。ただ個人的な印象としては、「KZ Z3」、「KZ SKS」「KZ SK10」の3種類の1BA+1DDモデルはBA部分には同じ「30019」を採用しているものの、ダイナミックドライバーは少しずつ世代、またはバージョンが違うものかな、という気がしています。特に「KZ SK10」で採用されているものは省電力仕様の最新タイプのドライバーで、もしかすると「KZ Z1 Pro」で搭載されたフルレンジドライバーと同じものの可能性もあります(この可能性から「Z1 Pro」のレビューでは掲載当初「Z1」と同じ「XUN」ドライバー使用としていた部分を修正しています)。この辺が音質面と再生時間に結構影響しているのではと考えられます。
また、チップセットはKZ Z1 Proと同じBluetooth 5.2対応の従来仕様(おそらくRealtek)で、「QCC3040」を採用する「KZ SKS」とは違いがあります。つまり、「KZ SK10」は、「AAC」コーデックまでの対応ながら、「KZ SKS」より長時間の再生が可能でデザイン的にコストをかけたモデルといえるでしょう。
■ 大容量バッテリによる長時間再生に、より中高域の解像感を高め質を向上したサウンド
「KZ SK10」の音質傾向は、中低域寄りのドンシャリでパワフルな低域とともにスッキリした中高域がバランスの良いサウンドです。「KZ SKS」より低域は多少厚めですが比較的締まりの良いサウンドのため、中高域との分離は良好です。またハイブリッドらしいスッキリとした高域で、かつてのKZ製イヤホン特有の多少ギラついた金属質な印象はほぼ無く、煌めきがありスッと伸びる直線的なサウンドにまとめられています。実は中低域の印象は「KZ Z1 Pro」と非常によく似ており、「実は同じダイナミックドライバーなのかも?」と思わせる部分です。ただ高域は「KZ Z1 Pro」よりシャープでキレがある印象で、サウンド的にも「KZ SK10」はハイブリッド化により「KZ Z1 Pro」より中高域の解像感を向上したアップグレードバージョンという印象があります。「KZ SK10」の高域は、明瞭で伸びの良い音を鳴らします。硬質でドライな音はKZらしさも感じますが、低域の厚みから相対的に聴きやすい印象。曲によって煌めきとともに鋭さもありますが、刺さる手前でコントロールされており、聴きやすいサウンドにまとめられています。比較すると「KZ SKS」が最も派手で、「KZ SK10」はそれより聴きやすい高音ですが、「KZ Z1 Pro」よりドライで硬質な印象といった感じですね。
中音域は凹むことなく鳴り、明瞭で癖のないニュートラルなサウンド。ボーカル帯域には適度な主張があり前面で再生されます。中高域の伸びも綺麗で抜けの良さがあります。寒色系の硬質な音ですが、僅かに温かさがあり過度に人工的にならないのは好印象。音場は左右に広さがあります。性ボーカルやピアノの高音は明瞭感があり、男性ボーカルの低音は重さがあります。音場は広めで臨場感がありゲームや動画視聴でも十分に楽しめるでしょう。なお、「Z1 Pro」「SKS」も共通ですが自然な空気感を保ちつつ明瞭な輪郭で分離も比較的良好ですが、個々の音を分析的に聴くのにはあまり向いていません。全体としてリスニングイヤホンとして非常に楽しいチューニングに仕上げられています。低域は締まりが良く重量感のある音が弾むように鳴ります。中高域との分離は非常に良好で籠もるようなことは一切ありません。ミッドベースはスピード感と締まりがあり、パワフルなアタックが塊状に鳴るのはとても気持ちよいです。レスポンスも比較的良く、スピード感のある曲でもしっかり楽しめます。重低音の沈み込みも低価格TWS製品とは思えない質の良さがあります。相性が良いのはロック、ポップス、アニソンなどのボーカル曲や、中低域が魅力的なこともありジャズなども楽しめるサウンドです。イヤーピースを利用可能な市販品へ換えることで装着性はもちろん遮音性も大きく向上するため、いわゆるANC(アクティブ・ノイズ・キャンセリング)のような機能が無くても十分に明瞭で快適なリスニングが可能です。
というわけで、「KZ SK10」はワイヤレスイヤホンとしての機能面でも十分な仕様を満たしつつ、また音質面では、有線イヤホンでは熾烈な低価格中華イヤホンの世界で戦い抜いてきた実力で、同価格帯の他社のワイヤレス製品とは「格が違う」仕上がりの良さでまとまっています。そして「KZ SK10」の驚くほどの見た目の美しさは、これまでの「どうも野暮ったい」ワイヤレスイヤホンのデザインとは一線を画するものですね。また5千円以下のお手頃価格で購入できるのも魅力的です。現時点ではアマゾンでも中国からの発送のみですが、もっと手軽に購入できるようになることで、ワイヤレスイヤホンにおいても新たな潮流が生まれるかもしれない、そんなポテンシャルすら感じてしまいました(^^;)。