Hisenior T2

こんにちは。今回はちょっとネタ記事的な内容ですね。中国のオーダーメイドブランド「Hisenior Audio」で最も低価格なカスタムIEM「Hisenior T2」を作ってみました。 2BA構成のCIEMで、なんと100ドル台の価格で作ってくれるという、脅威の低価格を実現しています。今回はその実力を確認するとともに、「CIEM作ってみたいけど価格が・・・」と思っていた方にも手軽にチャレンジいただけるよう、その購入方法も簡単にまとめてみました。
私が購入したときは100ドル程度で購入できるキャンペーン価格でしたが、表示価格も169ドルと十分に低価格。さらに定期的にセールや割引きクーポンの配布があり、実質119ドルで購入できる場合も。他にも最新のキャンペーンは「Hisenior Audio」のTwitterアカウント(@HiseniorAudio)を参照してください。
→ Hisenior AudioのWebサイト


言うまでもなく、カスタムIEM(Custom In-Ear Monitor)とはそれぞれの耳型(インプレッション)に基づいてオーダーメイドされた自分専用イヤホンで、一般的にはプロミュージシャン用の「イヤモニ」のことですね。ただイヤホンのマニアであればどんな形であれ結局は通る道でもあります(^^;)。
私のブログを以前から読んでいただいている皆様のなかには既に何本もカスタムIEM(以下「CIEM」)を持っている方も、あるいはお気に入りのイヤホンをリシェルしてカスタム化している方などもいらっしゃると思います。逆にリスニング向けとしては「カスタムの耳奥まで入って密着する装着感は合わない」と敬遠される方もそれなりにいらっしゃいます。
Hisenior T2Hisenior T2
まあ私自身もお気に入りにの一本を愛用するというよりは、色々なイヤホンを楽しみたいタイプで(なのでこんなブログをやってます^^)、後述の理由もありどちらかといえば後者タイプに近いのですが、CIEMが自分にむいてるかどうか、装着感が好みに合うかどうかなどを知るためには、結局は実際に作ってみないと判断は出来ないですよね。
そういう意味で、マニアなら一度は試しておかないと、と思うのは当然の発想だと思いますし、やはり「結局は通る道」なんですね(そうなの?)。

とはいえ、カスタムIEMはひとつひとつ個人の耳型にあわせた手作りですので一般的には通常のイヤホンよりかなり高額で、「試しに作ってみる」というにはちょっと敷居が高いのも事実。私のブログでは過去に、CIEMの「定番ブランド」のひとつで日本ではプロ用イヤモニの圧倒的シェアでもお馴染み「FitEar」のリスニング用低価格モデル「FitEar ROOM」を紹介しています。発売当時は須山補聴器 銀座店のみの取扱いで製作費49,800円(インプレ別、税別)でしたが、現在は専門店でもオーダー出来るようになり価格も変更(値上げ)されているようですね。
→ 過去記事(2018年): 「FitEar ROOM」 話題の低価格&高音質カスタムIEMをさっそくオーダーしました【購入レビュー】

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ところが、今回の「Hisenior T2」は2BA構成で「ドラマー向け」という記載はあるものの通常価格で169ドル。しかもそこからさらに割引きされ、100ドルほどでオーダーできるとのこと。最近は100ドル~200ドルクラスの製品は毎月ポチポチと買いまくっている私としては(笑)これは行っておかない手はないでしょー、という「ほぼ勢いだけ」で購入しました。
Hisenior Audio: Hisenior T2 購入ページ


■ 低価格だからといって妥協無し。豊富なカラーバリエーションに充実した付属品。

Hisenior T2実際の購入方法などは後半にまとめるとして、今回は先に手元に届いた「Hisenior T2」を見てみます。サイトの記載によると、「Hisenior T2」はKnowles製バランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーを2基搭載した2BA仕様のドラマー向けCIEMモデルです。高感度でパワフルな低域に加えて実用的な中音域とクリアな高域を備えたバランスの取れたサウンドシグネチャを実現しているとのこと。
ドライバー構成は低域&中音域用BA×1、高域用BA×1の2Wayでインピーダンス18Ω、感度105dB/mWという記載となっています。

また低価格モデルながら、追加料金なしでシェルおよびフェイスプレートは豊富なバリエーションから選択が可能。もちろん左右で異なるカラー/フェイスプレートでオーダすることも可能です。また別途料金でさらに個別のオーダーにも柔軟に対応してくれるようです。
Hisenior / Custom Shell ListHisenior / Faceplate List

またコネクタもMMCXと0.78mm 2pinから選択ができ、追加料金で埋め込み2pinタイプも選択できます。標準で8芯銀メッキ線のケーブルおよびハードケースなども付属します。実際に届いた内容はイヤホン本体、ケーブル、クリーニングブラシ、クロス、ハードケースといった内容です。
Hisenior T2Hisenior T2
実際の製作期間は約1週間程度と想像以上に短期間でした。発送したインプレッションの到着連絡とフェイスデザインの最終確認を3月7日に受け、3月15日には完成品の写真をメールで連絡してもらいました。今回東京からインプレッションの発送はEMSを、完成品はオプション(30ドル)でDHLを使って香港から送ってもらい、メールでのやりとも含めWebでのオーダーから到着まで約1ヶ月でした。

届いた「Hisenior T2」のシェルは非常に美しく小規模メーカーと言え「数をこなしているな」と感じる手堅い仕上がりです。安かろう的印象は皆無で「普通にちゃんとしたCIEM」でした。余談ですが、「Hisenior Audio」のイヤホンをレビューするのは今回が初めてではありません。ちょうど4年ほど前にユニバーサルモデルで現在は販売されていない型式の「Hisenior B6+」という6BAイヤホンを購入、レビューしています。
→ 過去記事(2017年): 「Hisenior B6+」知られざる中華な激安6BAイヤホンに挑戦しました【購入レビュー】
この頃からとても丁寧な仕事をするファクトリーだなと思っていましたが、今回の「Hisenior T2」を手にして、この数年間で熟練度が格段にアップした印象を受けました。


■ Knowles製定番BAドライバー採用による素直な出音。リケーブルでリスニング性がより向上

Hisenior T2」が搭載するBAドライバーはKnowlesではお馴染みの「CI-22955」と「ED-29689」。通常は中高域をカバーすることが多いフルレンジユニットの29689が高域メインになるように設定され、さらにマルチBAイヤホンではウーファーユニットとして多用される22955をより主張を強めにした設定のチューニングと思われます。
Hisenior T2Hisenior T2
ちなみに私の耳型は写真のとおり外耳道が極端に細く長い「かなり特殊」なもので、ドライバー数が多いCIEMなどではドライバーや音導管の配置の関係で製作を断られたり、先端が折れないように短く作成する(当然本来の長さが確保できないことで音は変わってしまいます)など、「かなりCIEMには不向き」な形状だったりします。今回の「Hisenior T2」は2BAモデルだからというのもあるかもしれませんが、そんな私の耳型でもちゃんと仕上げてもらっており、届いたときは「ほんとにこの価格でよかったの?」と喜びもひとしおでした。

Hisenior T2」の音質傾向は「ドラマー向け」という記載もあるようにやや低域寄りのサウンドバランス。全体的に聴きやすく、いっぽうで高域は比較的スッキリした印象ですが、中音域は付属の8芯銀メッキ線ケーブルではやや凹み、特にボーカル帯域は少し遠く感じるかもしれません。とはいえ音取りはしやすいサウンドですので本来の用途であれば全く問題ない印象です。
Hisenior T2Hisenior T2
Hisenior T2」をリスニングイヤホンとして楽しむためには、よりハッキリと明瞭感が出るケーブルにリケーブルしたほうがよいでしょう。ミドルグレード以上のケーブルでは「NICEHCK C4-1」や「LINSOUL Nymph」あたりは良さそうです。ただ元々低価格で購入できたCIEMですので、同様にお買得感のあるケーブルというと、先日レビューした「JSHiFi-D4G」単結晶銅金メッキ線ケーブルなどはかなり相性の良さを感じました。今回「Hisenior T2」をグリーンでつくったため、個人的には「JSHiFi-D4G」のゴールドカラーは見た目にも相性が良かったのは大正解でした(^^)。またシンプルなドライバー構成で出音も素直なため、プレーヤー側でイコライザー(EQ)による調整も行いやすい印象です。付属ケーブルのままでも好みのバランスに調整することでリスニング用として十分に楽しめるCIEMだと感じました。


■ [参考] HiseniorでCIEMをオーダーしてみよう(オーダーの流れ)

というわけで、「Hisenior T2」は、さすがにイヤホン初心者向けではないものの、これまで中華イヤホンはAliExpressなどでも割と買っているというマニアでCIEMは未経験、という方が最初に挑戦するのには結構良いアイテムではないかと感じました。というわけで、以降は「これから初めてCIEMを購入したいと思っている方」むけの参考情報として、実際に私が購入した流れをトレースしながらオーダー方法を簡単にまとめておこうと思います。

① インプレッション(耳型採取)

カスタムの肝ともいえる「耳型」の採取ですね。インプレッション自体の詳細は割愛しますので詳しくはGoogleとかで検索してみてくださいませ。
Ear Impression耳型採取を行う店舗ですが、中華CIEMの場合、採取したインプレッションを自分で発送しますので、できるだけ頻繁にやっている、実績のある店舗を使う方がよいですね。東京および関東圏であれば、とりあえずは秋葉原のe★イヤホンのB1Fにある秋葉原補聴器あたりに行っておけば問題ないでしょう。予約無しでも行けばわりとすぐ作ってくれるので(特に平日)、地方の方も出張等の合間に立ち寄る手もあります。ここでインプレッションを作ると毎回ポイントカードにハンコを押してくれるのですが(7回で1回無料)、Twitterでは余裕で何周もクリアしてそうな猛者もちょいちょい見かけますね(^^;)。インプレッションの採取費用は5,500円でした。
ちなみにインプレッションの取得方法は何種類かありますが、中華IEMの場合、届いた後のフィット感が今ひとつでも店舗で作るように修正を依頼しにくいかもしれません。通常は一般的な方法で良いですが耳が大きい方などは少しキツめになるように採取したほうが良いかもしれません。気になる方は採取時に相談した方が良いですね。


② 耳型の発送(EMS便の使用)

こちらも中国に発送したことのある方ならご存じだと思いますが、簡単に記載しておきます。

日本から中国に発送する場合、「EMS」の他に「eパケット」「SAL(eパケットライト)」を使うことが多いですね。中華イヤホンなどの不良返品などで「届くまでに時間がかかってもいいのでできるだけ安価に」という場合はSAL便の「国際eパケットライト」や「国際eパケット」を使うことも多いですが、せっかく採取したインプレッションですので、「EMS(国際スピード郵便)」でより早く確実に送りたいところです。Hiseniorからもメールで「EMSでインプレッションを送ってね」と発送方法をEMS指定で連絡が来ました。
EMS発送EMS発送
インプレッションの箱はとても小さいですが、EMSの場合500グラムまでは送料は同じなので、しっかり梱包できる箱に入れて送ります(今回は手元に大量にあるeイヤホンの箱を使用^^;)。発送には送り状のほかインボイスなどの必要書類が必要ですが、これらはすべてオンラインで作成します(郵便局で手書きの送り状ももらえますが、いろいろ手順が煩雑なため電子出力が推奨されています)。

具体的には「国際郵便マイページサービス」にアクセスし、アカウントを作成し、「送り状を作成する」を選びます。
「依頼主」および「送り先」を登録し、「内容登録」で「EMS(物品)」を選び、必要事項を入力します。

国際郵便マイページサービス「内容品名」に「EAR IMPRESSION」、
「単価」を「500JPY」とし
「内容品種別」は「その他」、
「内容品総額」も「500円」とします。
次の「発送情報の登録」では、
「発送予定日」「番号/総個数(1/1)」「総重量(梱包込みの重量)」を入力、
「インボイス印刷指定」は「規定枚数印刷する」のチェックを確認します。
「有償/無償」は「無償」にチェックをいれます。
その他メール通知が欲しい発送ステータスにチェックを入れて、内容を確認、送り状を登録します。

あとは登録した送り状を印刷し(インボイスも一緒に印刷されます)、あらかじめ切り取り線に従って切り取ったものを荷物と一緒に郵便局へ持っていきます。
レビュー時点での送料は1,400円でした。


③ オーダー時のやりとりについて

Hisenior Audio」のサイトで購入をすると、登録したメールアドレスに購入手順などの詳細を記載したメールがまず届きました。メールは英語ですがもし読めなくてもGoogle翻訳などを使えば問題ないでしょう。手順としてインプレッションの採取とEMSでの送付をするように記載されており、インプレッションの仕様について写真付きで説明されています。これについては前述の通り、CIEM用のインプレッションを行っている店舗で耳型採取すればまず問題ありません。インプレッションを入手したら発送前に写真を撮ってメールの返信で送ります。仕様を満たしていること、形状的に問題が無いことを確認して了承の連絡が来たらEMSで発送する、という流れです。
インプレッションがEMSで1週間~程度で届いたら内容確認の写真(送り状の写真が添付されていました)と、シェルおよびフェイスプレートの最終確認がありますので、サイト記載のNo.で希望するカラーやデザインを連絡します。これで実際の製作にかかります。
リクエストしたCIEMが完成すると完成写真が送られてきます。あとは到着を待つのみ、ですが、発送方法でDHLなどを30ドルのオプションで指定できる旨の連絡も受けました。AliExpressなどのオーダーとは異なり、無料の通常発送では輸送中の事故などで紛失した場合の返金保証などはありません。そのため、より早く、確実に入手したい場合はこのオプションの送料を支払った方が無難かも知れませんね(私はDHL発送の追加費用30ドルをPayPalで支払いました)。

というわけで、「Hisenior T2」の購入にかかった総額は本体およびインプレッション関係(EMSの発送費含む)の合計で約2万円弱、プラス、オプションのDHL指定での送料30ドルでした。やりとりは非常にスムーズでしたね。価格的にはミドルグレードの中華イヤホンを買うくらいの感覚ですし、多少の手間はかかるものの実際やってみればそれほど難しくもないと思われることでしょう。音質的にリスニング用途でも使いやすい印象ですし、興味があればぜひともチャレンジしてみてはと思います(^^)。

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