
こんにちは。今回は「KBEAR LARK」です。中国のイヤホンブランド「KBEAR」はEasy Earphonesなどのセラーを中心に販売され、次々の魅力的な新アイテムが登場することでマニアの間ではすっかりお馴染みですね。今回の「KBEAR LARK」は1BA+1DDのシンプルなハイブリッド構成ながら、ダイナミックドライバー部分で独自のユニットを採用し、音質的にも既存モデルの「KBEAR KS2」をベースにブラッシュアップが行われているようです。厚みのある金属製フェイスプレートも印象的で格好良く、見た目にも音質的にも使い勝手の良い製品ですね。


「KBEAR LARK」は以前レビューした「KBEAR KS2」と同じく1BA+1DD構成のハイブリッドイヤホンですが、外観上の最大の相違は、やはり金属製フェイスでしょう。この厚みのあるプレートは亜鉛合金製で高級感をアップさせるだけでなく、ハウジング自体の制振性の向上にも役立っていそうです。コネクタ部分にはTFZ製イヤホンと互換性のある0.78mm 2pinコネクタを採用しており、中華2pin、CIEM 2pinおよびTFZ用2pinコネクタのケーブルでのリケーブルが可能です。また、ステムノズル部分にはアルミニウム合金が使用されています。


ドライバー構成は、10mmサイズの複合振動板( Silicon Crystal Composite Biological Diaphragm )ダイナミックドライバーと高域用にBellsing製バランスド・アーマチュア型(BA)ドライバーを1基ずつ搭載し、それぞれのユニットはネットワーク回路(PCB)により出力がコントロールされています。


「KBEAR LARK」のカラーバリエーションは「パープル」、「ブラック」、「グリーン」の3色が設定されており、「ブラック」はフェイスプレートのカラーもダークカラーになっています。


「KBEAR LARK」の購入はAliExpressの「Easy Earphones」などのセラー、またはアマゾンの「WTSUN Audio」「HiFiHear Audio」にて。AliExpress(中国からの発送)での販売価格は29.99ドル~。購入方法はこちらをご覧ください。
AliExpress(Easy Earphones): KBEAR LARK
アマゾンではプライム扱いで 3,299円 で販売されています。国内発送ですのですぐに届きますし、万が一の場合のアマゾン経由のサポートなど安心感がありますね。
Amazon.co.jp(WTSUN Audio): KBEAR LARK ※350円OFFクーポンあり
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■ 個性的デザインのメタルフェイスが印象的。細やかな質の向上も印象的なアップグレード。
「KBEAR LARK」のパッケージは同ブランドの20ドル台の製品の中でも特に力が入っている印象です。「KBEAR KS2」と比べると数グレードは上のイヤホンみたいですね(^^;


パッケージ内容はイヤホン本体、ケーブル、イヤーピース(本体装着済みMサイズ+グレータイプおよび白色タイプがそれぞれS/M/Lサイズ)、ケース、説明書。ケースはKBEARロゴの入ったハードタイプで、最近だと「HZSOUND HeartMirror」に付属しているものと同タイプ。さらにいうとHCKのケースのグレー仕様と同じサイズのものです。このサイズのケースは使いやすいのでとても有り難いです。


「KBEAR LARK」の本体は、やはり分厚い亜鉛合金製のフェイスプレートが大きく目をひきます。クロームメッキのうえ表面を軽くサンドブラスト(砂打ち加工)しており、六角形の模様とあわせてクールな印象に仕上がっています。すべて樹脂製だった「KBEAR KS2」より見た目においては大幅に高級感がアップしています。


ちなみに本体の樹脂部分は「KBEAR KS2」と同じ形状のため、フェイスプレートの分だけ側面の厚さが増した感じですね。またアルミ合金製のステムノズルについては先端のメッシュパーツが「KBEAR KS2」と異なっており、「KBEAR LARK」では異なるフィルター設定になっているのが分りますね。


「KBEAR LARK」の装着性も金属プレートで多少重くはなっているものの「KS2」とほぼ同じです。「KZ ZSN PRO X」や「TRN STM」などの同クラスの製品と比較してステム角度などが微妙に異なり、装着性の上ででは多少良くなっている印象です。遮音性も一般的なレベルでしょう。イヤーピースは付属品でも2種類のタイプが付属していますので耳に合えば問題ないと思いますが、よりフィット感を高めるために定番のJVC「スパイラルドット」やAcoustuneの「AET07」、AZLA「SednaEarfit Light」「SednaEarfit Light Short」など開口部が広く、耳にフィットするタイプのイヤーピースに交換するのも良いと思います。
■ バランスの良いサウンドを踏襲し、全体的な質を向上。低価格中華ハイブリッドの「癒やし系」。
「KBEAR LARK」の音質傾向は、緩やかなカーブを描くサウンドバランスで、さらにボーカル帯域を中心としたチューニングによりフラット寄りの聴きやすい印象を受けます。傾向自体は「KBEAR KS2」に非常に近い印象ですが、比較するとやや中低域が明瞭で、フォーカスがよりハッキリしており、全体としても質の向上を実感できます。
「低価格中華イヤホン」の世界では、KZやTRNのようにスペックモンスターというかほぼ力押しで音作りをするようなメーカーがまず思い浮かびますが、いっぽうで「非常にシビアなコスト感覚」のなかで創意工夫によって音作りを行うことが上手いファクトリー(またはメーカー)も複数存在しています。そういった手堅さのあるファクトリーからODM/OEM供給される製品に出会ったときに感じる驚きも中華イヤホンの楽しみのひとつといえるでしょう。「KBEAR LARK」のベースとなった「KBEAR KS2」もそういった製品で、分析的に細かく聴くと、価格なりの部分というのもいろいろ見えてくるものの、まとめ方自体は数倍の価格のイヤホンに近いレベル、というサウンドでした。そして今回の「KBEAR LARK」はまさに「KS2」のブラッシュアップ版で、僅かながらコスト的に余裕ができた部分で、細やかな改良が加えられており、確実にベレルアップすることに成功しているようです。「KBEAR LARK」の高域は、とても聴きやすくいっぽうで綺麗に伸びます。ややドライな印象でシンバルなどは派手に鳴るいっぽう早めに減衰します。そのため、決して解像感の高い音ではないのですが全体としては分離がよく感じるチューニングになっています。「KS2」と比べてより見通しが良く綺麗に鳴り、いっぽうで刺さりなどの刺激は皆無の聴きやすい印象にまとめられています。
中音域は非常にニュートラルでほとんど凹むこと無く鳴ります。「KS2」より明瞭感が向上しハッキリとした印象になりました。広く奥行きのある音場と存在感のあるボーカルにより非常に聴きやすく心地良いサウンドです。高域同様多少ドライな印象ですが、ボーカル帯域と演奏の分離感は良く、適度な熱量と見通しの良さを感じます。解像感はそれなりですが、個々の音の表現力は高く、耳コピなどもしやすい音です。「KS2」では少しボーカル寄りのチューニングが強く不自然に感じた部分も「KBEAR LARK」ではより自然なバランスとなり、女性ボーカルの高音の抜けや、男性ボーカルの低音なども心地良い印象です。特に強いジャンルがあるというわけではないですが、どのようなジャンルでも明瞭さの中にも適度や温かさのある穏やかなサウンドで、長時間のリスニングでも聴きやすい、「癒やし系」のサウンドだと思います。
低域は最も質感の良さを感じる部分で複合ダイナミックドライバーによる表現力の高さを感じます。「KS2」より中音域の厚みがましているため、低域は相対的に少なく感じるかもしれません。立ち上がりが早くキレのある低音で、ややタイトながら膨らむこと無く存在感を示します。重低音の沈み込みは深く質もまずまずな印象。また低価格ハイブリッドにありがちな硬さはなく適度に温かく柔らかな印象もあります。そのためこの価格帯としては分離もまずまずですが、よりキレのある音を好まれる方には多少穏やに感じる可能性もあります。
「KBEAR LARK」はボーカル帯域メインでフラット寄り、という聴きやすいサウンドで、「KZ ZSTX」などのドンシャリ傾向でバランスの良い低価格イヤホンとはアプローチの異なる製品です。そのためどちらが好みかは意見が分かれる部分もあると思いますが、非常に使いやすく、マニア以外の人も含めて多くの方にオススメできる製品だと思います。使い勝手の良いケースや、最初から銀メッキ線ケーブルが付属する点、イヤーピースの選択肢が多い点など、付属品が充実してることもあり、最小限の付属品のKZやTRN製のイヤホンより購入後の満足度が高いのも魅力でしょう。
また、TFZ仕様と互換性のある2pinコネクタを採用していることでTFZ仕様コネクタはもちろん、中華2pin仕様のケーブルにリケーブル出来るのも魅力です。低価格の8芯銀メッキ線ケーブル「KBEAR KBF4833」により中高域の明瞭感がアップし、よりキレのあるサウンドが楽しめますし、より高品質な「TRI Audio TR4908」4芯 5N 高純度単結晶銅線銀メッキ線ケーブルでは、音質傾向を維持したままより音場感のあるサウンドが楽しめます。また「KBEAR S1」ワイヤレスケーブルを使ってワイヤレス化するのも良いですね。非常に使い勝手の良いイヤホンですので、普段使いのアイテムとして自分にあった使い方をいろいろ試してみるもの楽しいのではと思います(^^)。