今敏監督のデビュー長編『Perfect Blue』を、渋谷シネクイントの企画上映で劇場鑑賞してきました。
初公開から20年以上経った今、スクリーンで観る本作はどこまで不穏で、どこまで新しかったのか——その感想を書いていきます。
- 最初に
- Perfect Blueのあらすじ
- 現実と妄想が侵食する『Perfect Blue』——今敏監督の原点
- 岩男潤子さんもすごく良かった
- 『Perfect Blue』は短すぎる? 80分に感じた物足りなさ
- 最後に
- 関連記事
最初に
現在、渋谷にある映画館「シネクイント」で、2010年にすい臓がんで他界した、今敏監督の作品を上映する「KON’Sシアター」という企画が25日まで開催中。

パプリカは先週見に行きましたが、今週はルックバック展で東京に出る用事ができたので、まだ劇場で見ていない、『Perfect Blue』、『東京ゴッドファーザーズ』 を一気見してきました!
東京ゴッドファーザーズは過去に1度見たことがありましたが、Perfect Blueはちょっと怖くてまだ未見。こういう機会でないと多分見れないなとも思ったのが、劇場に足を運んだ動機の一つでもありました。
まずはPerfect Blueの感想です!
Perfect Blueのあらすじ
3人組アイドルグループ「CHAM」のメンバーだった霧越未麻は、事務所の方針でグループを脱退し、女優としての活動に専念することになる。
歌手になりたくて上京したはずなのに、歌を封印することになった未麻は、やりたいこととやっていることのギャップに心が摩耗し、アイドルを続けている自分の幻覚を見始める。
さらに、まるで自分を監視しているかのようにその日の出来事をアップし続けるなりすましサイトが見つかり、ストーカーにも苦しめられる未麻。
追い打ちをかけるように、未麻の周辺では不可解な殺人事件が多発する。
現実と妄想が侵食する『Perfect Blue』——今敏監督の原点
※本記事は致命的なネタバレは避けています。
現実と妄想、演技と日常、被写体と視線。
カットが切り替わるたびに、足元の床が一枚ずつ抜け落ちていく感覚があって、観ているこちらまで、未麻と同じ迷宮に閉じ込められるその作品の構成にどんどんはまり込んでいってしまいました。
もともとがOVA(オリジナルビデオアニメ)作品として世に出るはずだったものが、海外の賞に出品することになり、急遽劇場公開となったそうで、特に序盤はちょっと作画のクオリティが気になりましたが、話が動き出していくと作画のクオリティも安定しだしてもうほとんど気になりません。
(とはいえ、マネージャーのルミちゃんの目と目の距離が開きすぎている気はしますが・・・)
まさに本作が原点となり、発展していっての「千年女優」、「パプリカ」だったんだなと、強く感じさせます。
そしてラストの展開。思い返してみれば、確かにそれができるのはそうなるか、とは思ったものの、完全に騙された。
と同時に、よく今までネタバレを踏まなかったな。とも思ったり。
まだ見ていない人はウィキペディアは見てはいけません。
劇伴も、平沢進さんが手がけていたらどうなっていたかな?というのはちょっと空想したりしちゃいますが、要点に絞って効果的に見る人の不安を掻き立てる感じが凄く良かったです。
岩男潤子さんもすごく良かった
主役の霧越未麻を演じられた岩男潤子さん。
ご自身もアイドルグループ出身で紆余曲折があり声優に転身。
歌える声優ということで歌を封印してはいないものの、未麻とちょっと近しいところがありますよね。
私は岩男潤子さんのことは、カルト的人気のあるOVA「Key The Metal idol」の巳真兎季子役で知っていて。
プライムビデオでは1話だけお試しで無料で見れますね。
アニメタイムスに加入すると全話見られるようです。
偶然なのか、このアニメの巳真兎季子もアイドルなんですよね。
ただ、アイドルの方向性としてはかなり未麻と違うのですが、その演じ分けが結構興味深かった。
兎季子はどちらかというと綾波レイタイプのキャラクターですが
未麻は新人アイドルっぽいふわふわした雰囲気が見事にはまっていましたね。
ウィキペディアで書かれている代表曲「手のひらの宇宙」はこのアニメの挿入歌で、本当に名曲なのでぜひ聞いてほしい。
『Perfect Blue』は短すぎる? 80分に感じた物足りなさ
一番の不満点は短さ。今敏監督作品はどれも90分前後に収まっていて、『Perfect Blue』が特別短いわけではないのですが、しかし語り足りていないな。
という印象も少なからずあるんですよね。もうちょっと深く掘り込んでいくとよりうまみが出るのではないかというか。
凄い作品だなと思ったからこそ、物足りなさも感じました。
秒速5センチメートルみたいに、他の監督のメガホンで、シーンを追加して実写化とかしてほしいなとも思いますが、
そもそも芸能界を扱った作品を実写化するという点では推しの子の推しの子の2番線時になりそうですし、センシティブなシーンが余計重い意味を持ちそうで難しそう。
また、今敏監督が不在の中、作品に手を加えることについても、遺作が制作中止になった経緯を考えても厳しいかもしれませんね。
最後に
本当に、見ているうちにどんどん引き込まれていく名作でした。
私に勧めてくれたOさんありがとう。
プライムビデオなら1,500円
Blu-rayは6,000円とちょっとお高いですが、特典映像の監督によるパーフェクトブルー解説、すごく興味がありますね・・・
これで今敏監督作品で見ていないのは「妄想代理人」だけなんだけど、あれテレビシリーズだから視聴のハードルが高いんですよね・・・
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東京に出る用事だったルックバック展の感想記事
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