映画『機動戦士ガンダム 閃光のハサウェイ キルケーの魔女』を鑑賞しました。
本作は三部作構成の第2作で、前作から約4年半という長い空白を経て公開された作品です。
この記事では、ネタバレを含めつつ、本作が積み上げてきた「破滅の必然性」について感想をまとめています。
- 初めに|閃光のハサウェイ キルケーの魔女に対する期待
- マフティー陣営が追い詰められていく描写と圧倒的な絶望感
- ハサウェイと彼が演じる役割のアンマッチさについて
- ブライト・ノア
- 最後に|次は何年後ですか?
- 関連商品
- おまけ|ハサウェイに必要なもの
- 関連記事
初めに|閃光のハサウェイ キルケーの魔女に対する期待
前作公開から約4年。
あの頃はまさにコロナ禍真っただ中でした。
原作小説「閃光のハサウェイ」は、学生時代にGジェネレーションをプレイしたのを機に読んだことがあって、
「2度と読みたくない。でも最高のガンダム小説」
だと思っていたんです。
そのうえで、前作はあの原作の実写化として100点満点の出来でした。
感動ですよ感動。
まぁ、まさかあれから4年も待たされるとは思いませんでしたが・・・
そんな今作、いろいろ条件が重なり、公開初日レイトショーで見に行くことができました。
ということで感想です!ネタバレ多め!
見てない方は回れ右で!
マフティー陣営が追い詰められていく描写と圧倒的な絶望感
潤沢な支援が受けられている連邦/キルケー部隊と、かつかつの装備を少しずつすり減らしていくマフティー陣営の対比が、特に食事であらわされていたなという印象です。
オエンベリの備蓄をあさろうとしたり、何でもないベーグルサンドを用意することすら努力が必要なマフティー。
それに対して、客人でしかないギギが広大なロッジで女性一人が食べる量ですか?というくらいの豪勢な夕食をとっている。
マフティーがどれだけ連邦のMSを破壊しても、戦況は何一つ変わらない。 焼け石に水の戦果の裏で、連邦の戦力は補充され、味方だけが確実に減っていく。 そして最後に残された旗艦ヴァリアントすら、あっさりと轟沈させられた。
あそこの描写鳥肌もんでしたね。
Ξガンダムが発信したのを見ていたのが神の視点ではなく潜水艦のカメラであると明かされたときのぞっとする感覚。
潜水艦なんて装備間違いなくマフティーの僚艦ではない。
であれば潜水艦に見つかったろくな装備もない偽装艦の運命なんて火を見るより明らかで、そんなことを作中では描写しない。結果だけ見せて終わりという冷酷さ。
見せないからこそ際立つマフティー陣営の絶望的な状況。
連邦としてはΞガンダムが格納されていたとはいえ、おんぼろ船一つ撃沈したところで大したことではない。わざわざ映像を出すほどの大イベントでもない。ということを描写していたのかなと。
ここも、マフティーにとっては大事、連邦にとっては些事。という彼我の戦力差の描写として機能していたなと思うんですよね。
ミヘッシャや、今回一番出番の増えたジュリアら、マフティー陣営のかわいい子たちみんな死んじゃったんですよね。その描写すらなく。
船内で制圧テロの訓練をしていた子たちも全滅だろうな。つらい。
これだけ味方が死んで、ハサウェイだけ生き残るはもうないな。というのも予感させますね。
クエスとチェーンの死から立ち直れていないのに、
これだけの人の死を背負ったら、
本人は気にしないふりをしているけど、
ちょっとつついたらもう精神崩壊するのは間違いない。
ハサウェイと彼が演じる役割のアンマッチさについて
ハサウェイ悲しいくらいに革命家に向いていない。テロリストなら余計向いていないですね。
とにかく、いろんな意見を真面目に聞こうとして焦点が定まっていない。
かなり意固地な性格なのが、元彼女のケリアをはじめとしたマフティーの女性陣との会話でかなり強調されています。
そのうえで、そんな自分の性格を自覚し、仕事では出さないように自制しようとした結果、真ん中を目指そうとして中途半端になっている。
中盤、オエンベリの反政府組織の援護に行った際のハサウェイが、連邦のキンバレーの言い訳に耳を傾けてしまったり、かと思ったらオエンベリのリーダー、ファビオの話にも理解を示す。
正直ここはもっとその意固地な性格を発揮するところではないのか、と思ったり。
口はうまい、出自だけではない天性のカリスマもある。MSの操作も天才的。
だけど、絶望的に指導者に向いていない。
あぁ・・・これ完全にシャアだな。
しかも、フラストレーションをぶつけるアムロのような存在が居ない。
ハサウェイにとってのケネスが、その変なところで発揮してしまう自制心のせいで、
シャアにとってのアムロ足りえていないのが本当に、絶望的です。
シャアと似ているのに、大事なところでシャアと違う。
原作を読んでいるのでまぁハサウェイは破滅するんだろうな、とわかってはいますが、
映画化するにあたり、ハサウェイが破滅する必然性をこれでもかと積み上げ
ハサウェイが自分で自分が幸せになるルートを丁寧に握りつぶしていく。
まさに戦争帰還者の自罰的なメンタルをめちゃめちゃ丁寧に描写していて非常にしんどい。
挙句の果てに心の中にクエスの幻影まで飼っていることが今回開示されてしまった。
死人の幻覚と会話しだしたら本当に終わりです。
あれはクエスのニュータイプ的残留思念ではなく、ハサウェイの妄想の産物だと思うんだよね。
終盤説得に来たアムロは、ユニコーンでフルフロンタルの思念を連れて行ったアムロと同じ残留思念な可能性がなくはないけど。
でもハサウェイはそのアムロが伸ばした救いの手すらはじき返した。
もう彼にまともな道に戻るルートはない。
原作の、「最高だけど二度と見たくない」感じを見事にトレースしているなと思いましたね。
ブライト・ノア
私が原作を読み返せない一番の理由が、ブライトの存在なんですよね。
連邦軍のレジェンドが、寄りにもよってその息子が反政府組織のトップでしたとかまぁ笑えないわけですよ。
定年退職後は静かにパン屋(レストランでしたっけ?)を奥さんのミライ・ノアと始めようとしていたところに、息子が重罪人。
原作で描かれることはなかったですし、おそらく映画でも蛇足になるので描かれることはないと思うのだけれども、まぁその後は悲惨だと思うんです。
ジークアクスのタマキさんなんて目じゃないくらいにね。。。
実のところ冤罪なマチュですら、あのお通夜な状態だったわけで
じゃあ息子が擁護のしようもないくらいの重罪人となってしまうとどうなるか・・・
今回二人で暮らしているシーンが出てきましたが
あの少ないシーンですらいまだにあんなに相思相愛で、定年退職する年齢なのにお出かけ前にキスとかどんだけだよって話でマジでこの二人には幸せな人生を歩んでほしいと思わずにいられない。
完全に不幸になるフラグとしてしか機能していないですが。
親友であり戦友であるアムロをアクシズショックで喪い、あの世界のカミーユがテレビ版と繋がっているのであれば未来ある若者の人生をすりつぶした罪悪感もある。
多分、ハサウェイを植物観察官になるよう勧めたのもブライトで、本当に息子のことを心配して、彼の幸せのためにと思うんだよね。
それがその勧めた先でテロリストの勧誘を受けて、テロリズムに染まるとか本当に救われない。。。
宇宙世紀という歴史の中で、ブライト・ノアは最後まで幸せなままで終わらせてもらえなかったんだな。きっとこの映画の世界線でもそうなんだろうな。
という描写を丁寧に積み上げてきたので絶望が結構強いですね。
最後に|次は何年後ですか?
ヘソポイントがエアーズロック(地球のへそ)だと全然気が付かなくて恥ずかしい。
語り足りないのですが、すでにとりとめがなくなっているのでとりあえずここまで。
ギギの話とか、MS戦の話とかしたいけど、語れるほどの知識がなくてもどかしい。特にギギ。あとはまともで普通なこのはずなのに周りが普通じゃない結果一人浮いているレーン君可哀相とか。うまくまとめられそうだったらもう1記事書きます。
キルケーという単語に絡めてギギは語りたい気持ちが結構あります。
で上記の通り、ハサウェイはもう破滅する未来しかないと思っています。
正直変に生きながらえたり、幸せになられてもおさまりが悪いな、と感じるくらいに作中でハサウェイの状況を追い込んでいる。
だからこそ、原作の”あの”ラストを、この映画ではどのように脚色し、肉付けするのか。
凄い楽しみにしています。
なので・・・また4年後とかやめてくださいね。
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Ξガンダムとペーネロペー本当にデザイン大好きで、Gジェネでは参戦している限り必ず主力として使っています。
Gジェネエターナル映画公開に合わせて実装しましたが、結構な外れ性能でだいぶ憤慨していますが・・・
プラモも欲しいんですけど高いしでかいんですよね・・・置く場所と作る時間が。
でもほしい。
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おまけ|ハサウェイに必要なもの
ネットでバズっていましたが、ハサウェイに必要なのは本物の精神科医。
本当にそうですよね。
この動画すごく面白かったですし、ぜひ「キルケーの魔女」の同時視聴もしてほしい。
多分戦場でPTSDを抱えた帰還兵に対するメソッドみたいなものってあると思うんですよね。そういう治療を全く受けられず、対処療法的な措置に終始してしまった結果、危険思想に汚染された、という感じが凄くします。
つらい。
関連記事
閃光のハサウェイの随所に名前が引用されているギリシア神話との関連性をテーマにした考察記事もアップしました!
わりと力作です。
前作の感想です。4年前かぁ・・・
同じく親不孝者な主人公のジークアクス感想
マチュの比較としてよく例に挙げられていましたねハサウェイ
主人公に感情移入できれば気持ちのいい作品でしたが、親に感情移入しちゃうと途端にしんどい作品でした。





