
(書くのが遅くなってしまった。)
7月6日(日)。
「ウニクス南古谷」へ、原作・松田正隆、玉田真也監督、オダギリジョー主演の映画『夏の砂の上』を、Sさんの運転で見にいく。
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オダギリジョーが主演・共同プロデューサーを務め、「美しい夏キリシマ」の脚本などで知られる松田正隆による同名戯曲を映画化。「そばかす」の玉田真也監督がメガホンをとり、愛を失った男、愛を見限った女、愛を知らない少女が、それぞれの痛みと向き合いながら小さな希望を見出していく姿を描く。
(「映画.com」より)
地味といえば地味。ストーリーはあるけれど、全体的には登場人物の心象風景を描いたような作品。
オダギリジョーが住んでいるのは、長崎の港町。
自宅へ帰るシーン。狭い石段を登っていく。石段のある風景がいい。
雨が降らないので、渇ききっている町。
小滝治(オダギリジョー)は、造船所がつぶれてしまって、毎日家でぶらぶらしているが、次の仕事をさがしているふうではない。
以前大雨が降ったとき、濁流に流されて、5歳の息子を亡くした。それ以来、妻・恵子(松たか子)としっくりいってない。別居している。
突然、妹の阿佐子(満島ひかり)が17歳の娘・優子(高石あかり)を連れてやってきた。
阿佐子は、いい話があって博多へ行くから、しばらく優子を預かってくれないか、という。阿佐子のいう「いい話」はたいていろくでもない。
新しく男ができたんだろう、と治は想像がつく。阿佐子は、男ができるたびに「いい話」をきかせる。
以前も「いい話」があって、治が貸したお金は返されないままになっている。
阿佐子は、サッサと用件をすますと優子を置いたまま治の家を出ていく。狭い石段を降りていく。
治はとめるが、阿佐子は振り返らない。
妻に見限られた男と、母に置き去りにされた娘。
否応なく、治は17歳の姪・優子と同居することになる。
そこから物語は動いていくが、年の差を超えた男女の恋愛話ではない。
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ロングヘアーに無精髭──オダギリジョーはよく似合う。かっこいい!
この映画では、職を失い、妻に見限られた──やさぐれた男を演じる。
治(おさむ)にはふたりの友人がいるが、そのひとり陣野(森山直太朗)は、治の妻・恵子と男女の関係にある。しかも、その陣野にも妻がいる。
陣野と恵子は、家庭持ち同士の恋愛(俗にいうダブル不倫)。
それがストーリー──というよりは映画の背景であって、男女の複雑な関係を描く「ドロドロ系」作品ではない。
表面だけでは見えない「余白」の多い映画。受けとり方は見るものの感性にゆだねられている。
地味だけれど、奥行きのある作品だった。
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夜、Sさんとライブにいく。
川越駅に近いライブ・カフェ「ジャミン」へ、つるひめさん、達兄ィが参加しているバンドを見にいく。
演奏曲目は、60年代のオールデイズ。
オールデイズの規定はわからないが、わたしは勝手に「ビートルズ登場以前」(60年代前期)と思っている。
担当楽器は、つるひめさんはドラムス。達兄ィは、サックス。
Sさんは、達兄ィをショーケンに似てる、とよろこぶ──Sさんは昔からショーケンのファンだった。
60年代前期は、ポップス系が主流だった時代だったが、わたしは演奏曲目のなかで、ビートの効いたチャビー・チェッカーの「レッツ・ツイスト・アゲイン」とチャック・ベリーの「ジョニー・B・グッド」がよかった。
久しぶりの生演奏を、Sさんもわたしも楽しんだ。
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チャビー・チェッカー「レッツ・ツイスト・アゲイン」。
チャック・ベリー「ジョニー・B・グッド」(1995年。共演、ブルース・スプリングスティーン&ザ・Eストリート・バンド)。