
1月11日㈯。晴れ。
Sさんと新宿へ出る。「新宿シネマカリテ」へ『MR. JIMMY レッド・ツェッペリンに全てを捧げた男』を見にいく。
ちいさな映画館は、混雑していた。当日券は売り切れ。実際座席へすわってみると、前後左右満席だった。
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映画は、コンサートやライブの映像というよりは、ジミー桜井氏が、ジミー・ペイジの音楽(レッド・ツェッペリン)に魅せられ、楽器からスピーカーから衣装まで細部にこだわり尽くし、一切の妥協をせず「再現以上の再現」に向かっていかに心血をそそいだか、その軌跡⋯⋯といった内容だった。
◯日本人バンド「MR.JIMMY」が、国内で話題になった。ジミー桜井氏の、ジミー・ペイジを完全に再現するギターの評判がどんどん広がっていく。
◯ジミー・ペイジ本人が、プロモーションで来日のさい、この評判をきいてライブハウスへやってくる、という夢のような奇跡が起こった。ジミー・ペイジは、2時間のあいだ、ジミー桜井氏のギターに釘付け。「何かアドバイスを」と桜井氏が求めてもひたすら「すばらしい!」と絶賛するだけ⋯。
◯2014年、アメリカの人気トリュビュート・バンド「レッド・ツェッパゲイン(Led Zepagain)」のオーディションを受け、正式なメンバーに。活躍の舞台をアメリカにひろげる。
◯2016年、「レッド・ツェッパゲイン」のメンバーとしてジミー桜井氏、来日。六本木の「EXシアター」で凱旋公演をおこなう。レッド・ツェッペリンのライブ映画『永遠の詩〜狂熱のライブ』のステージを再現した(わたしも見に行ったゾ!)。
ジミー桜井氏の挑戦はここで終わらない。
◯観客がよろこぶ、レッド・ツェッペリン・コンサートの「おいしいところ」を2〜3時間にまとめたコンパクト・ライブをやろう、という他のメンバーに対し、細部にまでこだわり尽くした演奏をやっていこう、と考えるジミー桜井氏の意見が対立(ツェッペリンは、同じ曲でも年々演奏が変化していった)。ジミー桜井氏はバンドを脱退。再び新たなメンバーを探し、アメリカ人で構成する「MR.JIMMY」を結成。
◯同時進行で、レッド・ツェッペリンのドラマーだった故ジョン・ボーナムの息子、ジェイソン・ボーナム(ドラム)の率いるバンドのギタリストに誘われる。自分のバンド「MR.JIMMY」と並行して、ジェイソン・ボーナムのバンドでも、時間の許すかぎりギタリストをつとめる。
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こうしたジミー桜井氏の妥協しない歩みを映画は描いていく。
バックの音楽はレッド・ツェッペリンではなく、古いブルース曲がつかわれている。背景に流れるブルース・ナンバーが心地いい。
レッド・ツェッペリンの音楽のルーツが、黒人のブルースであることを、映画はわたしたちに伝えてくれる。
質問者が「あなたよりジミー・ペイジに近い人が現れたらどうしますか?」と訊く。
ジミー桜井氏は、迷うことなく「引退しますよ」と、笑いながらこたえた。
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映画館を出る。
Sさんが、大きな画面と音響でもっと音楽を聴きたかった、と感想をいった。
ジミー桜井氏のギター演奏は随所に登場するが、完奏された曲はない。
ツェッペリンの曲は1曲が長いので、まるごと完奏はムリでも(契約上の問題があるのかもしれないが)、わたしも「MR.JIMMY」の音楽をもっと長めに聴きたかった。
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『MR.JIMMY』の予告編。
映画では、この曲を最後まで聴けなかった⋯⋯「MR.JIMMY」の演奏で『胸いっぱいに愛を』(1979年のライブ再現)。