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悲しき一枚板のカウンター・・・

少し前から、
早くに来る老紳士の社長さん、
ジンを銘柄指定し、
「ジンフィズ」と、
そして、長きお付き合いになった。


同じく常連氏の飲食店オーナー、
このお二人が同じ事を何度も言う、
町の外れの外れ、
立ち飲み屋さんの値段で、
いい素材を使ったお店があると、


そこで、何度か尋ねたが、まだ早く、オープン前、
で、断念、
そして、もう一つ同じ事を、
カウンターが素晴らしいと、
マスターの店とは大違いと、


ん?私の店のカウンターより凄いカウンター?
それは凄い・・・
で、先日、行って見る事に、
まだ、早いので、その店の近所の店で暇つぶし、


が、入ったその店、メニューは豊富、
しかし、あまりに豊富なメニューのせいか、
食材が・・・
数の子の嫌な辛さには、
流石に閉口した。

止めの鉄火巻き、
掛ける言葉も無い・・・


そして、待望のその店に、
オープン直後なのに、
大勢のお客さんが、
私はカウンターの隅に、

カンパチを頼んだ。
鮮度がよく解る。
凄い・・・


先程の店とは、格が違う、
しかもメニュー、少ない・・・
削ぎ落とされている。
酒も、ビールと日本酒だけのようだ。
確かにこれなら、素材に集中出来るだろう、



そして、どれどれカウンターは、
確かに分厚い、15cm程の厚みがある。
が、しかし・・・


悲しくなった・・・
仕方ない事なのだが、
材木屋さんか大工さん、DIY好きな方しか解らないだろうが、
この木は、松か杉か、ペンキでこってりと塗られているので、
木目が解らないがケヤキ等ではなさそうだ。


そして、20cm程の大きな節(ふし)が、
あちら、こちら、
こ、これは、2番手、いや3番手の安価な板だ。


そういう事なのだ。
いくら、拘っても、結局は解って貰えなければ、
何の意味の無い、


が、次に「ナマコ」を頼んだ。
確かに絶品だ。
もう、そろそろ「ナマコ」も終わりかと、
「いつまでですか?」と、聞くと、


店主に、
「もう、終わりや!」と、
吐き捨てるように言われた。
しかし、安い・・・


カウンターの板がどうであろうが、
接客がどうであろうか、
まずは値段、安ければそれで良い、
そして美味しければ、尚更それでいいのだ。


私の店のカウンターは1mm程の節が、
一つ、それも私が裏と表を間違えなければ、
裏には、節は全く無かった。
厚みこそ無いが、輸入規制が掛かかり、
手に入りにくい、4mを越え、幅は80cmを越える。


高級木製ヨットに使われる高価な木材、


まさかの「チーク」の一枚板だ。
桁が一桁違う、
が、そんな事はどうでも良い事なのだ・・・


私の店は船を題材にデザインしている。
なので、どうしても「チーク」が欲しく、
大阪の材木市場を何軒、尋ねた事か、
だがこの13年の月日の中で、
「このカウンターの板、チークですね」と言われたのは、
2回・・・

我が愛しのカウンターよ、
然るべき場所にあれば、
然るべき評価を受けたのだろう、


すまない・・・

二重、三重、いや四重に色々と考えさせられた夜だった・・・




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