辞書を引くときは、特定の語句を引くのが目的なので、目当ての語句の〈前の項目〉または〈次の項目〉に移動する機能はあまり意識しません。
でも、今しがたその操作をしてみて、ふと「前後項目に移動する機能って、各辞書プラットフォームでどうなってたっけ?」と気になりました。いい機会なので、まとめておきます。
以下、順番にそれほど深い意味はありませんが、今よく使われていそうな順にしてみました。
物書堂
検索後の画面を見ると一目瞭然。画面の下部左右にボタンがあります。

(画像はクリックで拡大できます。以下同)
上のスクリーンショットでは、〈前項目〉が右の「養豚」、〈次項目〉が左の「ようなし」です。
ただし、データの仕様なのか、このボタンが出る辞書と出ない辞書があるようです。わたしの環境に入っているタイトルだと、以下のような状況です。
- 国語辞典は『デジタル大辞泉』だけボタンなし
- 英和・和英では、『ランダムハウス英和大辞典』だけボタンなし
- 学習英和・和英のほとんどはボタンなし。唯一、『オーレックス英和辞典 第3版』のみ対応
オーレックス3が対応しているところを見るとデータの新しさ? でもD大辞泉も新しいはずですよね……。この辺、わたしの環境と違う方とか追加情報がある方がいらっしゃれば、ぜひご一報ください。
KOD(研究社オンライン・ディクショナリー)
こちらも、ひと目でわかるボタンがあります。

しかも、上のスクリーンショットでは割愛しましたが、ページの上部だけでなく下部にも出てくるので、項目が長いときは助かります。ただし、物書堂のように前後にどんな項目があるのかまではわかりません。惜しい!
ジャパンナレッジ
検索後の画面の右カラムに[前項目]と[次項目]のボタンがあります。

しかも、その下には[前後項目]として前後の複数の項目も表示され、一卵性は随一です。ただし、先日も記事にしたように、JKは8月にサイトリニューアルが予定されています。
こちらの記事には、
画面が3段組になります。左から「目次」「本文」「サイドメニュー(前後項目や印刷ボタンなど)」から構成されます。
(太字は引用者)
と書かれているので、前後移動の機能が残るのは確実のようですが、どう変わるかは今のところ不明です。
LogoVista(新インターフェース)
少し前に書いたように、LogoVistaの新インターフェースは少しずつ良くなっています。わたしもだいぶ慣れました。

赤線で囲んだ左右矢印のボタンが、前後項目への移動です。その右にある < と > は、表示履歴上の前後移動です。ボタンだけなので移動先が何かわからないのは、KODと同じです。
Jamming
今や骨董品となりましたが、今でも一定数のユーザーがいるので、無視するわけにはいきません。Jammingの場合、前後項目がどう見えるかは、[表示]→[本文]の設定によって異なります。もしかすると、この機能があることさえ知らずに使っている方がいらっしゃったら、ついでなので確認してみてください。

[表示]メニューから[本文]を開くと、2つのオプションがあります。[連続表示]がチェックされていれば、検索結果の画面は前後にスクロールするだけで前後の項目に進めます。
移動の機能が必要になるのは[単項目表示]の場合です。移動するボタンなどは……実は、ありません。ショートカットを使います。上のスクリーンショットに見えているのですが、[上の項目]なら〈Alt + ↑〉、[下の項目]なら〈Alt + ↓〉です。この辺、ショートカットを使うのが当たり前のように設計されているのは、やはり最近とは思想が違うところです。
[単項目表示]にしていても特にメリットはないので、もしその設定になっていた方は[連続表示]にしておくといいのではないでしょうか?
Logophile
これも骨董品ですが、紹介しておきます。前提として、Jammingとは違う表示オプションがあります。

[個別][辞書別][単語別]と3つのタブがあるのですが、ここは[辞書別]にしてください。そのうえで、上下の項目への移動はJammingを踏襲しています。つまり、〈Alt + ↑〉と〈Alt + ↓〉です。
EBWin4
現役のEPWING辞書ブラウザーです。オプションがちょっとややこしい。

右下にある[全ての項目]はオフにしてください。[連続]となっているのが、Jammingの連続表示と同じ状態です(クリックすると[項目毎]に変わります)。違うのは、どっちの表示モードでも、その右に見えている▽△ボタンで前後の項目に移動できることです。ただし、[連続]のときと[項目毎]とでは、▽△ボタンを使ったときの移動範囲が違います。どう違うかは、辞書ごとの仕様にもよるようなので、各自でお確かめください。
なお、「全ての項目」は何のためにあるかというと、実は「うんのさん」などを活用するときに便利です(海野ご夫妻が、EBWin4の作者に依頼して付けてもらったそうです)。こちらで記事にしたことがあります。
DONGRI
さて、今回いちばん残念だったのはDONGRIです。画面には上下の矢印があって、カーソルを置くと「前の単語へ」「次の単語へ」とポップアップも出るのですが、これは前後項目への移動ではありませんでした。左カラムに一覧表示されている項目の移動です。つまり、検索にヒットした項目が複数あればその範囲で移動し、複数の辞書がヒットしていれば複数辞書間も移動できるのですが、今回求めていた前後項目への移動ではありません。
いろいろ探しましたが、前後への移動機能は(今のところ)実装されていないようです。DONGRIの中の方、これを見ていらっしゃったら、ぜひお願いします。
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さて、今回の話、実は検索例としては「きんだち」を使いたかったのですが、自粛しました。たしか、井上ひさしが書いてたネタです。