「以前から開発していた新しいゲームを完成した。」
「以前から開発していた新しいゲームを完成させた。」
このふたつだったら、どちらを自然に感じますか?
日本語を書いていると、このパターンの疑問にたびたび遭遇します。なぜかというと、サ変動詞「完成する」には自動詞も他動詞もあって、
- 他動詞として直接目的語を取り、「○○を完成する」ともいえる
- 自動詞と考えて、使役の助動詞「せる」を付けて「○○を完成さ+せる」
ともいえるからです(ちなみに、自動詞の場合は「プラモデルが完成する」のように使う)。
このパターンで迷ったときは、言葉の使い方にうるさい『明鏡国語辞典』を引いてみます。

――『明鏡国語辞典 第三版』(DONGRI版)より
このように、
「~を 完成する/完成させる」では、後者が一般的。
と教えてくれます。もちろん、これは明鏡さんの見解なので、これだけで断定することはできませんが、ひとつの目安にはなります。
さて、これと同類の注意書き、明鏡にはいくつくらい載っているのでしょうか? 「者が一般的」というキーワードで全文検索をかけてみました。
ところで、『明鏡国語辞典』は、電子メディアだとどのプラットフォームで使えるのかというと、2026年1月時点では以下のとおりです(このほかにマイナーなアプリ版もあったりしますが)。
残念ながら、物書堂版もDONGRI版も全文検索はできません。全文検索に唯一対応しているLogoVista版で全文検索を実行してみました。
LogoVistaのソフトウェアは(まだ)決して使いやすくはありませんが、グループ化の機能が追加されたり、少しずつ進化しています。今後にも期待しましょう。全文検索も、それほど待たされませんでした。

49件がヒットしました(クリックで拡大できます)。ここからはひとつずつ見ていくしかありません。
でも、わたしの手元には『明鏡国語辞典 第二版』のEPWING版があって、それを辞書ソフト「EBWin4」上で使うことができます。

(クリックで拡大できます)
50件がヒットしましたが、EBWin4でうれしいのはここからです。EBWin4の[編集]メニューには[検索一致リストのコピー]というコマンドがあり、それを使うと―
あらそえ‐な・い【争えない】アラソヘ━
い‐こう【移行】━カウ
いっ‐かん【一貫】━クヮン
いっ‐ぺん【一変】
い‐てん【移転】
うん‐こう【運行】━カウ
オープン[open]
かい‐しょう【解消】━セウ
かい‐てん【開店】
かく‐りつ【確立】
がっ‐たい【合体】
かん‐せい【完成】クヮン━
かん‐そう【乾燥】━サウ
かん‐りょう【完了】クヮンレウ
き‐どう【起動】
けい‐ぞく【継続】
げん‐しょう【減少】━セウ
こう【孔】
さい‐かい【再開】
じつ‐げん【実現】
しゅう‐りょう【終了】━レウ
しゅく‐しょう【縮小】━セウ
しょう【証】
しょう‐めつ【消滅】セウ━
しょう‐もう【消耗】セウ━
せつ‐ぞく【接続】
せっ‐ちゃく【接着】
ぞう‐か【増加】
ぞう‐しょく【増殖】
ぞう‐だい【増大】
そん‐ぞく【存続】
ちゅう‐だん【中断】
てん‐かい【展開】
てん‐かん【転換】━クヮン
てん‐めつ【点滅】
のぼ・る【上る・登る・昇る】
バイオリン[violin]
はい‐しゅつ【輩出】
はっ‐せい【発生】
はん‐てん【反転】
ふ‐きゅう【普及】━キフ
ふっ‐かつ【復活】フククヮツ
ぶん‐り【分離】
へん‐かん【変換】━クヮン
れい‐きゃく【冷却】
れる
れん‐ぞく【連続】
れん‐ぱつ【連発】
ろ‐てい【露呈】
名詞サ変動詞
(リストを一部加工)
これこのとおり、ヒットした項目のリストを書き出すことができるのでした。
しかも、上のスクリーンショットの右ペインをご覧ください。右下で[全ての項目]オプションをオンにしてあるので、ヒットした項目をいちいちクリックしていかなくても、この50件の結果をすべて1ページで閲覧できちゃうのです。
……って、すいません。これ、以前から『明鏡国語辞典』のEPWING版を持っている人ならできる使い方ですが、今からこの環境をつくることはできません。実は、もともと『明鏡国語辞典』のEPWING版は存在せず、これはLogoVista版から生成したEPWINGデータなのです。
そんなの今ごろ紹介するな!
とお叱りの言葉が飛んできますよね。
せめてものお詫びを、次の記事でご紹介します。