この1週間は、目と耳に心地よい体験が立て続いた。
まず、3月6日(木)は『名もなき者/A COMPLETE UNKNOWN』。
ボブ・ディランの伝記映画という言い方でも外れてはいないが、描かれているのは1961年~1965年までというごく初期の話。タイトルどおり "a complete unknown" だった若者が、フォークギター1本を携えてニューヨークに出てきてから、エレキギターを手にしてアルバム "Highway 61 Revisited" が出るくらいまでの短い期間だ。
あの時代のアメリカ社会を背景に、1960年代前半の音楽シーンを切り取った映画、という見方もできる。
ディランを演じたティモシー・シャラメをはじめ、登場人物全員、演奏も歌も吹き替えなしで俳優が演じたというのがとにかくスゴい。そのサントラも出ているくらいで、映画と同様に聴き応えがある。
思ったよりも歌詞をわりとよく覚えていたので、個人的にはその分でもよけいに楽しめた気がする*1。
翌3月7日(金)は、夫婦で『イノセンス 4K リマスター版』。せっかくなので、ちょい遠出してシネマシティの極音上映で*2。
20th-innocence-ghost-in-the-shell.jp
最近は、往年の名作が次々と4Kアップグレードして再上映されているが、この作品はさすがに効果絶大だった。公開当時(2004年)すでに、「画質がオーバークオリティで(あの頃の)スクリーンでは再現し切れていない」、せめて「IMAXで観るべし」と言われていたが、あの頃の IMAX でも足りていなかったのではないだろうか。
今回の4K版だと、前半の無国籍漢字文化圏的な背景から、後半のエトロフまで、頭がおかしいくらいに書き込まれた絵をたっぷり堪能できる。
ここからは、100%個人的な回想。
この映画は、六本木で翻訳会社に勤務していた頃の記憶と深く結び付いている。ちょうど六本木ヒルズが完成して、そのなかにシネコン「ヴァージンシネマ」ができたから、仕事の終わりに観にいくのがちょうどよかった。『イノセンス』公開の頃はたぶんもう「TOHOシネマズ」に変わっていて、つまらない名前になったなぁと残念だった記憶がある。それでも、週末に限らずひと晩じゅう上映回があるというのはさすがの土地柄で、『イノセンス』も2回くらい観て朝の始発で帰ったのだった。
あ、ここまで書いてたら、あの頃の六本木のことをいろいろと思い出してきた。あとで別記事にしよう。
そして昨日、3月9日(日)は『ダンジョン飯』のコンサート。場所は久しぶりの大宮ソニックシティ。
抽選でS席が当たったので、長女と末っ子とわたしの3人で鑑賞。ただのオーケストラコンサートかと思っていたが、背後にスクリーンがあり、曲に合わせてアニメを再編集した、いわばPV付きの「フィルムコンサート」だった*3。
『ダンジョン飯』アニメ版のサントラはすでに出ていて、わりと頻繁にBGMにしているが、今回はそれとは曲順を変えた構成。そこにアニメシーンも流れるんだから、盛り上がらないわけがない。
ライオスがあの歌を歌うところを再現してくれたり(熊谷健太郎がMCも兼ねていた)、古楽器についての解説もあったりして、いろいろと楽しめる作りになっていた。
