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# 古本に残された履歴、その2

前回は、古本で傍線/下線が引かれている話を書いた。次は、

  1. 新聞の切り抜きなどが挟んである
  2. 蔵書印が押してある
  3. 名入れがある
  4. 著者によるサインがある

このあたりの話。

2. 新聞の切り抜きなどが挟んである

新聞の切り抜きで多いのは、その本の発売に関する記事。これはよくわかる。一方、なかにはまったく関連のない記事の切り抜きもあったりして、これはただの栞がわりだったのかもしれない。

買ったときの領収証。これもわりと定番で、やはり栞がわりだろう。自分でもやることがある。

いちばん多いのは、出版社が独自に付けている栞がそのまま残っている場合。岩波新書などだと懐かしいのにお目にかかることがある。

写真が挟まっていたとか現金が挟まっていたとか、そんなフィクションのような経験はまだない。

 

3. 蔵書印が押してある

最近ではめったに見ない。自分でも大学生の頃は蔵書印を押していた。

蔵書印ではないが、一定以上に古い本になると「検印」というハンコが押してある。それが、あるときから「検印略」みたいに記述されるようになって、今はもうたぶんそれすらなくなった。

 

4. 名入れがある

これは、いくつか実物を載せておこう(実名入りなので、関係者の目にとまった場合には、なにとぞご容赦いただきたい)。

まずは、おなじみ『記者ハンドブック』。中身は第5版(1985年)なのだが、「サンケイ新聞社」の名前入り。きっと、記者全員に配布したんだろう。

ちなみに、ちょっと関心があって『記者ハンドブック』の各版を集めているのだが、最新の第14版からさかのぼって第4版まではそろった。残りがなかなか難しい。

そして、名入れといえば、やはり辞書。

こちらは旺文社の『国語実用辞典』(1973年発行、これは1978年の重版)。卒業記念品が辞書というのは、ある時期までど定番だった。そして、こういう辞書が古書市場に流れていく理由も、まあよくわかる。だから、美本が多い

ところで、「実用辞典」というのは、かつて国語辞典のなかでも独特のジャンルをなしていた辞書だ。文字どおり、実用のためにいろいろな便利情報を載せるタイプだった。しかも、たいていは共通のテンプレートがあって、たとえば巻頭には必ず日本地図や路線図(多くは折り込み)が付いている。

世界地図が載っていることもある。

オセアニア大陸の大半は、もちろん「ソビエト連邦」だ。

そして、本文には挿絵が多く、英単語を併記するのも一般的で、ペン字のためのくずし字も載っている。「一家に一冊」という売り方にぴったりの内容だったのだ。

辞書の挿絵というのは独特で、『舟を編む』のドラマ版にもそんなエピソードがあったし、かつて国語辞典ナイトでは西村さんが挿絵をテーマにしたことがあった。

さて、辞書の名入れは、学校の記念品だけではない。こんなのもある。

なんと、『ウィズダム英和辞典』の初版である。「刊行記念」というからには、きっと関係者と、せいぜいその周辺くらいまでしか配布されなかったと想像するのだが(実は、裏表紙には個人名も印字されている……)。それでも一部はこうして古書市場に流れていくのだろう。読者カードも挟んだままの、もちろん美本だ。

 

5. 著者によるサインがある

あまり経験はない。かなり名のある著者・作者のサインであれば高値が付くだろうから、そもそも入手する機会が少ないのは当然だろう。たしか1、2冊あったと思うんだが、名前を思い出せないくらい、それほど有名ではない方のだった。




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