「梢(こずえ)ちゃん、超巨大液晶テレビで何を観ているの?」
「あっ流(ながる)くんだー、おっは〜」
「えーっと……ぼくの質問に、答えてね」
「流くんなら、超巨大液晶テレビの画面見ただけで、何が映ってるのか理解できるんじゃないの?」
「お祭り、かな……?」
「誰が見てもお祭りだよねえ」
「いったいどこのお祭りを映して……」
「キョート」
「キョート?」
「だから、京都っ!! 京都府京都市!! これは、祇園祭(ぎおんまつり)!!」
「へ、へえぇ。お祭りを、わざわざテレビ中継するんだね」
「祇園祭だからだよっ。夏の京都を代表するのみならず、日本三大祭にも数えられてるのっ。そんなコトも分からないだなんて」
「ぬぬ」
「私、筋金入りの『西日本大好きっ子』で『京都大好きっ子』だから、先月BSで放送されてた祇園祭生中継を録画してたの。今はそれを再生してるの」
「祇園祭か……。よく知らなかったな」
「これ、一般教養レベルだよ!? 祇園祭、京都、八坂神社(やさかじんじゃ)、7月、日本三大祭!! 俳句の夏の季語にもなってるのに!!」
「こ、梢ちゃん、朝からとっても元気だねえ」
「流くんがゆとり世代なのがいけないんだよ」
「!? 違うよ、ぼく、ゆとり世代よりは下だ」
「そーだっけぇ!?」
「も、もっとマジメにやってくれないかな」
「マジメにやってほしいなら、マジメなコト言うけど」
「マジメなコトって、どんなコトを」
「流くんさー。私のコト『ちゃん』付けにしてくれるのは良いんだけど、私に対する話しぶりにまだ遠慮があるよね」
「遠慮?」
「私はもっと『ざっくばらん』が良いな」
「……抽象的だね」
「抽象的に思っちゃうのは、流くんがゆとり世代だから」
「だっダメだよ、梢ちゃんっ!! ぼくはゆとり世代じゃないし、何より、特定の世代をdisっちゃうのは怒られるよ!!」
「エーッ」
「マジメにやってほしいってぼくが思うのは、そういう点においてもだよ?」
「そういう点ってどういう点?」
「それは……」
「ほらぁー上手に答えらんない。しどろもどろなジェネレーションだぁ☆」
「……きみ、ぼくの1つ下だよね。世代、ほぼ一緒だよね」