はいっ、羽田愛です。
もう、1月7日!
1月7日になって、ようやくわたしの当番がやって来たというわけです。
え?
『当番とは、なんぞや』って??
…当番は、当番ですよ。
× × ×
じぶんの部屋で、一人称視点の小説を読みながら、『そういえば、このブログも、ずっと一人称視点よね……』なんて、余計なことを考えたりしていた。
「いけないいけない、メタフィクショナルなこと考えてないで、現実に戻らないと」
ひとりごとを言うわたし。
ひとりごとを言ったあとで、カーペットにうつ伏せになり、読んでいる小説に意識を集中させようとする。
小説の語り手の『僕』が実存主義的な思考を地の文で延々と展開していくところに差しかかったとき、軽くドアをノックする音が聞こえてきた。
× × ×
やっぱり利比古だった。
わたしの弟は、部屋に入ってくるなり、カーペットに正座。
「正座しなくたっていいのに」
「真面目な話がしたいから…」
真面目な話?
「どんな?」と訊くわたし。
「……」と黙る利比古。
「あ、もしかして、きょう作ってあげたお弁当に、あんたの苦手なものが入ってたとか」
「違うよ」
「違うの?」
「お姉ちゃんの弁当は、美味しかった。でも、弁当は、いまは関係ない」
シリアスみを帯びる利比古の声。
だんだんと不安になってくる。
「わたしも……正座したほうがよかったり、する?」
「べつに? ……ちゃんと聴いてくれれば、どんな体勢でも」
「どんな体勢でも」と言われたが、けっきょくわたしは正座することにした。
真顔の弟。
……いささか焦りつつ、
「わ、わたしとしては、真面目な話なのなら、早く言ってほしいかなー、って」
と言う。
「いったい、どんなこと? わたしへの…意見や、要望??」
軽くため息をついてから、利比古は、
「お姉ちゃん、さ、」
「う、うん……」
「ひとり暮らし関連のハウツー本を、読みまくってること、なんで隠そうとするの?」
「としひこ……。しってたの、あんた」
「知ってないほうが、おかしい。バレバレだよ」
表情を緩めず、弟は、
「きのう読んでたハウツー本だって知ってる。『晴れた日には布団を干そう ~ひとり暮らしの11か条~』って題名だったよね」
気が動転しっぱなし。
書名を正確に憶えている利比古にビックリ。
「実際……どうなの? お姉ちゃん、本気でひとり暮らしするつもりなの!?」
いままでにないぐらいの、弟の厳しさ…。
「引っ越すとしたら、いつにするの!? どこに引っ越すの!?」
「お、おちついて。まだ……まだ、確定じゃ、ないんだから」
「理由を教えてよ。理由を教えてくれないなんて、アンフェアだ。ぼくはお姉ちゃんの弟なんだよ!? きょうだいなんだよ!?」
「だから、確定なわけじゃなくって……」
「……お父さんにも、お母さんにも、相談してないんだよね?」
「……それは、これから」
「筋が通ってないよ、ぜんっぜん」
険しい眼。
わたしの美人ゆずりの、二枚目顔が、台無し……。
「……そんな怖い顔しないで。おねがい。利比古」
少しだけ、顔つきを和らげて、
「言い過ぎたのは、謝る」
「……ありがと」
「お姉ちゃんに、要望がひとつ」
「なに……かな」
「はっきりしない態度はやめてよ」
「……」
「お姉ちゃんらしくない」
いまにも……泣きそう。