
(写真)図書館総合展2025の「edit Tango」ブース。
2025年(令和7年)10月22日と23日、神奈川県横浜市のパシフィコ横浜で開催された図書館総合展2025の「edit Tango」ブースにスタッフとして参加しました。
1. 企画概要
1.1 図書館総合展とは
図書館総合展(Library Fair&Forum)は図書館をテーマとする日本最大の見本市であり、毎年秋に横浜市のパシフィコ横浜で開催されています。日本全国の組織や個人が出展者または来場者となり、2025年(令和7年)は3日間で14,023名もの来場者を集めました。
出展者・来場者ともに最も多いのは公共/大学/学校/専門の各種別の図書館員ですが、出展者としては出版やITなど図書館に関係する様々な企業も目立ちます。また、図書館情報学の教員や学生、市役所職員などの自治体関係者、一般の図書館利用者などが、自身の所属団体のブースを出展したり、来場者として会場を巡ったりしています。

(写真)パシフィコ横浜。
私が初めて図書館総合展を訪れたのは2016年(平成28年)であり、それからパシフィコ横浜で開催される本展には毎年訪れています。最初は〈ただの図書館利用者〉として、その後は〈市民活動もする図書館利用者〉として参加しており、2023年(令和5年)と2024年(令和6年)は「ウィキペディア展覧会」ブースの出展に協力しました。
私はこれまでに約500自治体/約900館の公共図書館を訪れて映画館調査を行っていることから、ブースを訪れてくれた各地域の図書館員と話す際に、かなり高い確率でその自治体を訪れた際のことを思い返しながら話ができるのが楽しいです。
1.2 edit Tangoとは
私は京都府北部で活動している市民団体「edit Tango」の一員でもあります。2019年(令和元年)に発足したedit Tangoは、丹後地方の情報資源をインターネット上に発信して歴史や文化について広く伝えることを目的とした活動を行っており、参加者自身が活動を通じて地域の理解を深めることも意図しています。
edit TangoではWikipedia上に地域アーカイブを構築する「ウィキペディアタウン」という企画を数多く開催しています。近年、図書館関係者の間でウィキペディアタウンという用語は徐々に認知されるようになっていますが、企画の特徴や意義が十分に知られているとは言えないのが現状です。Wikipediaの記事を執筆する際には図書館が所蔵する地域資料を活用することが不可欠であり、Wikipediaと図書館は親和性の高い存在だといえます。そこで今回のブースでは、図書館関係者にウィキペディアタウンについて関心を持ってもらえるような説明を心掛けました。
なお、今回のブース出展を含むedit Tangoの活動は、公益財団法人韓昌祐・哲文化財団の韓昌祐氏からの寄付を基金とする、京都府京丹後市からの助成を受けて実施しています。

(写真)図書館総合展2025の会場内。
2. 図書館総合展2025
2.1 edit Tangoブースの展示
会場内には様々な規模のブースがあり、企業ブースは主に会場中央部の島ブースとして、その他の各種団体は壁ブースとして出展していることが多いです。「edit Tango」ブースは壁ブースとして出展し、5人のスタッフが様々な展示や物販品で来場者を呼び込みました。
パーテーションの上部には、edit tangoが2019年(令和元年)に結成されてからこれまでに開催した様々な企画の年表を展示し、その下には2026年(令和8年)に開催する企画に関するチラシなどを展示しました。ブースに置いたディスプレイでは活動を紹介する動画をリピート再生しています。
本ブースの主な目的は、edit Tangoという団体の活動紹介と、隣接ブースである「ウィキメディア・ワールド」では解説できない、地域主催者サイドからのウィキペディアタウンの紹介です。丹後地方から遠く離れた首都圏在住者の多くに地域や活動を紹介することができたほか、丹後地方出身の首都圏在住者が何人もブースを訪れてくださりました。

(写真)ブースを訪れた方と話すスタッフ。
2.2 edit Tangoブースの物販
「edit Tango」ブースでは書籍やグッズの物販も行いました。書籍としては、以下のようなedit Tangoメンバーの著書やWikipediaを主題とする書籍を販売しています。
・伊達深雪 著『ウィキペディアでまちおこし』紀伊國屋書店、2023年
・芦田久美子 著『風景を聴く旅』文理閣、2007年
・円周率3パーセント 著『ウィキペディアタウンの育て方』Wikipedia名古屋編集部、2025年
・澤田佳佑 著『映画館のカケラ 東海編』東海映画館文化研究会、2025年

(写真)書籍などの物販品。
その他のグッズとしては、京丹後市の狛猫 - Wikipedia(こまねこ)をモチーフとした「こまねこアクキー」や「木製こまねきねこ うちわ」、2026年にedit Tangoがテーマとする古墳に因んだ「ごりょうくんTシャツ」や「古墳しぼり染め手ぬぐい」などを販売しています。

(写真)丹後地方関連の物販品。
2025年(令和7年)には新たな取り組みとして、Wikipedia記事を用いたトレーディングカード「ウィキタウン・カード」の制作を開始しており、このカードをブースの来場者に配布しました。
edit Tangoのこれまでの企画で新規作成・加筆したWikipedia記事を題材とし、各カードには記事の概要や関連写真を掲載しています。例えば「狛猫 - Wikipedia」、「ばらずし (丹後地方) - Wikipedia」、「袖志の棚田 - Wikipedia」などです。文章や写真を自由に二次利用できるというWikipediaの特性を活かした取り組みであり、これまで積み重ねてきた活動内容を分かりやすく、かつ魅力的に伝える手段にもなっています。

(写真)ウィキタウン・カード。
2.3 Wikipedia編集体験ワークショップ
10月22日13時15分~14時には、伊達深雪さんが会場内のスピーカーズコーナーで「児童書ではじめるWikipedia編集体験」ワークショップを行っています。高校の授業に合わせた45分という限られた時間の中で、Wikipediaの紹介から簡単な編集作業まで行う編集体験会です。

(写真)Wikipedia編集体験ワークショップ。
2.4 講演「探究学習とウィキペディア」
また、10月22日15時30分~17時には、やはり伊達深雪さんが2階のフォーラム会場で講演「探究学習とウィキペディア」&「ウィキペディアタウンのビフォーアフター」を行っています。高校の探究学習へのWikipediaの活用例を紹介し、また市民活動としてのedit Tangoの取り組みも紹介しています。

(写真)講演「探究学習とウィキペディア」。