
(写真)金堂の弘誓寺本堂。重要文化財。
2025年(令和7年)12月、滋賀県東近江市の五個荘地区(旧・神崎郡五個荘町)を訪れました。
江戸時代の五個荘三俣町には三俣鋳物師がおり、近現代には西澤吉太郎が總持寺梵鐘を鋳造するなどして活躍しました。「東近江市五個荘町の梵鐘(1)」からの続きです。「東近江市五個荘町の梵鐘(3)」に続きます。
3. 五個荘金堂町
3.1 弘誓寺梵鐘(1949年)
五個荘金堂町は近江商人発祥地の一つとされ、1982年(昭和57年)という早い時期に重要伝統的建造物群保存地区に指定されているほか、2015年(平成27年)には「琵琶湖とその水辺景観」の構成文化財として日本遺産にも認定されました。
集落の中心部に弘誓寺(ぐぜいじ)があり、本堂が重要文化財に指定されているほか、表門や鐘楼は東近江市指定文化財に指定されています。弘誓寺梵鐘は1949年(昭和24年)9月に西澤吉太郎が鋳造したものです。なお、金堂には浄栄寺、安福寺、勝徳寺もありますが、弘誓寺以外の寺院には鐘楼がありません。

(写真)金堂の寺前・鯉通り。


(左)金堂の弘誓寺山門。東近江市指定文化財。(右)金堂の弘誓寺鐘楼と代替梵鐘。鐘楼は東近江市指定文化財。

(写真)金堂の弘誓寺梵鐘。

(写真)金堂の弘誓寺梵鐘。
3.2 弘誓寺代替梵鐘(1942年頃)
弘誓寺鐘楼の脇にはコンクリート製代替梵鐘が置かれています。旧梵鐘の供出はおそらく1942年(昭和17年)であり、現梵鐘の鋳造が1949年(昭和24年)ですので、わずか7年間で役目を終えたようです。

(写真)金堂の弘誓寺代替梵鐘。
4. 五個荘竜田町
4.1 清林寺梵鐘(1950年)
重伝建地区である金堂町と旧中山道が通る小幡町の中間には五個荘竜田町があり、寺院としては清林寺、光澤寺、蔵福寺があります。清林寺梵鐘は1950年(昭和25年)1月に西澤吉太郎が鋳造したものです。

(写真)清林寺。


(写真)清林寺鐘楼と梵鐘。

(写真)清林寺梵鐘。
4.2 光澤寺梵鐘(鋳造年不詳)
光澤寺には袴腰鐘楼がありますが、鐘楼の扉の立て付けが悪くて開かず、梵鐘の鋳造者や鋳造年は不明です。本堂には半鐘が吊るされており、鋳造者は長浜市の西川徳左衛門と刻まれていました。


(左)光澤寺鐘楼。(右)光澤寺の本堂に吊るされた半鐘。
4.3 蔵福寺(梵鐘なし)
清林寺や光澤寺とは異なり、蔵福寺には鐘楼がありません。本堂には西澤吉太郎が鋳造した半鐘が吊るされています。

(写真)蔵福寺。


(写真)蔵福寺の本堂に吊るされた半鐘。
4.4 平和の鐘(1996年)
竜田町には東近江市近江商人博物館・中路融人記念館を内包するてんびんの里文化学習センターがあります。1996年(平成8年)には施設の竣工と戦後50年を記念して、西澤吉太郎が鋳造した「平和の鐘」が設置されています。

(写真)平和の鐘。