以下の内容はhttps://ayc.hatenablog.com/entry/2025/11/08/200114より取得しました。


あいたて博で旧山中従天医館を訪れる

(写真)旧山中従天医館。2020年。

2025年(令和7年)11月8日(土)、文化財建造物の特別公開イベント「あいたて博」で愛知県碧南市の旧山中従天医館を訪れました。

 

1. 旧山中従天医館

1.1 大中肇が設計した建物

山中従天医館は碧南市東浦町にある病院であり、2009年(平成21年)まで用いられていた旧医院が旧山中従天医館として現存しています。1930年(昭和5年)、碧海郡刈谷町(現・刈谷市)に事務所を構えていた大中肇の設計で竣工した洋風建築であり、フランク・ロイド・ライトの作風を取り入れたライト式の建築様式とされています。

現存する大中肇建築は、旧大浜警察署(碧南市)、上天温泉(刈谷市)、刈谷市郷土資料館(刈谷市)、山中従天医館(碧南市)、成田邸(東浦町)の5棟でしょうか。刈谷市では旧富士松村役場も設計しており、戦前にこのような堂々たる役場を構えていた村があったことに驚きます。『bookあいちのたてもの』では【藤松村】となっているようですが、正しくは【富士松村】です。

(写真)『bookあいちのたてもの』で紹介されている大中肇。

(写真)旧富士松村役場。『写真集 明治大正昭和 刈谷国書刊行会、1981年。

 

1.2 建物の外観・内部

傾斜地にあるため、平屋建で地下1階を持つ構造となっています。山中寛紀院長に尋ねると、黄色い外壁は近年に塗り直したものとのこと。腰壁部分にはスクラッチタイルが貼られており、マーブル模様に新しさを感じるのですが、竣工当時のものではないかとのことでした。現行の病院も旧山中従天医館に似た外観であり、両者が調和するように設計してもらったとのことです。

(写真)スクラッチタイルと洗い出し仕上げの外壁。

(写真)建物内。

(写真)建物内。

 

縦長の窓やスクラッチタイルといった外観は洗練されていますが、装飾性より機能美などを重視した内部が大中肇らしい建物でした。なお、2024年(令和6年)5月にはWikipedia記事「山中従天医館」を作成しています。

ja.wikipedia.org

 

2. 霞浦神社

2.1 石碑「山中泰造先生頌徳碑」

霞浦神社(かほじんじゃ)の境内北東端には、山中家の山中泰造を顕彰する石碑「山中泰造先生頌徳碑」があります。

山中泰造先生は明治十六年九月碧海郡半七村に生まる。開業医として術を施し名匠とうたわれ郷党より敬慕された。多忙の中にあって数多の公職を歴任したが、大正初期より津島神社並びに霞浦神社氏子総代顧問として昭和二十七年八月没するまで神社興隆の為に尽瘁し、その功績は偉大なものがあった。碑を建て後世に伝えるものである。

昭和四十六年十月建立 霞浦神社氏子

(裏)日本美術家連盟会員 加藤潮光書

(表)愛知県知事 桑原幹根書

(写真)石碑「山中泰造先生頌徳碑」。

(写真)旧山中従天医館に飾られている山中泰造の肖像画

 

3. 貞照院

3.1 天水桶

山中従天医館に近い寺として浄土宗の貞照院があり、本尊の阿弥陀如来坐像、経蔵、大蔵経の鉄眼版一切経碧南市指定文化財に指定されています。本堂の天水桶は1911年(明治44年)の法然上人700年忌を記念して寄進されたものであり、寄附人には山中家の山中律が名を連ねています。

(写真)山中律が寄附人に名を連ねる貞照院の天水桶。

 

3.2 陶製代替梵鐘

山中家とは関係ありませんが、貞照院にある陶製の代替梵鐘を紹介します。1937年(昭和12年)に日中戦争が勃発すると、1941年(昭和16年)8月には金属類回収令が公布され、1942年(昭和17年)5月には寺院の梵鐘もその対象となりました。これによって、愛知県内の多くの寺院では1942年(昭和17年)12月頃に梵鐘が供出されており、貞照院では1943年(昭和18年)6月に代替梵鐘が製作されています。

昭和十七年十二月八日
大東亜戦金属回収為□□依而玆模陶聊以旧原形矣 金其出十六□白蓮社戒舟
昭和癸未六月 新川町 吉田定吉 中川□太郎 謹造

代替梵鐘は石製やコンクリート製が多かったようですが、現存するものでは貞照院と瀬戸市の法雲寺の代替梵鐘が陶製であり、法雲寺のものは瀬戸市指定文化財に指定されています。

(写真)貞照院の陶製代替梵鐘。




以上の内容はhttps://ayc.hatenablog.com/entry/2025/11/08/200114より取得しました。
このページはhttp://font.textar.tv/のウェブフォントを使用してます

不具合報告/要望等はこちらへお願いします。
モバイルやる夫Viewer Ver0.14