
(写真)旧内子警察署。
2024年(令和6年)8月、愛媛県喜多郡内子町を訪れました。「内子座を訪れる」「内子町の映画館」に続きます。
1. 近代建築
江戸時代の内子は大洲藩の在郷町として発展し、大洲和紙の製造やハゼの実を原料とする木蝋の生産で栄えました。特に木蝋の生産は明治時代に最盛期を迎え、明治20年代後半には全国の白蝋の生産量の3割を占める一大産地となっています。蝋の商いで財を成したのが商家の芳我家です。
戦後には、内子町の商業町としての立ち位置は相対的に低下しますが、これが幸いして明治から大正期に建てられた近代建築が当時の姿を留めることとなりました。1982年(昭和57年)、内子町の八日市護国地区が四国で初めて重要伝統的建造物群保存地区に選定され、歴史的な街並みが広く認められました。
1.1 旧化育小学校
内子町本町には1879年(明治12年)竣工の旧化育小学校(内子児童館)があります。現在の建物は復元であって当時の建物ではないのかな。道路を挟んで東側にも気になる建物があります。

(写真)旧化育小学校(内子児童館)。1879年。

(写真)本町の建物。
本町通りから八日市地区に入る角にはモダンみを感じる建物がありますが、これは1907年(明治40年)竣工の旧内子銀行をモチーフとして1985年(昭和60年)に建てられた伊予銀行内子支店です。
隅切りがなされた入口、屋根部分の半円形のペディメントなどが旧内子銀行のデザインを踏襲しており、入口屋根部分のペディメントやオーダーなどは旧内子銀行とは無関係のようです。

(写真)伊予銀行内子支店。
1.3 内子座(国重文)
本町通りの西端近くから北に入った場所には、1916年(大正5年)竣工の芝居小屋である内子座があります。

(写真)内子座。
1.4 旭館(国登録)
本町通りから八日市地区に入った裏通り沿いには、1925年(大正14年)に株式組織の芝居小屋として建てられた旭館があります。10年前に建てられた豪華な内子座と比べると、建物の規模も構造にも差があるように感じられます。内子座があったにもかかわらず旭館が建てられた詳細については不明であり、内子町の規模を考えると2館の劇場が共存していたことに違和感も覚えるのですが、当時はそれだけ大きな町だったということでしょうか。

(写真)旭館。
1.5 旧内子警察署
本町通りの中央部、旧化育小学校の西隣には1936年(昭和11年)竣工の旧内子警察署があります。木造の町屋が並ぶ街並みの中で、鉄筋コンクリート造3階建の近代建築が異彩を放っています。窓の最上部がアーチになっていたり、黄色を基調とする外壁の中でパラペット部分のみ色が変えられている点がアクセントとなっています。
1980年(昭和55年)には内子町立図書館に転用されましたが、2004年(平成16年)に別地点に内子町図書情報館が開館すると、2013年(平成25年)からは観光案内施設の内子町ビジターセンターとして用いられています。

(写真)旧内子警察署。
2. 八日市護国重伝建地区

(写真)八日市護国の町並み。
2.1 大村家住宅(国重文)
寛政元年(1789年)に主屋が竣工した大村家住宅。

(写真)大村家住宅。
2.2 本芳我家住宅(国重文)

(写真)本芳我家住宅。

(写真)本芳我家住宅。

(写真)本芳我家住宅。

(写真)本芳我家住宅。
2.3 上芳我家住宅(国重文)
1894年(明治27年)に主屋が竣工した上芳我家住宅。

(写真)上芳我家住宅。

(写真)上芳我家住宅。

(写真)上芳我家住宅。

(写真)上芳我家住宅。