
2025年(令和7年)5月、愛知県常滑市を訪れました。「常滑市の映画館(1)」「常滑市の映画館(2)」に続きます。
1. 常滑市を訪れる
1.1 とこなめ陶の森
とこなめ陶の森ミュージアム
常滑市はINAX株式会社(旧称は伊奈製陶、現・株式会社LIXIL)の発祥地であり、常滑市で最も人気のある博物館はINAXライブミュージアムですが、常滑市が運営する博物館としてとこなめ陶の森ミュージアムがあります。アートやタイルの要素が強いINAXライブミュージアムに対して、とこなめ陶の森ミュージアムでは産業としての窯業の歴史を学ぶことができます。

(写真)とこなめ陶の森ミュージアム。

(写真)様々な土管。とこなめ陶の森ミュージアム。
とこなめ陶の森陶芸研究所
とこなめ陶の森ミュージアムの隣接地にはとこなめ陶の森陶芸研究所があります。1961年(昭和36年)に堀口捨己の設計で竣工したモダニズム建築であり、淡い紫色の外壁には常滑らしくタイルが貼られています。2014年(平成26年)にはDOCOMOMO Japan 日本におけるモダン・ムーブメントの建築に選定され、2023年(令和5年)には正門も含めて登録有形文化財に登録されました。

(写真)とこなめ陶の森陶芸研究所。登録有形文化財。

(写真)とこなめ陶の森陶芸研究所正門。登録有形文化財。
1.2 常滑市の陶製狛犬
常石神社
とこなめ陶の森の脇にある常石神社には一対の陶製狛犬があります。愛嬌があって現代的なデザインにも見えますが、1889年(明治22年)に寄進された歴史ある狛犬です。

(写真)常石神社の陶製狛犬。左側。


(左)常石神社の陶製狛犬。右側。(右)裏面。
常滑村の旧村社である常滑神明社にも一対の陶製狛犬があります。こちらは胸を張って貫禄のある姿であり、1901年(明治34年)に寄進されたやはり歴史のある狛犬です。



2. 常滑市の地図・絵図
2.1 「常滑町鳥瞰図」1940年
吉田初三郎は1940年(昭和15年)に「常滑町鳥瞰図」を描いています。劇場・映画館としては「映画常設 常滑館」(後の常滑キネマ)が描かれていますが、既に存在したはずの晋明座(後の常滑日活)は描かれていません。吉田初三郎としては様々な施設が満遍なく描かれている鳥瞰図であり、下図の欄外には杉江製陶所なども描かれています。

(地図)吉田初三郎「常滑町鳥瞰図」『陶都の常滑』常滑町役場、1940年。常滑市立図書館所蔵。
2.2 「常滑市商工観光案内図」1966年
映画黄金期に描かれた常滑市の地図として「常滑市商工観光案内図」がありますが、1966年(昭和41年)の常滑市街地にあったはずの常滑映画劇場と常滑キネマは描かれていません。晋明座/常滑日活は既に閉館しており、映画館の建物を転用して営業していたと思われるほていや常滑店が描かれています。
