
(写真)三楽荘の建物。
2025年(令和7年)3月、広島県庄原市東城町(旧・比婆郡東城町)を訪れました。「東城町の映画館」に続きます。
1. 東城町を訪れる
東城町の中心部は町並み保存地区「街道東城路周辺地区」に指定されており、和風建築としては三楽荘の主屋ほか5件が、近代建築としてはヤマモトロックマシンの10件が登録有形文化財に登録されています。
各建物の情報は『東城たてものがたり 東城の歴史的建造物』(東城路まちなみ協議会、2020年)、『国登録有形文化財 ヤマモトロックマシン施設群 その建物と時代』(ヤマモトロックマシン、発行年不明)などに掲載されています。

(写真)町並み保存地区の主要な建物。『東城たてものがたり 東城の歴史的建造物』東城路まちなみ協議会、2020年。
1.1 三楽荘
1891年(明治24年)、呉服反物商・醤油醸造業を営んでいた保澤家(保澤定四郎)の商家として三楽荘本館(旧保澤家住宅主屋)が建てられ、その後1909年(明治42年)に離れが、昭和初期に茶室が増築されています。戦後には旅館業に転業し、旅館 三楽荘として長らく用いられていました。
2010年(平成22年)の旅館廃業後、建物が庄原市に寄贈され、2011年(平成23年)には東城町初の登録有形文化財に登録されています。街道東城路に面する東面に加えて、禅仏寺に向かう路地に面する南面も虫籠窓を有する黒漆喰塗りの重厚な壁面です。

(写真)三楽荘本館。登録有形文化財。1891年竣工。
1.2 その他の和風建築

(写真)大正中期~昭和初期竣工(※『東城たてものがたり』の推定)の旧山田旅館。

(写真)車庫町屋(※『東城たてものがたり』による名称)。
1.3 ヤマモトロックマシン
ヤマモトロックマシンは1915年(大正4年)に山本鉄工所として創業した削岩機メーカーであり、1939年(昭和14年)には改組して株式会社山本鉄工所を設立し、本社を東京市に移転させています。改組前の昭和初期には現在の工場建物群・自治寮建物群が建てられており、第一工場は1934年(昭和9年)の、その他の建物は1937年(昭和12年)から1939年(昭和14年)頃の竣工です。

(写真)1937年竣工のヤマモトロックマシン自治寮家族棟。登録有形文化財。

(写真)1937年竣工のヤマモトロックマシン食堂・娯楽室棟。登録有形文化財。
1.4 その他の近代建築

(写真)1941年竣工(※『東城たてものがたり』の推定)の旧ふじや写真館。

(写真)旧ふじや写真館。