
(写真)2016年の今池スタービル。
2025年(令和7年)1月、愛知県名古屋市千種区今池を訪れました。今池は名古屋市東部における繁華街であり、かつて映画館街として知られていました。「今池の映画館(2)」「今池の映画館(3)」に続きます。
1. 映画館名簿
1.1 『映画年鑑 昭和18年』
戦前の千種区には今池館、千種館、武田劇場の3館の映画館がありました。千種館は千種公園西側の若竹町、武田劇場は飯田街道に近い千石町であり、今池にあったのは今池館のみです。

1.2 『映画便覧 1963年版』
戦時中の空襲によって今池の大部分が焼失しますが、戦後には戦前にもまして映画人気が高まりました。日本の映画館数がピークを迎えたのは1960年(昭和35年)ですが、この映画黄金期の今池には6館の映画館がありました。
1963年(昭和38年)には今池映画劇場が建て替えて複数館が入る映画館ビルとなりますが、その後も今池では単独館が主流の時代が長く続きます。なお、黄金期の千種区には仲田、本山、古出来にも映画館がありました。

1.3 『映画館名簿 1980年版』
1980年(昭和55年)の映画館名簿には今池の映画館として5施設7館が掲載されています。新今池ビルの3館は東海殖産社の経営、今池東南商店街に位置する今池国際劇場、今池フジ劇場、アカデミー劇場の3館は今池土地建物の経営であり、中部にっかつ興行を含む3社に集約されていたことが分かります。なお、中部にっかつ興行は今池にっかつ平和会館のほかにナゴヤ駅前日活も経営していました。

1.4 『映画館名簿 2005年版』
1982年(昭和61年)には今池初のミニシアターとして、自主上映会を起源とする名古屋シネマテークが開館しました。1986年(昭和61年)には木下茂三郎の株式会社キノシタによって、ミニシアターや名画座という性格を持つキノシタホールが開館。既存興行館の今池国際劇場・国際シネマ、成人映画館の今池地下劇場も含めて、2000年代の今池はバラエティに富んだ映画館街だったようです。
2006年(平成18年)には今池国際劇場・国際シネマが閉館、2017年(平成29年)には今池地下劇場が閉館、2019年(令和元年)にはキノシタホールが閉館し、名古屋シネマテークが今池の映画館街最後の砦となりました。

2. 今池の映画館(営業中)
2.1 ナゴヤキネマ・ノイ(2024年3月16日-営業中)
所在地 : 愛知県名古屋市千種区今池1-6-13 今池スタービル2階
開館年 : 2024年3月16日
閉館年 : 営業中
2023年(令和5年)7月には名古屋シネマテークが閉館しますが、元スタッフらが新たな映画館の開館を企て、2024年(令和6年)4月には名古屋シネマテーク跡地にナゴヤキネマ・ノイが開館しました。この際にはクラウドファンディングが行われ、様々な映画人が呼び掛け人に名を連ねています。


(写真)ナゴヤシネアストの倉本徹のインタビュー。『名古屋タイムズ』1980年9月26日。

(写真)名古屋シネマテークの記事。『中日新聞』1985年2月25日。

(写真)名古屋シネマテーク。

(写真)名古屋シネマテークのロビー。


(写真)名古屋シネマテーク。