
(写真)展示室の入口。
2024年(令和6年)12月、富山県高岡市の高岡市立博物館で開催中の企画展「映画ポスター・チラシ展」を鑑賞しました。高岡市立博物館「映画ポスター・チラシ展」を訪れる(2)に続きます。
1. 企画展「映画ポスター・チラシ展」
映画ポスター展は市町村立の博物館でしばしば開催される企画展です。一般的には昭和30~40年代頃の映画ポスターが展示されますが、今回の映画ポスターは戦前の作品のみでした。
戦後の映画ポスターは作品の題名とともに主演俳優の顔が強調され、「映画作品の紹介」という要素が強いのですが、文字が多い戦前の映画ポスターはかなり印象が異なるし、必ず上映館が記されています。
今回の企画展では高岡市にあった映画館ごとに映画ポスターが展示され、映画チラシ、割引券、宣伝幕、スクラップブックなどが添えられていました。したがって、実質的には「映画ポスター展」ではなく「高岡市の映画館展」です。

(写真)企画展のチラシ。
2. 高岡市の映画館概説
2.1 「娯楽と映画館」
展示室中央の島に「娯楽と映画館」というパネルがあり、高岡市の映画館の概説が記されています。「1961年時点で市域には16館もの映画館・劇場があった」とありますが、実際には16館ではなく13館であり、企画展を紹介する中日新聞記事などには正確な数字が掲載されています。1961年(昭和36年)時点の現・高岡市域には、高岡市街地に8館、伏木市街地に2館、西礪波郡福岡町、西礪波郡戸出町、東礪波郡中田町に1館ずつありました。
参考:「映画館多かりし あのころの高岡 昭和の最盛期に13館 ちらしなど紹介 市博物館」中日新聞、2024年12月4日

(写真)「娯楽と映画館」。

(写真)「娯楽と映画館」。

(写真)「娯楽と映画館」。
2.2 市街図と住宅地図における映画館
戦後の昭和20年代~30年代の高岡市街地にあった映画館を紹介するために、『大日本職業別明細図』や『日本商工業別明細図』などの市街図(都市地図)、1961年(昭和36年)の住宅地図が効果的に用いられていました。

(写真)1940年の『大日本職業別明細図 高岡市 伏木町 新湊町』。

(写真)1940年の『大日本職業別明細図 高岡市 伏木町 新湊町』。


1961年(昭和36年)の『富山・高岡市住宅詳細図』(三洋堂)は富山市と高岡市の双方が掲載された住宅地図であり、高岡市域における最古の住宅地図だと思われます。現在の住宅地図とは違って "航空住宅地図" ではないため、縮尺や方角は実際とは異なり、個別の商店/民家の敷地の大きさも正確ではありません。
これまでに46都道府県の都道府県立図書館で住宅地図の調査を行いましたが、その県の2大都市の双方を一冊にまとめた住宅地図はかなり珍しいです。高岡市立中央図書館や富山市立図書館もこの住宅地図を所蔵していますが、まだ「住宅地図」という表記が定着していなかった時代であるため、キーワード検索の際には注意が必要です。

(写真)1961年の『富山・高岡市街住宅地図』。

(写真)1961年の『富山・高岡市街住宅地図』。

(写真)1961年の『富山・高岡市街住宅地図』。
3. 映画館ごとの展示
3.1 板橋座/朝日座/歌舞伎座

(写真)板橋座・朝日座・歌舞伎座の展示。

(写真)板橋座・朝日座・歌舞伎座の展示。

(写真)板橋座・朝日座・歌舞伎座の展示。

(写真)「輝く孝道」の展示。

(写真)展示室内。
3.2 日本館

(写真)日本館の展示。

(写真)日本館の展示。

(写真)日本館の展示。

(写真)日本館の展示。