レビュー

PS5用ヘッドセット「PULSE 3D」新色開封、3Dオーディオを堪能する

「PULSE 3D ワイヤレスヘッドセット」の新色「ミッドナイト ブラック」

3Dオーディオ再生が可能で、サウンド面でも革新的な能力を持つPlayStation 5。そのPS5向けヘッドフォンこと「PULSE 3D ワイヤレスヘッドセット」に、新色「ミッドナイト ブラック」が追加される。発売日は10月28日だが、一足先にお借りできたので開封。写真を撮影すると共に、実際に使ってみた。価格は10,978円となっている。

PS5のTempest 3Dオーディオ再生のためにチューニングされたヘッドセット。ご存知の通り、PS5は、DualSenseコントローラーのミニジャックに手持ちのヘッドフォン/イヤフォンを接続しても3Dオーディオを楽しむ事ができる。また、9月の大型システムソフトウェア・アップデート第2弾で、テレビの内蔵スピーカーでも3Dオーディオが再生できるようになり、より気軽に楽しめるようになった。

一方で、Tempest 3Dの効果を最大限発揮するように設計されているのが純正ヘッドセットであるPULSE 3Dの魅力と言える。

「PULSE 3D ワイヤレスヘッドセット」の新色「ミッドナイト ブラック」パッケージ
新色「ミッドナイト ブラック」
「PULSE 3D ワイヤレスヘッドセット」従来モデル

既存のモデルはハウジングが黒く、バンド部分がホワイトだが、新色の「ミッドナイト ブラック」は黒一色……ではない。製品写真を見た時は真っ黒かと思ったのだが、実物を見ると、ハウジング部分が少し紺色寄り、バンド部分がより黒寄りの絶妙な違いがあり、光の加減でその違いが少なく見えたり、強調されたりする。バンドの内側や、頭頂部に当たる柔らかい部分も、少し明るい色だ。単純な黒一色ではないため、高級感のあるカラーになっている。

ハウジングとバンドやアーム部分で若干色味が異なる
バンド・アーム部分の面と裏でも色味が違う

開封すると、充電用のUSB-Cケーブルに加え、アナログ接続用のステレオミニケーブルも同梱。ワイヤレスヘッドフォンだが、有線接続も可能であるため、PS5と連携しない場合でも、普通のヘッドフォンとして使うことができる。PS VRヘッドセットとの連携も可能だ。

付属品

さらに、ワイヤレスアダプターを同梱。これをPS5やPS4に接続すると、ワイヤレスでの伝送が可能になる。PS5やPS4だけでなく、Windowsやmac OSのパソコンでも利用可能だ。

ワイヤレスアダプター

電源は、ヘッドフォンの左ハウジング側面のスライドスイッチでON/OFFできる。ワイヤレスアダプターをPS5に接続した状態でも、ヘッドフォン側のスイッチON/OFFで、PULSE 3Dを使う/使わないが切り替えられるのは便利だ。

ワイヤレスアダプターをPS5に接続したところ

便利機能と言えば、マイクのミュートボタンもハウジング側面に搭載。主音量の操作ボタンも備えており、このあたりまでは普通だが、さらに“ゲーム内オーディオとボイスチャットの音量”を調整するためのボタンも備えている。つまり、ゲーム内の音をメインに聞きたい時と、仲間とのボイスチャットの会話をメインで聞きたい時と、2つのソースの大きさをヘッドフォン側で調整できるわけだ。これはまさに“ゲーミング用”という機能だ。

“ゲーム内オーディオとボイスチャットの音量”を調整するためのボタンを操作すると、画面右上にこのようなアイコンとミキシングバーが表示される

設定を変更する際に、いちいちメニュー画面などに移動する必要もないため、例えば「敵が大量に攻めてきて、無数の音が勢いよく出ているシーンではゲーム音をちょっと減らしてボイスチャットを聞きやすいバランスに調整、フィールドを移動している静かなシーンでは逆にゲーム音を増やす」といった、スピーディーな切り替えも可能だ。

ハウジング側面のボタン。“ゲーム内オーディオとボイスチャットの音量”を調整するためのボタンも備えている

さらにボイスチャット用として、“マイクモニタリングスイッチ”を専用で備えている。これを使うことで、自分の声が通話相手にどのように聴こえているかを自分でチェックできる。「自分の声が低ノイズで、まわりの騒音にも邪魔されずに相手に届いているか?」は、なかなか自分ではチェックできない事なので、非常に面白い機能だ。

充電状態を確認できるインジケーターも備えている

3Dオーディオを体験する

Windowsパソコンにワイヤレスアダプターを接続し、Amazon Musicで「ジョン・メイヤー/Back to You」を再生。PULSE 3Dの“素の音”を聴いてみたが、非常にクリアで、色付けも少なく素直なサウンド。音場も広く、閉塞感もあまりない。低域から高域まで、バランスも良好だが、中低域を少しだけパワフルになっているのがわかる。ゲームの迫力を出すためには、こうしたチューニングがベストなのだろう。

PS5と接続し、「ASTRO's PLAYROOM」などをプレイすると、3Dオーディオの効果を実感できる。敵の足音や、巨大な扇風機が動く音など、音を出しているオブジェクトが周囲にあると、画面内にあるオブジェクトの位置と連動して、音像の定位が変化する。

オブジェクトに対して横を向けば横から、背中を向ければ背後から確かに音がする。定位もかなり明瞭で、「なんとなく後ろから音がするような……」というレベルではなく、「あ、確かに後ろから聞こえる」と実感できる。この、“3Dオーディオの聞こえ方”には個人差があるが、バーチャルの3Dオーディオ再生能力として、Tempest 3D + PULSE 3Dの組み合わせはかなりハイクオリティだ。

設定画面の「ヘッドホンで3Dオーディオを出力」がONになっていると、3Dオーディオが楽しめる

人気のバトルロワイヤルFPS「Apex Legends」もプレイしてみたが、敵に爆弾を投げられ、慌てて逃げるようなシーンでも、「背後から爆弾が爆発したドカンという音がする」だけでなく、その「ドカン」が近い位置なのか、遠い位置なのかも判断できる。「追っ手がまだ近くにいるからもっと逃げよう」なのか「追われてるけど距離はあるから、一度足を止めて様子を見よう」が音だけで判断できるのでありがたい。

室内と屋外では音の反響も変化するが、3Dオーディオではその様子もよくわかるため、実際に自分が荒野で戦ったり、建物の中に隠れて敵をやり過ごしたりしているような、臨場感がアップする。ゲームのサウンドがこんなにも作り込まれているのだと、改めて実感した。

なお、PS5のメニューから、ヘッドフォンでの3Dオーディオを調整する事も可能。サンプル音を聞きながら、“自分の耳の位置から聞こえていると感じる高さに合わせる”というもので、簡易的なものではあるが、ユーザー個人に最適化できるわけだ。必ずしも左右の耳で同じ位置がベストかというとそうではないようなので、ここはシビアに設定したい。

3Dオーディオ調整画面

また、9月に配信された大型アップデートにより、ヘッドセットの使用中に、PS5上のコントロールセンターの[サウンド]からオーディオのイコライザーを設定可能になっている

プリセットとして「標準」、「ベースブースト」、「シューター」、「オーディオモード1~3」の6種類を用意。利用シーンやゲームのジャンルに合わせ、積極的にサウンドを調整してみるのも面白いだろう。

オーディオのイコライザー設定も可能になった
山崎健太郎