帰省恒例、ココスでポテトを囲んで幾時間の会。コナン好きの友達の「みんな、コナンミステリーツアーなんて興味ないよね?鳥取で謎解きするやつなんだけど…」という面白い匂いしかしない発言に、一同「え、よくわかんないけど行くよ」と二つ返事で敢行決定。
実は鳥取に行くのは初めて。もう一生来ないかもしれない土地、せっかくなら島根も行こう!有休取れたら勝手に前乗りもしちゃおう!悔いのないように、やりたいこと全部やるぞ〜〜!の旅。
1日目:ゲリラ豪雨のなか、ひとり前乗り
鳥取⇄島根の往復200kmをレンタカーで爆走
有休をもぎ取って前乗り。国内でひとり旅したことはほぼなく、ドキドキしながら鳥取に上陸すると、信じられないくらいの雨!もしかしたらそのうち晴れるかも?という期待を1mmたりとも抱かせない、潔いくらいの豪雨。わたし結構な雨女では…?と思うくらい、昨今のビッグイベントはすべて雨に祝福されている。
そんななか、早速レンタカーを借りて、コンビニでコーヒーやお茶を買い込み、鳥取方面に向かって一路西へ。普段旅先でしか運転しないので、ひとりでの長距離運転、大丈夫かな〜〜と緊張しつつ、鳥取島根の交通量が閑散としていることを一心に信じて予約したのである。晴れていたらここは絶景スポットだろうなあという日本海を臨むスポットも、土砂降りすぎて一面真っ白で何も見えず、もはやひとりで笑いながら運転。
足立美術館で心洗われる時間

片道100km超を無事に駆け抜け、足立美術館へ。立地や外観からは割と地味な印象を受けたのだが、それは大間違い。横山大観を中心に日本画の作品があることとお庭が素敵という前情報は持っていたものの、その文字面の知識と、自ら現地で体感した感覚はまったく異質なものだった。いま思い返してもうっとりするほどに、想像を遥かに凌駕した素晴らしい時間だった…。


日本画にあまり触れたことがなかったけれど、こんなに趣深いものなんだな〜〜。鳥や猿などの動物の毛並みなんて、どうなっているのだろう!と近くでまじまじ観察したくなるほどの手触り感。魯山人の作品のための別館も新設されていた。魯山人をじっくり鑑賞するのは初めて。素朴で巧みで愛嬌がある。年表を見たところ5回くらい結婚&離婚されていて、ご本人も自由で愛される人だったんだろうな〜〜と勝手に想像する。器は作り手をあらわす。

一番感動したのは、圧巻の横山大観「紅葉」。これが目玉作品とは聞いていたものの、正直なところ「派手な絵」くらいのイメージしかなかった。でも、解説を読みながら、じっくり贅沢に見つめていると、不思議なことに、赤く燃えるような紅葉が川の流れに落ちて、その着水で川の水飛沫が跳ね、それが靄となって空に登り、その先に鳥が飛び立つ。その一連の動きが映像として立ち上ってくる。な、なんじゃこりゃ!
絵の中の世界の時間の流れが動いて見えるように思えたことは、これまで一度もなかった。初めての体験。あまりの衝撃にちょっと涙出た。


そして、噂に違わぬ素晴らしい庭園。横山大観の「那智乃瀧」を模した滝が遠くに配されるなど、物凄いスケール感。雨を受けた緑の潤いや、静寂のなかに響く葉を打つ雨の音、身が引き締まるような冷気と、緑の気配をたっぷり吸い込んだ靄。そのすべてが五感に迫り、立ち尽くしてそれらをただ一身に浴びるというのは、言葉であらわせないくらいに豊かな時間だった。心ゆくまでぼーっとして、大きく息を吸った。
晴れの日ももちろん素敵だろうけれど、雨だからこその情緒が真髄のように思えた。心洗われる庭。今日この場所でこの時間を味わうための、わたしのための雨とすら思えた。心が回復した手応えがある。来てよかった。ありがとう足立美術館。
米子の寿司を食らう、ひとりでもランチを諦めない!
すっかりお腹が空いたところで、悩みに悩んだ結果、有名回転寿司らしい「すし北海道」でひとりランチ。わたしがあまり一人旅に行かない理由は、ごはん屋さん(特に居酒屋や小さいお店)にひとりで入りづらいという一点に詰まっているのだが、回転寿司というのは地元の食材を味わえるうえにひとりでも余裕で入れて、まさにぴったりなチョイスだった。見たことのない地元のネタがたくさんあって面白かった。この日のマイベストは、はじめましてのカワハギ。


そこから再度100kmの道程を爆走して鳥取に帰還。平日に前乗りしたこともあり、宿は空いていて温泉が貸切状態。大きいお風呂に浸かることでしか癒されない何かがある。
無事故で帰ってこられて、思いもよらぬ感動に出会えて、なんだかしみじみとってもいい日だったなあ。臆さずひとりで前乗りしてみてよかった〜〜!
2日目:鳥取をコンパクトに周遊
鳥取砂丘で強風とバトル

朝、鳥取空港に到着した友たちをお迎えに行って、早速鳥取砂丘へ。
砂に足を取られて、歩くのが大変。そのうえ、とんでもない強風に終始ブンブンに叩きのめされて笑っちゃった!
その後、ランチで楽しみにしていたB級グルメ・ホルモンそばの有名店にわくわくで突撃するも、ちょうど本日分終了とのことで目の前で振られて絶望。

その後もなかなか入れるお店が見つからず、苦戦した末に辿り着いた鳥取牛骨ラーメン。これがあら美味しい。自家製麺のコシのある支那そば感が大変好みだった。そして旨みのあるスープ、柔らかいチャーシュー!ついついチャーシュー多めにしてしまったが、これは英断だった。
砂の美術館と食と食


続いて砂の美術館へ。砂像というこれまたはじめましての芸術、すごいクオリティ!
砂と水だけのアート、展示が終わればまた砂に還る。この上なくサステナブルだ…。ちょうど「日本の歴史」がテーマの展示が開催されていた。親切にも時系列順になっており、日本史をおさらいしながら大迫力の巨大な作品群を楽しく鑑賞。
動いて食べて、動いて食べて、が我々の旅。ということで、その後はTwitterで見かけて気になっていた「一善や」というイートインもできるお菓子屋さんに訪問し、だらだらとお茶をしばく。念願の柿と無花果のミルフィーユを食べることができた、宝石のようだ〜〜!柿をおいしく食べられるようになったのは大人になった証な気がする。


動いて食べるのは正義だが、時には食べた後に、また食べてもいいよ♩ということで、そのまま夜ごはんに直行。


執念のホルモンそばリベンジ!臭みのないホルモン、そこに絡まるこってりとした焼きそば。美味しくないわけがない。このお店の焼きそばのソースの味や麺の感じは個人的にはそこまで好みではなかったけれども、食べ物としてめちゃくちゃ好きな構成すぎる。なんなら自分で作ってみようかしら。
ちなみに、こんなにめちゃくちゃ観光している背後で、駅でコナンミステリーツアーの謎解きキットもしっかり確保。鳥取に訪れたコナン御一行が、いつものように事件に遭遇する一連の流れが激しく長文で綴られており、あまりの長さと登場人物の多さに全員寝落ちしそうになりながらも、隙間時間に気合いで読み進めた。
キットに含まれるイントロ的なストーリーを読み終えた時点で、すでにコナンも小五郎ですらなんか色々気付いているっぽいのに、わたしはまだ何〜〜にも気付けないぜ!(ぽんこつ探偵)
3日目:コナンミステリーツアー無事に完遂
せっかく海沿いに来たのだから!ということで、かろいち市場で朝ごはん。かに味噌〜〜!海鮮丼〜〜!朝から幸多すぎる。旅先の市場で朝ごはんを食べるのが大好き!


ぽんこつ名探偵、大移動(倉吉・三朝へ)
この日は本腰を入れてコナンミステリーツアーを進行。鳥取島根の各地の観光センターに設置されたヒントを巡る建付になっているのだが、それぞれがまあ大胆に点在しており、かなりの広範囲を移動させられる仕組み。とんでもない移動距離である。
一応キットに電車とバスの周遊パスはついているのだが、観光もしたかったので我々はレンタカーで爆走。これも大正解だった。というか車なし交通機関のみであれを巡るなんて信じられない…。

いうことで、島根方面に向かいつつ、途中で倉吉やら三朝やらに立ち寄って、せっせとヒントを収集。三朝の大きな川沿いに超オープンな完全野外温泉があったのだが、そこに架かった橋を渡っていたところ、明らかに意図的に公然猥褻をしてきている全裸おじさんに遭遇。コナンはこんなところにヒントを散りばめる前に全裸おじさんを捕獲した方がいい。

気を取り直して倉吉のお蕎麦屋さんでランチ。枝豆?そら豆?の天ぷら、優しい甘さで美味しかった。そしてここで人生で一番美味しい蕎麦湯に出会った。わたしたちが最後のお客さんだからすごい濃いよ、そこに出汁を加えているよ、とお店の方が持ってきてくださった蕎麦湯はすんごい濃度で白濁していて、とろっとろ。つゆを足す必要がないくらいに、蕎麦湯だけで完璧で、優しい旨味がみっちみちに詰まっていた。


道中しっかりコナンロードにも立ち寄って、たくさんの像と写真撮影。すごい観光資源だ。そして、そんなこんなしながら、しれっとコナンの謎解きも完遂。途中何が何だかわからなくなったのだが、ある一箇所のヒントが、ヒントというより答えを提示してくるというコナン映画もびっくりのトンチキ展開をかましてきたため、特に頭を使わずにクリアとなった。あれはなんだったんだ。
ぽんこつ名探偵、夜まで大はしゃぎ
夜ごはんは、念願のさばしゃぶ。美味しすぎる〜〜〜!ぷりっぷりの鯖の甘味と出汁のコラボレーション。永遠に食べられる。このさばしゃぶが、満場一致で今回の旅のベスト飯と相成りました。

そこから誰もいない夜の(しかも雨の)水木しげるロードを経由して出雲に移動して、最後の夜。地味にはじめましてのドーミーイン。評判は前々から聞いていたものの、温泉も設備も簡素ながら痒いところにちゃんと手が届いていて、お値段もお手頃で、特に夜鳴きそばが美味しすぎて、まんまとドーミーインのことが大好きになっちゃった。違う場所に旅行してもまた泊まるぞ〜〜!


4日目:はじめての出雲大社で早朝祈祷
島根最終日、早起きして出雲大社へ!早く行けたので空いていてよかった。


この日は気持ちのよい青空。せっかくここまで来たので祈祷しよう!と受付に向かったのだが、中で手続きをしている間に突如として雲行きが変わり、バケツをひっくり返したような豪雨と雷鳴。普段あまりないような天気に驚いていたのも束の間、いざ祈祷のタイミングになって外に出る時には、曇天ではあれど雨はぴたっと止んでいた。神様が何かに怒ってるような、不思議な経験をした。


肝心の祈祷、座って参加するタイプで、前の方の席かつ背もたれもないのにどうしても眠気に抗えず、めちゃくちゃ寝てしまった…。前後左右にブンブン揺れていた自覚があり、周囲のみなさまは朝早くに祈祷に参加する気合いを持ちながら本番で爆睡する謎の女に度肝を抜かれたことでしょう。あまりに罰当たりな所業。

境内の朝露に濡れた緑が気持ちよくて、思わず「朝露の…」と一句詠みそうになったほど。去年好んで見ていた神々の大格闘ドラマ・全決の知識が役立ち、随所の説明書きに登場する神様や背景に「これ全決で見たやつだ!」と進研ゼミばりの理解力を発揮することができた。ありがとう全決。

飛行機の時間が迫っていたので、大急ぎで神門通りを散策し、最後の昼食に「うず煮」という出雲大社の伝統的なおもてなし料理をいただいた。ふぐの身や皮が入っていて、なんとも優しい旨味たっぷりのお出汁!出雲で食するにふさわしい逸品だった。
そこからまたしても東に爆走し、鳥取空港に帰還。一体この旅で何km駆け抜けたことでしょう。大移動旅行の締めに、空港内で最後の牛骨ラーメンを食べた。さっき最後の昼食とか言ってうず煮を食べていたのに、それは何ごはんなのですか?というのは愚問です。車とお別れしたので、もちろんビールもキメていく。旅の最後はかくあるべし!

総括
今回は図らずも過去の旅行でも随一の移動量を記録。あの一帯、地図で見るより横に長すぎる…。トータルで500kmくらい走ったのでは?今回の学びは、山陰地方に飛行機で行く時は使う空港を往路と復路で分けた方がよいということです。
これまであまり日本海側に縁がなかったので、季節や場所にもよるだろうけれど、日本海の海があんなに荒れているとは初めて知った。水は青くて綺麗だけど、波がとにかく激しく打ち付けて、白波とはかくありき!という感じ。火曜サスペンスに出てきそうな海。絶対に泳げない。


コナンミステリーツアーを契機に勃発した鳥取・島根旅。もう来れない可能性を踏まえて、やりたいこと全部やるぞ!の気概が功を奏して、おかげさまで食べたいもの見たいもの全部叶えられた大満足の旅となった。
ベスト食はさばしゃぶ。ベスト宿はドーミーイン。友達ふたりと楽しく旅行できたことが何よりも嬉しいことだ〜〜。とはいえ、旅の随所で抗えないほどの眠気に度々襲われ、移動中にたびたび爆睡してしまい反省。仕事の疲れか…?と思っていたが、あのとんでもない強度は低気圧の仕業だったような気がする。意にも介さず運転を続けてくれた最高に優しい友たちに感謝。なんだか国内旅行が今の気分かも、楽しかった!