両親との九州旅行に続き、ウキウキの夏休み旅行・第2弾。島に旅行するぞ、という今年の野望を叶えるべく、初めての石垣島へ。
直前に体調を崩してしまい、今回こそはさすがにだめかも…と諦めかけるレベルの緊迫感だったが(いつも健康なのにお休みに入ると決まって体調を崩す、会社にとって都合のよすぎる人間)、持ちうるすべての体力と精神力を回復の一点のみに全集中させて、どうにか持ち直すことができた。ひやひやしたぜ…。
そんな経緯もあり、何のリサーチも予約もできていない、いつも以上に気ままなノープラン旅だったけれど、思うがままに島の時間と空気に身を浸して、結局4日間の滞在で3つの島々にも立ち寄ることができて、なんだか結局これ以上ない素晴らしい旅になった。夏の思い出。
石垣島:街と島のバランスが心地良い
レンタカーを借りて悠々と車を走らせる。島に旅行に来ると、いつも聞かないのに絶対にBEGINを流してしまう。たぶんみんなそう。

初めての石垣島、想像よりもしっかりと街が発展していて、でも島全体をあたたかな風そよぎ海が凪ぎ、道端には鮮やかな花が咲き、街と島のバランスとか時の流れとかがちょうどいい塩梅ですごく気に入った。遊んでもいいし、何もしなくてもいいし、心がそこらへんをゆらゆらしていていいんだなって感じ。
石垣島の観光客の属性、言葉を選ばずに言うと、クラスの一軍みたいなカップルがめちゃくちゃ多くないですか…?他の観光地では感じたことのない傾向。
4日間の旅行だというのに、当日まで4日全日雨予報で涙していたのだが、島の天気はあてにならないようで、雨が降ったのは初日だけだった。他はずっと快晴、ありがとう。
1泊目だけ、プールとプライベートビーチのある北部の海辺のホテルに宿を取った。着いた時は青空が広がっていて、浮かれた気持ちで水着も浮き輪も日焼け止めもばっちり装備して、さあいざ泳ぎに行くぞ!と外に出た途端、待ち構えていたように暴風雨発生。目も開けられないくらいの雨粒に打たれる痛みに刺されながら、意地で30秒くらい海にぷかぷかしたのち即避難して1日目のアクティビティは秒速で終了。

極寒で体も冷え切ったけれど、温泉であたたまったら体も心もゆるまって、はァ〜と渾身の吐息がお腹の底から湧き上がり、これぞ旅の醍醐味という感じ。石垣島の温泉はちょっとしょっぱい味がする。オーシャンビューは一瞬しか見えなかったけれど、広くてきもちいい部屋で悠々自適に過ごせて、とってもいいホテルだった。

残りはインフィニティプールのついた南西部のホテルに泊まった。晴れた夜に、ホテルと海の間の真っ暗なコンクリの地面に寝転んで星を見た。目が慣れるにつれて見える星が増えていくのは、まるで星の方が少しずつ姿を現し出したみたいな感激がある。天の川がぼんやりと肉眼で見えた。
誰もいない、テトラポットに波が打ち寄せる音だけを聞きながら星を見上げるなんて、1円もかかっていないのに、これ以上の贅沢はないんじゃないかとさえ思う。本当はこんな日々をずっと過ごしていたいのに、おかしいねえ。熱い夢を語り出すくらいの舞台は整っていたけれど、我々は相変わらず洒落た言葉のひとつも出てこず、ここぞとばかりにぽけーっとしたり、歩き疲れた足を曲げたり伸ばしたりして、好き勝手に過ごした。いい夜。

幻の島・浜島:人生で一番透明な海
やっぱりここまで来たからにはシュノーケリングやってみる?!ということで、前日の晩に電撃予約した、幻の島と呼ばれる小さな浜島に上陸して、その後シュノーケリングを楽しめるというツアーに参加。
EXILE系の怖いお兄さんに急きたてられ、満足に荷物も持てずに身一つで小舟に乗船し、そのままいきなり出港。人格が運転に出ると言うのは車でも船でも一緒なんだな…という特にいらない教訓が身に付くギャンギャンに海を切り裂く航海術に、命の危機を感じながら、友達と10回くらい「こんなはずじゃなかったんだが…( ◠‿◠ )」と顔を見合わせた。無事でよかった。

幻の島、近くまで船を寄せて、そこからは浅瀬を歩いて砂浜に乗り上げる。あまりの海の透明度に、本当にきれいな海は青でもなくエメラルドでもなく透明なんだ、ということを知る。大きな海のど真ん中にぽつんと小さな小さな陸地が生まれて、そこに人が立っているという不思議。宇宙から覗いたらどんな風に見えるんだろう。

人生初のドキドキシュノーケリング、気を抜くとつい鼻呼吸しちゃってゴーグルに水が入ってゴポッとなって焦る、と言うのを3回くらいしてから、きれいな海と魚たちへの感動を遮断する代わりに、心の中でひたすらに「口で吸う…口で吐く…口で吸う…口で吐く…」と唱えまくって事なきを得た。シュノーケリング、いままで原理がよくわかっていなかったけど、こりゃ便利だね。楽しくってファンになりそう。
シュノーケリングのやり方はかろうじて基礎だけレクチャーしてもらえたけれど、はいじゃあGO!という結構乱暴な感じで、同乗していた女の子がEXILE兄に「できないんですけどどうしたらいいですか…」と恐る恐る申し出たところ、「それはビビってるからじゃないかな。恐怖心をなくせばできると思うよ、じゃあ行ってみよう」で回答終了していてヒッとなった。女の子はその後どうにか無事に泳げていたみたいなのでよかった。

ウミガメには出会えなかったけれど、ニモには会えた。ちゃんとイソギンチャクの中にいることに感動した。
西表島:カヌーでジャングルクルーズ in マングローブ林
カヌーもしたいかも…?という友達の申し出で、もうどの予約サイトも受付終了している前日の晩に、ネット検索で出てきた個人ツアーにダメ元で電話して、快く承諾してもらったカヌー体験 in 西表島。旅程を綱渡りで積み上げすぎている。

お恥ずかしながら、「イリオモテジマ」は「入表島」で、「西表島」は「ニシオモテジマ」なのかと勘違いしていた。ここに来なかったら一生イリオモテとイリオモテが繋がらなかったので、やっぱり来てよかった。
西表島は、面積自体は石垣島の約1.25倍と大きいものの、人口は20分の1くらい。独自の生態系が発展した、手付かずの大自然に覆われた生きるジャングル。魅惑的だ。
お昼過ぎの観光客が少ないタイミングだったのか分からないけれど、島に降り立っても、カヌーを漕ぎ出す川辺も、だだっ広い川も、そしてマングローブ林の中も、すべてに忘れ去られてしまったみたいに、嘘みたいにだーーーれも人がいなかった。

旅をしてここが気に入って住み着いたというスナフキンみたいなおじさんと我々だけがぽつんとそこにいた。文明も人間も消えて、自然だけが美しく残った世界に間違って迷い込んだみたいだった。人間も本質的には自然の一部である、ということを突きつけられるような、圧倒的な支配・被支配の関係。

川のせせらぎ、遠くの鳥の声、葉っぱが水面に落ちる音、サワガニの足音、普段の日常ではまず訪れない、静寂と自然の音だけに包まれる感覚。世界そのものの豊かさをたっぷりと味わう、とても不思議な体験。スナフキンにも「こんなに人がいないことは普通ないよ」と言われる独り占めっぷりを堪能して、たまに話したり、説明を聞いたり、写真を撮ったりしつつ、ただただみんなでぼーっと、ゆっくり川に浮かんでいた。

マングローブ林は川の途中に入り口があり、カヌーでようやく入れるくらいの細い小道を、木にぶつからないように気をつけて漕ぎ進んでいく。その進み方は、なんというかイッツアスモールワールドとかカリブの海賊とかまさにそういう類のもので、用意された景色をドキドキと進みながら見せていただく、めくるめく自然の饗宴。


あまりの壮大さに、なんだろう、誰かが作ったわけではないのに、まるで用意されている舞台みたいだった。プーさんのハニーハントの、物語の見開きページを進んでいくような。
マングローブはとてもよくできた生きもので、海水と淡水のまざりあうところに生息し、塩分を排出する仕組みも持っている。もしかしてミッツ・マングローブって、性別という境界線のはざまにいるからマングローブなのかな…?と話していたら、本人は語感だけで決めて、マングローブが何なのかさえ知らなかった、と後からネット記事で知った。

普通、西表島でカヌーをしようとすると北部のツアーがメインのようなのだが、なぜ我々がわざわざツアーの少ない南部まで足を運んだかというと、このイリオモテヤマネコの遊具を見るため。そんな物好きは他にいないようで、観光客は0。



地域の子どもたちが、イリオモテヤマネコの遊具が欲しいというリクエストを出して、それが実現した形らしい。こんなでっかいイリオモテヤマネコを作っちゃうなんて、リクエストに対する心意気が男前すぎる。滑ってみるとかなり危険な急勾配で、大人にはスリリングだった。

竹富島:赤瓦と水牛の箱庭をゆく

石垣島と竹富島は、フェリーで約15分とめちゃくちゃ近いということを知って、最終日に行ってみた。港付近のレンタサイクルに在庫がなく、かなり歩いてクタクタになった。石垣にブーゲンビリアの花、赤瓦の民家の集落。わたしがぼんやりと抱いていた石垣島のイメージは竹富島だったことを知る。


小さな小さな島に、人の暮らしがそこにある、という感じ。よく知らずに訪れてしまったけれど、観光地としての何かがそこにあるわけではなく、ただただ昔ながらの風景があるだけなので、観光客としては人の家に土足でズカズカと上がり込んでいる感が強くて、なんだか申し訳なかった。同じ言葉を話す日本人がぞろぞろと押し寄せて、家や暮らしを覗いていくって、島の人たちはとっても居心地が悪いのではなかろうか。

そういえば、竹富島に向かうフェリーの待合所に、色褪せたちゅらさんのポスターがまだ現役で飾ってあって感動してしまった。竹富島の猫たちはみんな揃って無防備で、よく人に懐いていた。
旅のごはん記録
ベストごはん:来夏世の八重山そば
石垣島でも相変わらずよく食べた。石垣牛とか美崎牛とか、やっぱりお肉料理がすごく美味しい気がしたけれど、今回のベストごはんはレンタカー屋のお兄さんがおすすめしてくれたお店の八重山そば。有名店らしく、結構混んでいた。

素敵な生垣。民家を改装したみたいなつくりで、風がたっぷり吹き込んでとても気持ちいい(ただ我々には駐車ハードルが高くて、全身全霊のふたり連携プレイで、優しいお兄さんにご指導を賜りながらギリギリ乗り越えた)

なんというか、出汁はこうあってほしい、という旨味と深みの理想を兼ね備えていて、何のてらいもない、素朴な完璧さに唸った。結局こういうのが一番美味いんだよな〜〜と年に数回シンプルな食事に対して抱く最上級の感服と満足感。
旅の掟「1日1ジェラート、1日1島人」
旅行前はもちろんそんなこと決めていなかったのだけど、ふと気が付くと1日1回のジェラートと島人が日課になっていた。念のため、1島人(しまんちゅ)=BEGINの「島人ぬ宝」1回再生、です。




有名どころのブルーシールやミルミル本舗から海辺のローカルなお店まで、とことん食べ尽くした。完熟マンゴー、塩ミルク、キウイ、グァバ、やっぱり島に来たからには島っぽい味を堪能したくなるのが人情というものよ…。
ソウルフード「オニササ」を食す

石垣島に毎年行っている親戚がおすすめしてくれた、知念商会で楽しめるソウルフード「オニササ」にチャレンジ。何やら強そうな名前だが、おにぎりにササミのフライをドッキングさせて中濃ソースをかけるというシンプルかつ豪快な力メシ。しっかりと美味しくて気に入った。
総括
最終日、竹富島から石垣島に戻るフェリーにて、これ以上なく澄み渡るだだっ広い青い空と青い海を見て、友達があっけらかんと一言「もう青い海に慣れちゃったなァ」と言った。

一応海を眺めるたびに「青いねえ、きれいだねえ」と褒め称えていたわたしは、「思ってたけど口には出さなかったことをはっきり言ったな…」と感心したのだが、それ以上にそのコジコジ感たるや…!もう4年近く一緒にいるのに、友達とコジコジがあまりに似過ぎているという事実に、どうして気付かなかったのだろう。石垣の海上で衝撃が走った。

友達は、声優にスカウトされるほどの特徴的な声(コジコジとかゆるキャラ系統)と、おばあちゃんみたいな言葉遣いを兼ね備えた、現代にはめずらしい真っ直ぐな心根の逸材で、さらに本当にコジコジみたいなことを言うので、実写版コジコジと言っても過言ではないかもしれない。というか、これ以上似ている人はいない気がしてきた(突然みなぎる自信)
きっと世の中には「コジコジと友達になりたいな…」と思っている人が100万人くらいいるはずなので、そんなリアルコジコジという令和のHOPEとこんなに楽しい夏休みを一緒に過ごせて、本当にありがたい旅でした。