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書き手の幸福

北方謙三『生きるための辞書 十字路が見える』(新潮社、2020年)の「男は心の無人島を求めるのだ」は、北方先生の愛読書に関する文章で、ここでは『ヘンリ・ライクロフトの私記』と『スイスのロビンソン』が挙げられている。その中で、書き手としての姿勢を表す文章がある。

 忘れられていい、と私は自分の作品については思っている。一度、読まれてしまうと、そこで一回は作品は生きた。それだけで、書き手としては幸福ではないか。そう思っていなければ、書けない。一行書くたびに、これでいいのかと自問をくり返し、一日に五行ぐらいしか書けない。だから、眼をつぶる。たとえ駄作であろうと、とにかく全力で書き上げる。傑作は、書こうとして書けるものではない。私の場合は、なのだが。数えきれないほどの駄作の中から、偶然のように傑作が生まれてくるのではないか。振り返ると、駄作しか見えてこない作家人生ではあるが。

では作家が傑作を書こうとして書いた例はあっただろうか、と思うが、そんなことは実際どうでもよく、先生の言う通りだろう。傑作だとか名作だとか、他人からの評価は後で付けられるものなのなんだから…うだうだ言ってないで書けということである。




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