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映画による哲学の関連書籍

前回のエントリで、「映画による哲学」というトピックはそれなりに盛り上がっていると書いた。論文では個々の文献の紹介などは書けなかったので、ついでに紹介記事。

ちなみに「映画による哲学」と「映画の哲学」を混同しないように注意。「映画の哲学」の方が広い。「映画の哲学」は、「映画とは何か」とか「人はなぜホラー映画を観るのか」といった、映画に関連する哲学の問題を扱う分野だ。「映画による哲学」は、「映画の哲学」の中の1トピックで、「映画は哲学できるか?」という問題を問うもの。

盛り上がっていると言っても、まだまだ確立された分野という感じではないが、文献はそこそこある。

この分野の第一人者Wartenbergさん。バランスがよく読みやすいし、基本的な論点はだいたいここに出てくるので、もしこの分野に興味があれば、最初の一冊はこれがよいと思う。わりとスタンダードで常識的な立場を擁護しているので、すごくおもしろいことを言ってるわけではないが、だからこそ議論の叩き台にもしやすい。およそ、この分野が成立したのは、本書のおかげではないかと思う。各章ごとに映画作品を扱っているのだが、作品論の部分もおもしろい。この分野は、おそらく「授業で使う」という需要もあると思うのだが、この本は授業向きなような気もしないでもない(授業したことないので知らない)。

Mulhallさんはスタンリー・カベルの後継者みたいな人で、独自路線を進んでいる。本書は、第一版時点でOn Filmというタイトルなのにエイリアンシリーズしか扱わないというすごい本だったが、第二版でミッションインポッシブル論(!)が追加され、第三版でまたいろいろ追加され、版を重ねるたびに長大になっている。ミッションインポッシブル論はちょっと読んだのだが、文章が難しすぎて……なんかモダニズムとか…人間の条件が……という話をしているということしかわからなかった(ミッションインポッシブルなのに……)。ちゃんと読むと、すばらしいことを言っているかもしれないが、私は挫折したので評価不可能。

Wartenbergとかなり重なっている印象。前半の理論の箇所しか読んでないが、個人的にはWartenbergの方がよかった。

美学の専門誌JAACの「映画による哲学」特集号を論文集にしたもの。質・テーマともにバラバラだが、モノグラフとちがって、映画による哲学に否定的な立場からの論文もあるので、検討材料によい。いわゆる美学っぽい論文は半分くらいで、個々の映画を扱った作品論が半分くらい。

映画の哲学のリーディングス。論文を書いてるときに入手できなかったので読んでないが、Film and Knowledgeのパートの論文は読んだ方がよさそう。

なお、私の論文でも扱ったAaron Smutsは映画の哲学のイントロダクションを出版しようとしており、「映画による哲学」もこの中で扱われるはずなのだが、こちらはまだ出版される気配がない。既存の論文を読むかぎりおもしろいので、出版されればおすすめしたい。

Philosophy of Film: A Contemporary Introduction

上記の他にオンライン資料としてInternet Encyclopedia of Philosophyの記事や、PhilPapersのPhilosophy Through Filmの項がある。




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