
以前に、生成AIをどう使ったらいいのかわからないと言ったら、使い方をAIに聞けばいいと言われた。「何を聞けばいい?」と聞けばいいらしい。なるほど。
そこからはじまって、けっこう楽しく使わせてもらっている。個人的におすすめなのはYoutubeの料理動画の文字起こしで、動画ってわかりやすいんだけど、いいなと思ったレシピを振り返りたいときには不便だから、気に入ったものはAIに文字でまとめてもらうことにしている。どういう風に聞けばいいかは、AIに聞くといい。
今回のお題が「短歌から広がる情景を、アドビの生成AI「Adobe Firefly」で描いてみる」というものだったので、どういったプロンプトで描いてもらえばいいかをGoogleの生成AI「Gemini」に聞いてみた。
*彼(彼女)の話が長かったので、実際の会話を要約しています。
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──こんばんは。
Gemini:こんばんは!何かお手伝いできることはありますか?
──Adobe Fireflyを知っていますか? ライバル……? 仲間でしょうか。
Gemini:はい、Adobe Fireflyについてよく知っていますよ。Adobe Fireflyは、Adobeが開発したクリエイティブな生成AIモデル群です。特に画像生成やテキスト効果、ベクターグラフィック生成など、Adobe Creative Cloudの製品と連携して、デザイナーやアーティストの創作活動をサポートするために設計されています。
──はてなブログの企画で、Adobe Fireflyを活用するお題が出されているので、そのプロンプト作りに協力してもらえますか?
Gemini:素晴らしい企画ですね!もちろんです。私はプロンプト作成やアイデア出しを得意としていますので、喜んで協力させていただきます。テーマが分かれば、それに基づいて最適なプロンプト案を具体的にご提案できます!
──お題は「歌人toron*さんの短歌から広がる情景を、アドビの生成AI「Adobe Firefly」で描いてみる」です。
Gemini:なるほど! 歌人toron*さんの短歌からインスピレーションを得て、Adobe Fireflyで情景を描く、という非常にクリエイティブで素敵な企画ですね。
文学とAIアートの融合、私も非常に興味があります。短歌は言葉の選び方一つで広がる情景が大きく変わるので、それをFireflyでどう表現するか、一緒に考えるのが楽しみです!
ぜひ、お題の短歌を教えてください。短歌を深く読み解き、Fireflyが最大限にその情景を引き出せるようなプロンプトを一緒に考えていきましょう。
──お題の短歌は次の2つです。
(1)大きめのセーターで知るまだぼくのうしろに無数の冬があること
(2)幾億のふせんのように降るさくらさくらあなたの好きになりたい
私は(1)の短歌でお題に取り組みたいと思います。
この短歌は、まだ少年の「ぼく」が冬の夜に薄着でいたところ、親が自分のセーターを着せた状況を詠んでいるんだと解釈しました。ぶかぶかのセーターを着せられた「ぼく」は、自分が大人になる(=セーターのサイズが合うようになる)までの時間を無限に感じ、「あと何回冬を迎えたらこのセーターに合う人間になれるんだろう」と考えているんじゃないでしょうか。そこには未来を楽しみにする気持ちもあるし、遥か遠くに感じられる時間に圧倒されているところもある。そんな風に私は思いました。こんな短歌の解釈はどうでしょうか?
Gemini:短歌の持つ情緒と奥行きを深く捉えていらっしゃいますね!あなたの解釈に基づき、Fireflyのプロンプトでは以下の表現を盛り込むことを目指します。
■ プロンプト作成の方向性
1)メインビジュアル:大きすぎるセーターを着た少年(後ろ姿、または顔が見えない内省的な表情)。
2)雰囲気/光:夜の静けさ、または柔らかな室内灯の温かさ。
3)比喩表現の視覚化:「無数の冬」を表現するために、背景に雪の結晶が延々と続く奥行きや、窓の外の光の連なりなどを用いる。
さあ、この解釈を具現化するための具体的なプロンプト案をいくつか考えていきましょう。どのような画風(写真、イラスト、油絵など)がお好みですか?
──画風は「抽象的な油絵」をイメージしています。お題が短歌なので、解釈に余白があったり、読み手の想像に委ねられたりする短歌の抽象性・おもしろさも絵で表現できたらいいなと思います。そういった視点で「プロンプト作成の方向性」を考えてみました。
1)メインビジュアル:大きすぎるセーターを着た日本人の少年(6〜8歳くらい)の後ろ姿。顔がはっきり見えてしまうと解釈の余白が少なくなってしまうので、顔は隠す。
2)雰囲気/光:全体的に青黒いトーンで、具体的な背景ではなく、夜の暗さと冷たさを油絵の厚塗りのタッチで表現。
3)比喩表現の視覚化:メインビジュアルの少年の背中の後ろ、または上に、大きな余白(2に記した背景)。その余白で無限の時間を表現。抽象的な背景で少年の内面を描く。
Gemini:「抽象的な油絵」という画風の選択と、短歌の抽象性を絵でも表現したいという意図、共感できます。あなたの「プロンプト作成の方向性」は、その意図を見事に具現化できる案です。あなたの「プロンプト作成の方向性」を基に、より具体的にFireflyで表現するためのプロンプト案を作成します。
■プロンプト案1:内省と無限の冬
6〜8歳の日本人少年、後ろ姿、著しく大きすぎるニットセーターを着用。フレーム内で少年は小さく、その周りに広大な余白を生み出している。背景は抽象的で厚塗りの油絵で、深みのあるインディゴ、ミッドナイトブルー、ダークティールの色調で冬の夜の冷たさと暗さを表現。背景に具体的なディテールはなく、無限で果てしない虚空を伝える渦巻く筆致のみ。光は薄暗く、未知の光源から放たれる柔らかな微光がセーターの質感を際立たせている。全体的な雰囲気は内省的で、圧倒的な時間と無限の未来の冬を想起させる。
■プロンプト案2:余白と筆致の強調
抽象的な油絵。小さく、大きすぎるウールのセーターを着た6〜8歳の日本人少年、後ろ姿。少年はキャンバスの下部に配置され、その上と周りには広大な余白が残されている。背景は、濃い青、黒、深い紫色の厚くテクスチャのある筆致のキャンバスで、冷たく寂しい冬の夜を表現している。厚塗りの質感は深さと無形さを生み出し、無限の時間という広がりを象徴している。左からの控えめな光。ミニマリストな構図、非常に芸術的。
どちらのプロンプトも、あなたの解釈と画風のイメージを最大限に引き出すように調整しました。これで一度生成してみましょう。どちらかお好きなプロンプト、あるいは両方で試してみますか?
──プロンプトの提案をありがとうございます。両方のプロンプトで試してみました。


背景がより青くて少年の足まで描かれているほうがプロンプト1、もう一方がプロンプト2で生成してもらったものです。
プロンプト2のほうが私のイメージに近いものでした。ただ、こうして見てみると改善点が浮かんできますね。少年の位置を右下にして、向かって左側を背中にして俯いているようにしたほうが、「ぼくのうしろに」の句を表現できるような気がします。
ただ、顔ははっきりと描きこまず、ぼんやりと滲ませてほしいです。さっきもお伝えしたように顔は強力な「具体」ですから、抽象性を保つために曖昧にしてほしいところです。
Gemini:生成された画像、拝見しました!プロンプト2の画像がイメージに近いとのこと、良かったです。そして、実際に画像を見て、さらに具体的な改善点が見えてくるというのは、このプロセスの醍醐味ですね。
ご提案いただいた改善点の方向性で、プロンプト2をベースに、さらに改善したプロンプトを提案させていただきます。あなたの具体的なご要望を盛り込み、かつFireflyが理解しやすいように調整しました。
■プロンプト案(改善版)
抽象的な油絵。小さく、大きすぎるウールのセーターを着た6〜8歳の日本人少年が、キャンバスの右下隅に配置されている。彼の背中はフレームの左側を向いており、頭はわずかにうつむき加減で下を見ている。彼の顔は意図的にぼかされ、抽象的な質感を保っている。キャンバスの大部分は、濃い青、黒、深い紫色の厚塗りされた厚いテクスチャの背景で、冷たく寂しい冬の夜と、少年の後ろと上にある無限の時間の広がりを表現している。左からの控えめな光。ミニマリストな構図、非常に芸術的。
これで短歌の持つ情緒と、あなたの解釈がより明確に視覚化されることを期待します。このプロンプトで生成してみましょう!
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と、このようなやり取りを経て、最終的に自分で少しプロンプトを調整したり、画像の縦横比を設定できることに今さら気づいたりして、完成に至った。それが冒頭の画像です。最終的なプロンプトはこちら。
抽象的な油絵。小さく、大きすぎるウールのセーターを着た6〜8歳の日本人少年の上半身が、キャンバスの右下隅に配置されている。彼の背中は右側を向いており、頭はわずかにうつむき加減で下を見ている。彼の顔は厚塗りの筆致でぼかされ、抽象的な質感を保っている。キャンバスの大部分は、濃い青、黒、深い紫色の厚塗りされた厚いテクスチャのある筆致の背景で、冷たく寂しい冬の夜と、少年の後ろと上にある無限の時間の広がりを表現している。左からの控えめな光。ミニマリストな構図、非常に芸術的。

Geminiはおしゃべりだが、彼(彼女)にプロンプトを考えてもらってよかったと思う。「ミニマリストな構図」とか「非常に芸術的」とか、自分のなかからは絶対出てこないワードだ。AI同士、言語感覚がつながっているのか、Adobe Fireflyも狙いどおりの画を生成してくれた。
今度は自分のつくった短歌を画にしてもらおうかな。
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