6月だ!!!
Instagramでは都度語ってきたエンタメたち、遅ればせながらまとめます。いつも長くなってしまうので今回からひと月単位にしてみます。4月ってもはやかなり昔に感じるな。
書籍
彼女たちに守られてきた (著)松田青子
小説家・翻訳家の松田青子によるエッセイ集。
松田青子はエッセイから入ったクチなので、最近エッセイの刊行が続いていてうれしいな。過去様々な媒体への寄稿文まとめなので、コロナ前・コロナ禍・そして現在と時系列に幅があることがその時のムードを思い出せてよかった。
表題にもなっている「彼女たちに守られてきた」の章が特に好き。私もたくさんの女性作家の言葉に勇気づけられたり、気づきをもらったりしていたので「守られてきた」ってまさにそれですという気持ち。
作家とおしゃれ(著)平凡社編集部
昭和の文豪から現代作家まで。「おしゃれ」をテーマにしたエッセイを集めたアンソロジー。
どの作家もそれぞれがそれぞれの目線でお洒落や買い物について語っていてすごく楽しく読んだ。特に少し前(昭和初期~中期くらい?)の時代の作家が書いた文章が好きだった。まだお洒落が「気取り」とともにあった時代の気配…!
そして結構どの時代でも言っていることは同じというのも面白い。どの時代のどの作家も「最近は以前にくらべてものを大切にする感性が薄まっている云々」って言ってない?
パリパリ伝説(12) (著)かわかみじゅんこ
フランス在住の漫画家によるフランス生活エッセイコミック。
大好きなパリパリ伝説。もはや発売日に即買いする漫画ってこれだけになっているかもしれない…。今巻は赤子が成人(!)、パリでの物件探し、日本里帰り、パリ五輪などなどかなり要素が多くてにぎやかだし読みごたえがあった。
あとがきでも触れられていたけど、前巻がコロナ禍での日々メインで結構ダウナーだったので、今回のアッパー感がより際立って見えるのもありそう。
パリパリ伝説の緩急が好きなんだよな~。あと絵がとっても上手。次巻は南仏への引っ越し?メインになるのかな。今から楽しみ。2年後か~
彼女を見守る(著)ジャン=バティスト アンドレア(訳)澤田直
20世紀前半のイタリアの田舎町で、石工の少年と自由を夢見る令嬢が出会う。生涯の友情で結ばれた二人だったが、少年は長じて著名な芸術家に、少女は時代の波に翻弄されていく。イタリアの近代史を追いながら、そんな二人の運命を描いた長編小説。
500P近くある大ボリュームだけど、ダレさせない物語のテンポがあってぐんぐん読んでいけた。
作中ずっとほのめかされているピエタの謎が最後に明かされる下りはカタルシスもありとっても良かったな。友情の話であり、芸術家とミューズの運命譚であり、ミステリーでもある。鮮やかで切ない、いい映画を見たみたいな読後感。
AM/PM (著)アメリア・グレイ (訳)松田青子
現実のような、非現実のような。不思議な世界がAMからPMに切り替わる中でつづられる不思議な120の短編集。
発売後すぐに買って8年積んだ熟成積読本。8年積んでる本大杉。
独特のリズムがあるので、読み始めはそのリズムがつかめなくてムムムだったけど、だんだんと詩のような、SSのような言葉のリズムが面白く感じてくるのがよかった。文章に自分をチューニングされている…!
春になったら苺を摘みに (著)梨木香歩
学生時代を過ごしたイギリスの下宿の女主人と、その周辺の人々を軸にした日々のエッセイ。
春のエッセイが読みたいな~と思って選んだものの、別に春に特化した本ではなかった。笑。なんなら冬がメインかもしれん。
しかし久々に梨木香歩の透き通った文章に触れて、やっぱり素敵だな~好きだな~と再会の気持ち。異国で様々な人々と触れ合う中で、お互い理解できない部分もはねつけない。一度受け止めて、その人のバックボーンに思いを馳せる。そういう姿勢ってすごく知的だな、としみじみと思った。そうありたいけど、難しいんだよな~!
赤毛のアン (著)モンゴメリ
プリンス・エドワード島に住む中年の兄弟のもとに手違いで引き取られたアン・シャーリー。彼女の引き起こす騒動と、成長譚を描いた皆様ご存知の名作児童文学。
ひとつ前に紹介している梨木香歩のエッセイでモンゴメリへの言及があったのを見て読み返したくなって再読。
しかし何度読んでも魅力的なキャラクター達、輝く金言、普遍的だからこそ我がこととして楽しめる物語たちに心が躍るよう。
再読するたびに発見があるけど、今回はマシューやマニラの親心にグッときた。アンが現れたことで二人の人生に彩りが生まれていく様が本当に胸に来る。愛情が愛情を連れてくる善性の物語が大好き。
ツユクサナツコの一生 (著)益田ミリ
コロナ禍を過ごす32歳の漫画家志望のナツコは、バイト先や同居する父親との、ささやかな日々で起こる”いまのこと”を漫画に描いていく。好きとは。幸せとは。生活とは。を静かに見つめる長編漫画。
楽しく追いかけているWEBラジオ「ありっちゃありスパーク」で激賞されていて気になって読んだ作品。益田ミリ作品を読むのは久々だったけど、今回も贅肉がないのにやわらかくファニーな魅力はあるという驚異的バランス力にうなった。多弁じゃないのにひとつひとつの言葉が「これしかない」と思えるハマり方ですごい。
「人生で大切なことは、帰りたい場所に帰れること」というシーンが好きだなぁ。ほんとだね。と思った。
ナツコが日々のことを漫画にアウトプットしていくことで思ったことを整理していく描写も好きだったな。アウトプットすることが自分の中の咀嚼につながるという感覚、すごくわかる。
明日、私は誰かのカノジョ(13)~(17) (著)をのひなお
彼女代行として日々お金を稼いでいる主人公雪。恋人とささやかな安定を得たと思いきや、縁を切っていた母親の接近によりそのバランスが崩れていく。傷つけられた雪がたどり着いた結論とは?3年続いた連載の完結編。
菜々美編以降読んでいなかったので、まとめて買って完結まで爆走読破。よかった~
恋愛によって救済が訪れるわけではないというのもすごく好きな着地だった。心の傷や葛藤というのは、結局はどこまでも個人的なことで、自分の救済は自分にしか与えられないのだということを押しつけがましくなく提示しているところがすごくクレバーに乾いていて今っぽいなと思った。
その一方、近づいたり離れたり形を変えたりしながらも、その時々で心を寄せた人間が自分を変える小さなきっかけにもなっている部分もいい。露悪的過ぎなくて、すごくいいバランスだ。名作すぎ。
台湾漫遊鉄道のふたり (著)楊双子 (訳)三浦裕子
台湾滞在記を書くために一年を台湾で過ごす日本人作家と、彼女の現地の通訳として働く台湾人女性の恋愛小説。
台湾各地の食や文化の豊かさが生き生きと描かれていて、まさに漫遊小説といった感じ。主人公の天真爛漫な無神経さに度々「無理かも~」という気持ちになっていたら、その点がばっちりしっかり突きつけられるし、そこから物語がブーストしていく感じで面白く読んだ。
運命の恋は寄り添える関係の二人にだけ起こるのではないという無常さがあるけど、だからこそ特別で永遠性をもつのかな、と思ったりもしていい恋愛小説だな~と感じた。
映像
Netflixオリジナルドラマ [アドレセンス]
13歳の少年が、殺人の罪で逮捕された。なぜ殺したのか?背景には何があるのかを60分4話構成で掘り下げていくミステリードラマ。
話題になっていたので軽い気持ちで見たらとんでもない話だった。よくあるアンファンテリブルものかな~と思っていたらまさかのインセル問題につながるとは。
見た人はみんな言っているけど、3話すごすぎる。どんどん違和感が蓄積していって「あっこいつ…(察し)」となる最悪のアハ体験よ。しかしこのアハ体験、本当に届いてほしい層には絶対届かなそうだな~という絶望感もある。女性嫌悪はイギリスで社会問題化しているというけど、日本でもすでにそうだよな。女性嫌悪が男性嫌悪を引き起こし、暴力と分断が加速していく…。この世って地獄の果てなの?
視聴後、希望ものこらず「あーーーーこの世って最低すぎ」となるものの、あまりにも”現時点”を描いた物語なので、これを真摯にドラマとして作ったことがまず第一歩だよね、という意味を見出したい。精神のコンディションのいい日に見ましょう。
展示

≪石崎光瑶展≫ @日本橋高島屋S.C. 本館 8階ホール
久々に日本画を見に行った!
若冲に影響を受けた、鮮やかな色遣いや大胆な構図を思いっきり堪能できる大型襖絵がたくさんあって見ごたえがあった。
最近「屏風絵」の良さというものがわかるようになっている気がする。例えば自分が病床でどこにも出かけられなかったら、四季折々の見事な屏風絵を眺めるということがどれだけ慰めになるだろう。四季折々の花を飾って楽しむことの延長線上にあるよな、と思う。
《COMICO ART MUSEUM コレクション》@COMICO ART MUSEUM



大分旅行で行った湯布院そばの美術館。
草間弥生、村上隆、奈良美智etcと日本の現代アートのビッグネーム勢揃いでした。
あまりにもビッグネームしかないので奥行きがない気もしつつ、アートへの入り口としては絶対いいだろうな〜。空いてたのでじっくりゆっくり見れたのも良かった。
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以上!
読書熱冷めやらず、今回も色々読みました。振り返ると長編も短編も、小説もエッセイも、文芸も漫画もよんでるな。なかなかバランスがいいかも。展示も久々に日本画の良さに触れたりして、楽しい春のひと月でした。
近々に5月もまとめたい気持ち。できるかは不明。未来は誰にもわからない。
🌸おわり🌸
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