
2025.11.8「阿佐ヶ谷の原風景を歩こう」フィールドワークのレポート後編です。
このMAPは右側が北になっていますが、屋敷林を観察したあと、コースは馬橋公園の方向へ北上。そこから「緑地」と書いてある区立公園「Aさんの庭」へ。
2010(H22)年に区立公園として整備されたここは、もともとは建物保存の要望で区が買い取ったものでした。
しかし2009年に火災のため建物は全焼、庭を活かした公園にデザインが変更されました。



お庭としてのみどころはパラ。全体として園芸植物中心の公園です。
ここで注目すべきは小さな小さな池。

人工の池で水も井戸水と雨水と思われますが、表面を覆う水草に注目。よく見ると色の濃淡があり、すくってみると葉の形や大きさ、根の張り方も違っています。シダ植物のアカウキクサ(サンショウモ科)と種子植物のウキクサ(サトイモ科)の2種類だそうで、サトイモの仲間でも水草として浮くんですね !
「この程度の池でもうまくいけばヒキガエルが棲むこともある」と、田中講師は都会の中の生物多様性環境を指摘。きちんと管理すればビオトープの効果があるのでしょう。

このあたりは「お伊勢の森」といわれ、その名前のついた児童遊園もあります。神明宮の旧社地だったということです。森があったのではなく「杜」なのかもしれませんが、古い屋敷がいくつか残っています。しかしそれらも分譲されて建売住宅やアパートが建っているところも多い。




見るべきは塀の上にそびえる大木だけではなく、塀の下の隙間にも。長く分岐した葉の草はイノモトソウ、東京では珍しくないものですが、「新潟では絶滅危惧種」になっている、植物の分布の変化(温暖化の影響とか)によって、同じ国内でも「絶滅危惧種」指定になったり「絶滅」してしまったり。

このタチシノブは杉並では少なくなっているもの。
一見ジャリとコンクリートで敷かれているだけのようなアパートの敷地でも注目するものがあります。


これはもとは南方系の植物でカニクサ(カニを釣るのに使った)。
「さて、これはどこからどこまでが葉っぱでしょうか?」
茎から複数の葉が出ているように見えますが、正解は全部で一枚の葉っぱ。葉身(緑色の平な部分)のあいだが開いていますが、ここも茎ではなく、葉。茎との違いは分岐から枝分かれして新芽が出るかどうか。
田中講師の手慣れた様子から、これは持ちネタっぽいですね。

最後は南に下って、旧河北病院のところ(ここも水路)から弁天社へ。地図で「池跡」と書いてありますが、もとは「弁天池」と呼ばれる湧水がありました。これも桃園川水系。

河北新病院のエントランス付近が盛り土で傾斜がついていて、7月の大雨の時に右側の建物1Fの店舗(薬局)に浸水したこと。ここも「緑地2号」とされているが、小さな木がほとんどであること。
最後は大規模開発が地域に与える影響を改めてみることになりました。

阿佐ヶ谷地域区民センターに戻って、阿佐ヶ谷の旧地図と比較しながらコースをおさらい。
参加者のみなさんからは今日の感想だけでなく、日ごろから自然や植物について考えていること、心配していることなどの発言をいただきました。
またフィールドワークをやってほしい、という声もたくさんいただきました。
桃園川について関心をお持ちの方もいましたし、善福寺川に向かう成田地域でやってもおもしろい、という意見もありました。
参加者のみなさん、長時間おつかれさまでした。ありがとうございます。