


阿佐ケ谷駅北東地区「エリアマネジメント」が新たなステップに進みます。これまでの「エリアマネジメント推進懇談会」が「エリアプラットフォーム(阿佐ヶ谷駅北東地区の公民連携によるまちづくりを実現する組織)」となりました。
(団体名は「阿佐谷北東エリアまちづくり協議会」といいますが、杉並区まちづくり条例に定める審査をへた「まちづくり協議会」ではなく名乗っているだけです。また「まちづくり団体」でもありません)。
2024年10月30日に公表された「杉並区阿佐ケ谷駅北東地区公民連携まちづくりの取組方針策定等に関する支援業務公募型プロポーザル実施要領」に応募した、これまでエリアマネジメントの支援委託業務を担ってきた「(株)計画工房」がまたしても選定されました。区の報告書はこちら ↓ 。各委員の点数も出ています。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/documents/17156/senteikekka.pdf
<支援事業者選定 経営状況0点>
注目されるのは
(1)「経営状況」の点数が0点(配点40点)であること。委員全員が0点をつけました。業務は履行できるのでしょうか。
(2)じゃあよほど企画提案がいいのかというと、一次審査では55%(配点160点に対し88点)、5人の選定委員のうち4人が50%(各配点32点に対し16点)。二次審査は65%ですが、2人は50%(各36点に対し18点)とあまり評価されていない。
ちなみに、点数の総合計が60%以上でないと失格となります。必ずしもすべての項目で60%以上でなくてもよいとはいえ、肝心の企画提案の点数が低いのではプロポーザル方式(企画競争入札)による募集の意味はあるのでしょうか。
「計画工房」が唯一高評価だったのは…やる気! 項目でいうと「業務に対する取組姿勢」です。
特に二次審査ではなんと、180/600がこの項目の配点。企画提案内容と同じ高配点となっています(一次審査は40/500)。
他のプロポもこんな融通の効く配点でやっているのでしょうか? 例えば、杉一小の設計(日総建)は一次審査に「基本方針の理解と意欲」が40/148の配点がありますが、「意欲」だけの評価ではない。一方、高円寺ふらっと(東急コミュニティー)や、図書館指定管理者などにも「意欲」項目はなし。
(3)総合計は一次審査60.2%、一次・二次合計63.1%です。一次審査通過はきわどいものでした。
(4)この点数でもこの会社が選ばれたのは1者入札だからです。競争性がありません。ちなみに当初応募したもう1者のA社(GENプランニング)は審査前に辞退しています。その理由は、他の業務との兼ね合いでスケジュール的に厳しいということだったようです。

ほとんどシャッターが下りている
(2024年撮影)
<選定委員の意見>
議事録を読むと、専門家の懸念のようなもの(新たな提案に乏しい。地区外の人を巻き込めるか、など)がうかがわれます。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/documents/17156/kaigikiroku.pdf
たとえば
(一次審査から抜粋)
・これまでの当該地区での取組に基づいた、継続業務としての企画案に感じた。
・当該地区をこういう地域にしたいという思いが強いように感じる。あくまでコーディネーターとしての立場であることを確認する必要。
・当該地区内の一連の事業について、まだ懸念を持っている方々がいると聞いている。
・継続性を担保しつつ、今までと違った新たな視点があると良い。企画提案内容に書かれている課題はある意味どの地区でも当てはまる。
・エリアプラットフォームに求められる役割を認識できるか。事業者としての思いがあることによって、状況を見誤らないか心配である。
・新しい人材の発掘が必要な状況に柔軟に対応できるか。
(二次審査から抜粋)
・選定結果通知には選定委員会としてのコメントも添えた方が良い。
・現状、当該地区に携わっていない方々をどう吸い上げていくかは、もう少し具体的に示してほしかった。
・新しい視点の取り入れに関する質問に対して回答はしているものの、特段新たなアイデアを事業者は持っていないように感じた。
・新しい視点を取り入れて本業務委託を履行するよう、選定委員会からはしっかりとコメントを残したほうが良い。
<コメントつきの選定通知>
こうした委員会での意見をふまえ、報告には下記の文章が付されています。
(引用↓)
5 選定委員会意見
本業務の目的の一つである「地区内外の住民相互の信頼関係の構築を図る」という点については、更なる検討が必要であると考える。このため、本業務の遂行に当たっては、受託者候補者は区とも連携して、区民の本エリアにおける取組への理解を促進しながら、区民参加の範囲拡大や新たな視点の取入れに努めていただく必要がある旨、意見として申し添える。
<「未来ビジョン」>
この委託事業の内容ですが阿佐ケ谷駅北東地区エリアの「将来像並びに将来像を実現するための方策及び実施体制を取組方針(未来ビジョン)として策定」するための支援業務委託とあります。
「計画工房」の企画提案は
(1)未来ビジョン策定に向けたシナリオ
(2)事業組織を構築するためのシナリオ
(3)創出される緑地・公共空間(民有地を含む)の維持・管理や活用する手法について
の三項目です。
未来ビジョンとは、阿佐ヶ谷地域の街並誘導型地区計画や、土地区画整理事業、道路拡幅整備事業などに対して、「住民意見」を「阿佐谷北東エリアまちづくり協議会」を通して反映させていくもの、という位置づけのようです。
しかし、これまでエリアマネジメント推進懇談会は、河北病院、欅興産等、閉じられたメンバーで行われ一般から参加を申し込むことは事実上できませんでした。今後は申し込むことができるようですが、入会審査があるようです。
駅前と学校などを含む公的なエリアのビジョンなのに、一般の住民には決定権がなく、内輪で「エリアの将来像(未来ビジョン)」が決められてしまうのでしょうか。
企画提案では、「あさがやまちづくりセッション」の「意見聴取」を行うとされています。
https://www.city.suginami.tokyo.jp/documents/1653/haihu_matome.pdf
(p.9)
が、あくまで意見聴取にすぎず決定権はありません。
次回「セッション」は5月18日に開催、申し込みは4月27日までです。早くもこの「計画工房」の「未来ビジョン骨子案」についての「話し合い、ワークショップ」です。
「セッション」申込はこちらから↓
https://www.city.suginami.tokyo.jp/s094/news/19595.html
(過去の「あさがやまちづくりセッション」の様子はこちら ↓ にレポート。)
https://asakitas1.hatenadiary.jp/entry/2024/06/26/005214
杉並区は岸本区長が「対話の区政」を標榜していますが、このような「まちづくり」をしている杉並区には対話はありません。