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都市計画塾vol.8 前編:これまでのおさらいと立石の事例

2024.12.15都市計画塾 vol.7の動画と受講ノート前編をお届けします。前半はこれまでのおさらいと立石の事例、後半は再開発における公共と民間の関係・PPPについて。


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今回からシーズン2ということで、まずは前期6回のおさらい。受講者イケガミが「おさらいノート」として各回の概要と都市計画に関する関連ワード(講義で出てきたものに限らない)をまとめたプリントを配布、島田さんが補足解説をしました。

 

vol.1 都市計画道路
・道路の役割(東京都の道路事業検証項目)とは:
道路網、ネットワーク、物流、交通処理
緊急輸送、避難、延焼遮断、災害、医療
環境保全
都市空間、公共交通
魅力の演出、発信
・道路の構成:
幹線道路→補助幹線道路(国、都道府県)→主要生活道路→主要区画道路→区画道路→狭隘道路(市区町村)
優先整備路線とは:
東京都が定めているもの:道路拡幅を前提、莫大なお金をつぎ込み、この機会にやる。石原~猪瀬時代から。
杉並区が定めているもの:現状の幅員を活かし、あまり土地に触らない。
都市計画道路とは:
建設大臣が指定できる旧法から、68年法で住民縦覧の手続きが必要になった。しかし、昔に計画された道路が、住民参画を必要としない旧法のままで進められていることが各地で問題になっている。
keyword:優先整備路線

 

vol.2 エリアマネジメントとは

大丸有(大手町、丸の内、有楽町)の事例:
三菱地所が「行政に代わってまちづくり」を行う、完全に民間が主体。行政は「支援」「負担金」を交付。負担金はサイクルポート、オープンスペース、巡回バス、イベント、警備などの「公共性」のある支出に対して支払われる。「にぎわいに寄与するイベント」が評価され、来客数によってB/C検証。
企業のメリット
公開空地を設けることで、建物の容積率ボーナスを獲得。
公開空地:都市計画法、建築基準法では「緑地」になるが、アトリウムやデッキ、道路が公開空地とみなされる。
歩道を企業が自由に使用できる(オープンカフェ、キッチンカー、ストリートファニチャーなど)。
・90年代にTMOタウンマネジメント・オルガニぜーションとして、地区計画でやろうとしていたことまで、民間主導で踏み込んでいる。
keyword:にぎわい、提案制度、まちづくり協議会、まちづくり団体

 

vol.3 都市計画審議会とは
・公共とは→福祉の向上から私有財産処分の制限へ
・都市計画のプロセス(東京都)
原案→公聴会(住民)→案→(住民に対して)公告縦覧→意見書(住民)→都市計画審議会→国への協議・同意→都市計画決定
・審議会メンバー、委員長は首長が決め、行政がシナリオ、資料を作り、事前に打ち合わせ。
・議会が関与しない。
・首長が審議会に諮問。反対した例はほとんどない。紛糾すると会長は次に外される。行政の飼い犬化。
・日本型は国→都道府県→市区町村のトップダウン型、対流が必要。
keyword:都市計画マスタープラン、都市計画区域、用途地域
都市計画法、都市再開発法、土地基本法、都市公園法
新しい公共

 

vol.4 公共用地デベロッパー
・再開発の資金集め:公共が入ることで資金が集めやすくなる。
・SPC(特別目的会社)を設立する。自己資本、借金のほか、メザニン(中二階)と呼ばれる補助金、投資銀行の融資、自己資本の株を買う。このメザニンを集めるのに公共事業が入ることで保障を得る。
・「外部コスト」の行政持ち理論
規制緩和:当初はバブルで塩漬けになった土地を救済する目的→再開発の防災・老朽化対策(木造密集地など貧しい地域の救済、住民主体)の目的が崩れる→2016年以降、どんなところでも再開発できるように(鉄筋コンクリートの築年数の少ないビルが立地していても再開発)
・2016年以降公共用地が収益事業のタネ地に。公共用地を民間に使ってもらってお金を回す発想。
・「都市経営」地方では「消滅可能性自治体」と脅しをかけられ、財政健全化を求められる。価値の高い公共用地を民間に売る。
・最近はもっと公共と民間が一緒になってやっていく。
keyword:地区計画、空中権、容積率
「身の丈にあった土地区画整理事業」「柔らかい土地区画整理事業(飛び換地が可能に)」

 

vol.5 ワークショップとは
・元々は精神医療のグループワークメソッド。参加者の「課題の設定→気づき→目標の設定→評価」のプロセスを誘発する。ゴールに至るまでは参加者本人の気づき。課題や課題への取り組みを主催者から与えるものではない。そうなっているか、主催者が記録を取り、評価する。
まちづくりへの導入、アメリカ:公共施設のデザインから。
・世田谷区では市民と一緒になって公園を設計。民有地でやってはいけない。ゲームで民有地の話をするのはとんでもない。
・2000年代以降、目的の見境なくあまりにワークショップが行われすぎている。評価のメソッドがまったく使われないまま氾濫している。
keyword:まちづくり(住民主体)/街作り(行政が主体)→区別がなくなり、行政がひらがなを使うように

 

vol.6 公共用地デベロッパー事例編
南池袋:人権問題としての住民訴訟
:三井不動産が権利床をダンピング
中野サンプラザ:工事費高騰で事業が成り立たなくなる
外苑:地権者ではない事業者(三井不動産)の参画、都市計画公園内での再開発
鎌倉市深沢:土壌汚染のある土地=ブラウンフィールドの使用緩和
…どこでも同じようなことが起こっている。
keyword:風致地区、国家戦略特区

 

引き続きイケガミから、事例編で取り上げる時間がなかった葛飾区立石についての報告(本記事はイケガミが当日の発表よりも詳細にリライトしています)。


・立石駅前は南北に高層ビル4棟の再開発計画と、京成線の高架事業がある。北口2.2haは着工しており、2023年9月から解体工事(アスベストにより遅延)。西側に120m35Fのタワマン、東側に62m13Fのビル、この3-13Fに葛飾区役所が入ります(1,2Fは商業施設)。南口は事業認可前。
再開発そのものはなかなか裁判で争うことが難しいのですが(それもおかしな話ですが)、現在葛飾区民のみなさんが葛飾区役所の移転→再開発ビルに入ることを争点とした住民訴訟を起こしています。なんと、原告住民は237人!

被告:葛飾区長青木克徳
訴訟の目的:「(葛飾区が)不当に高額に設定された権利床が記載された組合の権利変換計画に同意し、これを漫然と撤回しないまま、権利変換計画の認可を東京都知事に受けさせ、権利変換処分がなされたことの違法性を争う(訴状より)」
損害額:7億1610万2775円
経緯:2024年2月監査請求、3月に却下、不当な決定から一ヶ月以内に訴訟。4.11訴訟。

北口再開発地区には葛飾区の文化センターが含まれており(元々は再開発地区に入ってなかったのに、区が再開発組合に参入するために後から入った。「立石にタワマン」ではデベロッパーが乗ってこないので、公共を入れて再開発を成立させるため。もうめちゃくちゃだ)、その土地を再開発ビルの東棟3Fに権利変換して、区役所を移転する(この評価が4-13Fの保留床の価格の基準)。

では、その「不当」なお値段とは?
東棟3Fの区の権利床の計算は98万円/㎡。原告が根拠にしているのは、東棟2Fの民間権利床(商用)が45万円/㎡であること。同じ算定なら葛飾区も倍の2フロアもらえるはず。
この差額に面積を掛けた損害額が7億1610万2275円の訴訟額であり、計画に同意し、管理を怠ったことが葛飾区の財産を目減りさせたため「葛飾区長は公庫に返すべき」と申し立てている。
訴訟額は2Fと同じ値段で試算していますが、商業施設のテナントなら、低層階の方が高い。東棟1、2Fは商業施設。そもそも「お金にならない」公共施設よりも、高いはずです。

もちろん、区民の財産を不当に投げ出すような区役所移転は問題です。一般に、住民訴訟はそうした税金支出について争われます。
しかし本質的な問題はそれでしょうか?葛飾の、立石の住民として大切なものは、立石の街そのものです。100m超の高層ビル3本(南口の事業計画含め)が乱立し、街を壊すことはどうすれば止められるのでしょう?
弁護団は「ほんとならこの再開発全部を争いたい」が、裁判の争点としては、床を高い値段で税金で買っていいのか、というところである、と表明がありました。
原告からも「本質は立石愛」という発言が。第1回公判で「飲んべえの聖地」と原告意見書の冒頭に書かれた立石とは、どういう街なのか。

 

・古代東海道と利根川(現在の中川)の交点で、交通の要所として早くから発展。道しるべが「立石様」と呼ばれる。明治時代には水利を活かした工場立地となり、大正時代荒川放水路で労働者増える。戦後も軽工業(セルロイドなど、現在もタカラトミー本社あり)が集まる。

・現在は京成押上線(押上~青砥)、水戸街道、奥戸街道がアクセス。

・労働者が多いため、戦後に赤線、青線ができる。廃娼令以降は北口の呑んべ横丁、スナック街に転換。南口には闇市から発展したアーケード商店街:仲見世通り

・北口、南口ともに路地が多く、商店街のあいだを狭い道がつないでいる。野良猫たちは再開発フェンスに閉じ込められる前に有志が救出。

・1962年に区役所が現在の位置に移転。立石駅北口から商店街を通って10分ほど。商店街は非常に栄えている。最近新刊書店(セレクト書店)ができるなど、新規参入も多い。

・北口の立ち退きでそのまま廃業した店が多い。移転する店もなかなか行き先が決まらず、ブランクができたケースも。まとまった移転場所はなく、お店は街のあちこち(隣の青砥に移転したり)バラバラに。
・立石の名物はモツ焼き、モツ煮込みとハイボール。杉並区ではハイボールといえばウイスキーであるが、東東京では焼酎ハイボールが常識。

 

詳細はこちら。

レポート編:

https://nishiogidrunker.hateblo.jp/entry/2024/10/09/000434

訴訟編:

nishiogidrunker.hateblo.jp

nishiogidrunker.hateblo.jp

 

 

・以下の資料による。
葛飾区郷土と天文の博物館・葛飾探検団「定点観測2018立石」:区民によるフィールドワーク。仲見世商店街の3D解析や年代ごとの店の並び、区役所の歴史など、島田さんも「こんなのを区民が作るとは!」と驚き。博物館で買えます。
谷口榮「千ベロの聖地「立石」物語」(2021新泉社):上記博物館の学芸員だった人の立石研究。杉並区の図書館も所有。
かつしかけいた「東東京区区(まちまち)」(2023TwoVirgins):葛飾区などのリアルな風景を描く街歩きコミック。主人公の一人が立石のエチオピア人小学生。
みんなの立石物語プロジェクト「みんなの立石物語」vol.1、vol.2:再開発を前に「立石を残したい」という気持ちから、「では残したい立石とは?」と考えて作られた自費出版。お店の人のロングインタビューなど。

savetateishi.wixsite.com




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