■ 金目鯛のお刺身
近海魚の盛合せで一献
創業が天保十三年(西暦1842年)という江戸時代後期の老舗蔵元さんのお酒を購入してきました。初めてではありませんが、とてもしばらくぶりの気がします。常温でいただくのがセオリーでありますが、お刺身の相棒ということでほんの少しだけ冷したものにして、その親和性の向上に努めるものです。
その蔵元さんのある県中部の藤枝市は江戸時代の宿場町で豊かな農産物に恵まれた町ですが、殊に牧之原台地や川根といった静岡茶の名産地を周辺に抱えることもあって茶菓子なども発達しておりまして、現在も和菓子屋さんはもとより洋菓子店も名店が多く存在するなかなかグルメな街であります。海産物も近隣の焼津港や大井川港で水揚げされたものが運ばれ、こうした銘酒と共に旅人の舌と胃袋を満足させていたのだと思います。

この日の主役は金目鯛ですね、やはり近海漁業基地である御前崎漁港で水揚げされたものがタタッと運ばれてきては、やはり近海の生鮪や鯵と共に盛り合わされたものが鮮魚コーナーで華々しく陣取っているわけです。
金目鯛は近海魚とは言え漁港から距離のある漁場で、しかも水深200m以上の深場でないと漁獲出来ないため高価であることが通例です。居酒屋さんや料理屋さんでも、お刺身の盛り合わせに添えられてはいても一人前 2~3 切しかないことが多く、あぁもっと喰いてえなあ…と思ってしまうのが下品なエロおやぢの常でもあります。

それだけにこの美味しさは格別でしてね、深場に生息しているので季節に左右されることの少ない旨味や、品のよい脂を豊富に含んだ身肉など、とにかくお刺身に求められる条件がひとつ上のステージであることに間違いはありません。あぁ…本当に美味いなあ、もっと喰いてえなあ…ってシツコいですねえ、わかりましたわかりました、はいはい。
鮪や鯵だって鮮度は抜群で美味しいのですが、やはりこのキンメ様の登場には一歩も二歩も下がった位置に居る他はなさそうです。そしてグビリとクチに含むお酒が例えようのない幸福感を運んでくれるわけですね。気持ち甘めには感ずるけれども決して野放図なものではなく、金目鯛の旨味にそっと寄り添うクチ当たりのよさ…と言ったほうが良いかな。老舗の伝統と技術をしっかり感ずるお酒です、近海魚の盛合せで一献…いいじゃないか。
■ 皐月の庭風景 お終いと始まり
ずいぶん長い間楽しませてくれたベニサラサドウダン
ほぼひと月に亘って咲いてくれました
例年のことではありますが
こうして散りゆく姿には詫び寂びを感ずるものですね

散歩で見つけてはふとテメーの家にもあることを思い出した花
よく見るとなかなか綺麗な形をした花のハクチョウゲであります
普段は一見ジミに見えますが
実は各所にお洒落が散りばめられている小さな樹木です
