■ 鯖の味噌煮
逝く冬へ惜別の情
バルト海や北海で漁獲されたものが冷凍輸入されるので今や一年中楽しめる鯖ですが、ニッポン沿岸や近海の事情ではやはり秋から冬にかけてが鯖の旬と言われ、殊に二月の厳寒期に漁獲されるものは " 寒鯖 " と称して珍重されております。
若干ピークは過ぎましたけれど、それでも寒の時期を過ごしてきた鯖たちは脂のりもよく、そのファッティーで滑らかな身肉に大いなるヨロコビを享受することになるのですな。先日見つけた鯖もそんなカンジでしてね、世間の流行りは塩焼のようですが、偏屈者のエロおやぢと致しましては『鯖の味噌煮』という大定番で勝負するわけです。へへっ、甘辛く濃いお味の味噌で調味した鯖ですよ、ちょいと古根生姜なんぞを利かせてやれば日本酒の相棒には堪えられないものになるのよね…ってのが真っ当な既定路線なわけです。

もちろん切り身はそのまま味噌味の出汁で炊いてもいいわけですが、このところこのテのレシピに関しましては " 軽く一旦焼いてから煮始める " ということを実践女子大…違う!実践しております。表面が締まって煮崩れしにくくなりますし、イヤなニオイやアクも落ちてクリアでありながらもコク深いお味に落ち着く…というメリットがあります。そうですねえ、デメリットとしてはメンドっちいことでしょうか、まあソレくらいのことはサラッとやれよ...てなところですな。

ナゼかこの『鯖の味噌煮』には昔から焼きネギってものがお約束の付け合せになっておりまして、考えてもみれば冬の葱は甘みや香りも増しているし、焼くことによって味噌と協調しやすい香ばしさも加算されて、非常に理に適ったものであるわけです、そうした先人の知恵には感謝すべきですな。
甘辛味噌味の鯖、その身肉をつつきながらボリっと食す焼葱の旨味と香り…あぁもうヤられちゃいましたね、トロトロの鯖の脂が間もなく春を迎えるこの時期には、逝く冬へ惜別の情を運んできてくれるような気持ちになります。
相棒は南部杜氏が醸す宮城県の日本酒、まあ鯖は " 金華鯖 " ではないけれどそれに近い仕上がりになってますからオッケーでしょ。魚も酒も美味いなあ…もっと冬が長くてもよかった気はしますけど。
■ 弥生の庭風景 水仙
定位置ではない場所に芽を出し花を咲かせた水仙
たぶん野鳥さんの仕業なのでしょうけれど
楓の樹下でちょいと寂しいスペースだったので幸運でした
来年は増えるかな…期待して待ってます

時間帯によって表情を変えるその水仙
日の出から二時間ほど経った頃がこんな感じでしてね
角度と柔らかさと量
一番スキな光の射し具合かな
