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クロード・モネ《睡蓮》〜水面の執念、色彩の彼岸、池という墓標

クロード・モネ《睡蓮》

  • 原題: Les Nymphéas
  • 作者:クロード・モネ
  • 制作:1916年
  • 寸法:200.5 x 201 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵:国立西洋美術館

《睡蓮》はクロード・モネが、1895年(45歳頃)から1923年(83歳頃)まで約40年間にわたって200枚以上も描き続けた執念の連作。晩年の20年間は、睡蓮ばかりを描くほど、たった一人の熱狂ぶり。白内障で失明寸前の状態になりながらも描き続けた。

モネはジヴェルニーの巨大な池を花瓶にし、睡蓮が踊るダンスホールをつくった。

クロード・モネ《睡蓮》

オランジュリー美術館

パリのオランジュリー美術館には「睡蓮の部屋」があり、8枚がパノラマに展示されている。全部つなげると91メートルに及ぶ大装飾画。ニューヨーク近代美術館、クリーブランド美術館にも、横幅10mを超える巨大な壁画がある。

《睡蓮》には、太鼓橋が描かれたもの、池の水面だけ描いたパターンがある。1920年代の最晩年になると、もはや何を描いているのか分からないほど、激しい色彩に変化していく。

《睡蓮》は日本人に人気があり、企画展が行われると、地獄より地獄絵図の混雑ができる。2024年10月5日〜2025年2月11日まで、国立西洋美術館で行われた『モネ 睡蓮のとき』はコロナ以降、最多の85万人を超える来館者数を記録した。

福島・諸橋近代美術館にある睡蓮の池

福島・諸橋近代美術館にある睡蓮の池

日本人が好むのも無理はなく、50歳を過ぎたモネは自宅のジヴェルニーの庭園に池を造り、日本から取り寄せた睡蓮を浮かべ、日本の太鼓橋をかけ、柳の木や藤棚など日本風の庭を造り上げた。「ジヴェルニーの日本庭園」と言ってもいい。老後の盆栽にしてはスケールがデカい。岡山の大原美術館や、福島の諸橋近代美術館には、モネの「睡蓮の池」を再現した池を造っている。

最晩年の傑作

クロード・モネ《睡蓮》 1916年

クロード・モネ《睡蓮》 1916年、国立西洋美術館

《睡蓮》で最も素晴らしいのは、ポーラ美術館などにある太鼓橋が描かれたバージョン。しかし、それも1900年代前後の60歳頃までの作品。モネが70歳を超え、老いと向き合うようになってから、画面には橋も庭も消え、水面が残された。視線は水平から垂直へ。外の風景ではなく、水面に映る内なる世界へと向かった。日本にある中で最晩年の最高傑作が、国立西洋美術館にある《睡蓮》。76歳前後の作品。

空気と池を花瓶したモネ。絵筆は花と対話する通信機、絵の具はモールス信号。睡蓮の花は献花。モネは長寿に恵まれ、多くの作品を描いた。それは同時に、多くの友人や愛する者たちを見送る旅。モネにとって睡蓮の池は、そこに亡き愛する人たちがいる三途の川であり、モネ自らの墓場でもある。睡蓮とは、魂の終着点なのである。

もうひとつの絵画レビュー

画面いっぱいの“水”。でも海でも川でもない。ここはジヴェルニーの池、つまりモネの時間がたまる場所だ。

睡蓮は主役に見えて、ほんとの主役は光。花は光の居場所を教える標識で、筆致は波紋、絵具は水音。青と緑が呼吸し、ピンクが心拍になる。

上下の区別は溶ける。水面が空を飲み、空が水に沈む。天地が入れ替わる、その一瞬を何百もの“いま”として塗り重ねたのがこの絵だ。近づけば抽象の渦、離れれば静かな庭。視線の距離で季節まで変わって見える。

モネは画家であり、庭師であり、天気の詩人だった。雲の機嫌や風の歩幅までカンヴァしに移し替え、音のない交響曲を作る。鑑賞のコツはひとつ。目で聴くこと。すると水はさざめき、光はゆっくりと席を移動しはじめる。

モネが描いたのは池ではない。水に“時間”を植え、その花が睡蓮になった。

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日本の美術館にあるモネ《睡蓮》

アーティゾン美術館

クロード・モネ《睡蓮の池》 1907年

クロード・モネ《睡蓮の池》 1907年

睡蓮ではなく池の絵。もっと言うなら水面の絵。もっともっと言うなら水面に反射する太陽の絵。水面だけを描いた《睡蓮》の中でいちばんの傑作。

ポーラ美術館

クロード・モネ《睡蓮の池》1899年

クロード・モネ《睡蓮の池》1899年

日本にある《睡蓮》の最高傑作。架け橋、虹のかけ橋。

橋があるから画面に隔たりができ、空気が生まれる。

そこに人は映っていない。だが、人の存在感がある。本物の風景画は人物画である。

クロード・モネ《睡蓮》1907年

クロード・モネ《睡蓮》1907年

水面だけの《睡蓮》もある。三途の川感が弱い。ちょっと普通の池。

大原美術館

クロード・モネ《睡蓮》1906年

クロード・モネ《睡蓮》1906年

生前にジヴェルニーを訪れ、モネ本人から買ったもの。水面からたちのぼる靄。空気は淡いのに色は強い。少し離れて見ると、浮かんでいるのではなく屹立しているように見える。

DIC川村記念美術館→個人蔵

クロード・モネ《睡蓮》1907年

千葉県佐倉市のDIC川村記念美術館も《睡蓮》を所蔵していたが、閉館によってニューヨークのクリスティーズに出品。2025年11月17日のオークションで、4548万5000ドル(約70億5000万円)で落札された。

来日した《睡蓮》

クロード・モネ《睡蓮》 1908年

《睡蓮》 1908年,ウスター美術館

アメリカのマサチューセッツ州にあるウスター美術館(Worcester Art Museum)の睡蓮。世界で初めてモネの《睡蓮》を購入した美術館といわれる。ウスター美術館展で来日した。

マルモッタン・モネ美術館

国立西洋美術館,企画展:睡蓮のとき

国立西洋美術館,企画展:睡蓮のとき

国立西洋美術館,企画展:睡蓮のとき

国立西洋美術館,企画展:睡蓮のとき

国立西洋美術館,企画展:睡蓮のとき

2018年、ニューヨークでのクリスティーズ主催のオークションで《睡蓮》が、8470万ドル(約100億円)で購入された。

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モネのいちまいの絵

モネに逢える日本の美術館

《睡蓮》など

《ルエルの眺め》《積みわら》

《積みわら》や《睡蓮》など多数

《海辺の船》《プールヴィルの断崖》

《睡蓮の池》

《睡蓮》や《アイリス》

《睡蓮》や《積みわら》

《セーヌ河の朝》

《睡蓮》(閉館)

日本の美術館ランキング

東京のおすすめ美術館




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