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クロード・モネ《印象、日の出》〜光のはじまり、未来の影、ビフォア・サンライズ

クロード・モネ《印象、日の出》

  • 英題: Impression, soleil levant
  • 作者:クロード・モネ
  • 制作:1872年
  • 寸法:48 cm × 63 cm
  • 技法:油彩、カンヴァス
  • 所蔵: マルモッタン・モネ美術館(パリ)

《印象、日の出》は、1872年、故郷ル・アーヴルのホテルの一室から、港の朝焼けを描いた一枚。2年後の1874年「第1回印象派展」で展示され、「この海に比べたら、描きかけの壁紙のほうがマシだ」という名セリフが生まれた。当初は「日の出」ではなく「日没」と勘違いされていた。モネが描いた日の入りの絵は箱根のポーラ美術館にある。

クロード・モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年

クロード・モネ《セーヌ河の日没、冬》1880年

《印象、日の出》は、1985年に盗難に遭い、1990年に無事発見。日本にも何度か来日し、直近では、2015年に東京都美術館の「マルモッタン・モネ美術館所蔵 モネ展」で来日した。

ゴッホの《花咲くアーモンドの木の枝》に次いで、世界でいちばん好きな絵。そして大切な絵。

アートの見方を教わっている師匠は「絵画とは時間の落とし物である」と言う。その言葉が当てはまるのがモネの《印象、日の出》

主なカラーは赤と白。日の丸のカラー。描かれているのは太陽と水。それは、作物と人間を、地球を育てる栄養。《印象、日の出》は、そんな栄養素のような絵。

海に浮かぶオレンジロードは、前途を照らしてくれる。工場の黒いもやは、未来の影。決して明るいわけでも、強いわけでも、やさしいわけでもない。何か言葉をかけてくれるわけでも、何かしてくれるわけではない。ただ、そこにいるだけ。ただ、そこにいるだけで前に進める。そんな、親友のような絵。

希望が溢れているわけではない。ただ、「希望の気配」が、確かに存在する。

モネは風景を描いたのではない。時間を描いた。この絵を観ると、心に永遠が宿る。《印象、日の出》は、風景画ではなく、時間画である。

絵画レビュー:夜明けの呼吸をそっと瓶に

クロード・モネ《印象、日の出》

朝焼けが海に落とした一滴のオレンジが、時代のスイッチを入れる。

港はまだ寝ぼけ、街は半透明。クレーンは影法師、船は句読点。目玉焼きみたいな太陽がぽんと浮く。空気は青と灰が混ざって、水の中に世界が沈んでいる。

筆致は息づかいみたいに短く速い。細部は置いてきぼり。モネは、日の出を描いたんじゃない。「世界が今日、はじめて息をする瞬間」を描いた。

だから建物はぼんやりしている。船も影だけだ。人の顔も消えている。でも、空気は生きている。

朝は偉大だ。新しい日は、毎回、世界の生まれ変わりだ。モネはこの一枚で、静かに、強烈にこう言った。

「今日の空気をちゃんと感じなよ。世界は毎朝、新作だよ」

それは、恋より強い。夢より近い。そして人生より短い。

この絵は、“朝が生まれる瞬間”のラブレター。モネは、太陽よりも先に輝き始めていた。

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東京都美術館「モネ展」の憶い出

2015年9月、上野の東京都美術館にいた。17時から始まるスポーツニッポン校閲部のアルバイトに向かう前。本来なら前月に退職し、エヴェレスト遠征中の登山家の隣にいるはずだった。

しかし、ネパール大地震の支援活動に同行した際の態度が不信感を買い、「遠征には連れていけない」と、直前になって恵比寿駅のカレー屋で通告された。

登山家のアタックを現地で見届け、それを本にする。上京する前から抱いていた夢であり目標だった。ようやくサイコロの「6」が出たと思った瞬間、ふり出しに戻された。地獄に堕ちた。

すでにスポニチには退職の意志を伝えていたが、事情を話して取り消してもらい、平然を装うのに精いっぱいの日々を過ごしていた。

そんな折、「30年ぶりに来日する名画がある」と耳にした。美術には興味がなかったが、話題に引き寄せられ、東京都美術館へと足を運んだ。

平日の昼間にもかかわらず、「これぞ東京」の人口密度。この企画展は3ヶ月で来館者50万人を超えた。図録は早々に売り切れ。心は抜け殻のまま、展示室を歩く。どの絵にも心を動かされず、何も感じない。今ごろ登山家は、ベースキャンプで高所順応中。恨みはなく、自分への怒りと後悔だけが支配していた。

メインビジュアルは4階にあった。絵の前には大勢の人が列をなし、キュレーターが総出で整理にあたる。「お一人様1分以内の鑑賞でお願いします」とプラカードも掲げている。そんな喧騒を横目に、巡礼者のように、つづら折りの列が少しずつ進んでいく。

ようやく絵の前にたどり着き、顔を上げると、薄暗い中にスポットライトが静かに絵を照らしていた。フランスの港、シルエットで浮かぶ2艘の船。工場からは煙が立ちのぼる。低い空の隙間から、太陽がそっと顔をのぞかせていた。朝日なのか、夕陽なのか。海にはオレンジの道が浮かび上がり、やさしく煌めいている。

そのとき、自分は31歳のフリーター。「もう一生、物書きにはなれないかもしれない」と思っていた。けれど、クロード・モネという画家が描いたオレンジの海路は、これから始まる長く、苦しい航海の羅針盤だった。茫漠とした人生という砂漠の中に現れた、ひとつのオアシスだった。

山は太陽を包み、海は太陽を開く。これは朝日が昇る絵だが、そこに描かれていたのは、「夜明け前の自分」だった。ビフォア・サンライズ。

すべてが終わったわけじゃない。まだ何も始まっていない。

周囲の存在など忘れ、涙が止まらなくなっていた。絵を観てボロボロ涙を流したのは、生まれて初めてだった。

翌月、登山家がエヴェレストにアタックするその時刻、自分は富士山にいた。登山家のGPSは位置情報を発信しており、今どこにいるかがスマホでリアルタイムでわかる。

iPhoneを握りしめながら、富士山の山頂を目指した。10時40分。山頂に着いてFacebookを開くと、ちょうど登山家がエヴェレスト登頂を断念し、下山を開始したタイミングだった。

その翌年。僕は再び登山家にチャンスを与えられ、共にエヴェレストへ向かう。そして、アタックを目の前で見ることになる。

あの日、富士山で見たご来光も、モネの一枚にはかなわない。それから国内や海外を旅行するとき、徒歩圏内に海があると、必ず夜明け前に宿を出るようになった。今も、この世界のどこかにある《印象、日の出》を探している。

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モネ《印象、日の出》の一般的な解説

歴史的背景 ― 1874年印象派展と当時の評価

1874年、モネをはじめとする若い画家たちは、官展(サロン)に依存しない独自の展覧会を開いた。これは伝統的なアカデミズム絵画に反発し、新しい表現を模索する試みだった。そこに出品されたのが《印象、日の出》である。

当時の批評家たちは、この絵を未完成のスケッチのようだと酷評した。なかでもルイ・ルロワは「印象派」という言葉を揶揄として使ったが、この呼称が逆に画家たちの旗印となった。一方で新しい芸術の可能性を見いだした支持者も現れ、印象派は少しずつ認められるようになっていった。

美術史における意義

《印象、日の出》はアカデミズム絵画が重視した緻密な写実や歴史画とは正反対の立場を示した。瞬間の光や空気の揺らぎを描くというアプローチは、当時としては革新的だった。

この作品が契機となって「印象派」という潮流が生まれ、絵画史に新しい方向性が開かれた。さらに、印象派の表現は20世紀美術の基盤となり、後のポスト印象派や抽象表現へとつながっていった。したがって《印象、日の出》は近代美術の扉を開いた象徴的な作品と位置づけられている。

《印象、日の出》の広がり ― 教育と大衆文化

今日、《印象、日の出》は美術教育において「印象派の代表作」として紹介されることが多い。教科書や講義で必ずといっていいほど取り上げられ、印象派の理解の出発点となっている。

また、この絵は数多くの書籍や映像作品で引用され、芸術史を象徴するイメージとして使われてきた。さらに広告やポスターなど大衆文化の中でも利用され、光と色彩の象徴的イメージとして繰り返し再生産されている。

なぜ《印象、日の出》は美術史を変えたのか

《印象、日の出》は、「印象」という概念を視覚的に表現し、従来の絵画の価値観を根底から揺るがした。揶揄として生まれた「印象派」という言葉が、やがて近代美術を象徴する呼称となったことは、この作品の影響力を物語っている。

光や色を通じて瞬間を描こうとするモネの挑戦は、絵画を新しい領域へと押し広げた。この一枚は、近代美術の始まりを告げる象徴的な作品として永遠に語り継がれている。

 

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