こんにちは、ちょこです!
「インフィニティニキ」をSteam版、iOS版でプレイしUIを比較していたところ、今までプレイしてきたゲームと比較して、マルチプラットフォーム対応のルールが複雑に見えました。
そこで、複雑に見える理由を構造的な事情と合わせて自分なりに考えてみました。
「複雑で分かりにくい!」という話ではなく、複雑に見えるのはこのような事情が関係しているのではないか、という話です。こんな考え方もあるんだな、という程度に留めていただきつつ、マルチプラットフォーム対応の難易度を事前に図る際の参考などになれば幸いです。
以下、目次です。
- 定義
- 理由1:一画面内に多くの機能が内包されている
- 理由2:運用すると機能が増える
- 理由3:コマンドのキャプションがない
- 理由4:見た目の把握コストが高い
- 理由5:一貫性のあるキーの割り当てが困難
- 理由6:最適化が困難
- まとめ
定義
まずはここでの「構造的」「複雑」を簡単に定義します。
| 項目 | 定義 |
| 構造的 | 仕組み。UIデザイナー個人のスキルや知識などの能力では対応が難しい部分。ゲームに採用する機能やゲームジャンルなど。 |
| 複雑 | 学習コストが高いもの。ユーザーにとって難しいと感じるもの。 |
という感じです。
では、UIのルールが複雑に見えている理由を説明します。
理由1:一画面内に多くの機能が内包されている
まず、一画面内に多くの機能が内包されているため、マルチプラットフォーム対応が複雑になっていると感じました。また、これが最も大きく影響しているように思えます。
「インフィニティニキ」の場合、フィールド画面が顕著な例かと思います。

▲フィールド画面
一見すっきりして見えますが、細かく見るとひとつの画面にたくさんの機能が内包され、キーが割り当てられているコマンドも多いことがわかります。
まずは画面上部のコマンドを紹介します。
| 左上 | 右上 |
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続いて画面下部のコマンドを紹介します。
| 左下 | 真下 | 右下 |
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ゲームの進行状況や場面によって多少増減したり、アイコンになっていないコマンドもありますが、現時点での「インフィニティニキ」のフィールド画面では、合計18のコマンドに同時にキーが割り当てられていました。コントローラーだとボタンの数が物理的に足りず、同時押し、長押しといった操作も採用されています。
このように使われているボタンの数が多く、押し方のバリエーションまであると、直感的に理解できないコマンドも増えてくるのかな、と思います。
直感的に理解できないと学習コストが増え、複雑に見えるのかな、と感じました。
とはいえ、アイコンが常に表示されることで機能の存在を認識できたり、アクセシビリティの担保もできます。重要な評価軸が複数あるためベストなバランスを取るのが難しいと思います。
理由2:運用すると機能が増える
身も蓋もない話ですが、ゲームを運用すること自体、マルチプラットフォーム対応が複雑になる原因になっている、という話です。
以下、補足します。
ゲームを運用していくと、しばしば新しい機能が増え、既存のキーの割り当てにも影響がある場合があります。
「インフィニティニキ」では新スキルの実装によってスマホ版のレイアウト変更、PC版のキーの割り当てが変更されたことがありました。以下は「インフィニティニキ」の2025/11/14のお知らせです。
「インフィニティニキ」公式サイト——希望と新生のオープンワールドRPG

新バージョンでは、新スキルが追加されます。これまでのキー配置をそのまま使用すると、必要なキー数が増え、操作難度も上がる恐れがあります。より便利で、扱いやすい戦闘操作体験にするため、PC・コンソール・モバイルのキー設定に対して、第一弾の最適化調整を行いました。
今回の最適化については、これまで皆様から寄せられたご意見をもとに、各々プラットフォームごとに操作方法・キー配置を調整しました。新バージョンでは皆様に、よりスムーズかつシームレスな戦闘体験をご提供したいと考えています。
なお、今回実装されるキー配置の調整案はあくまでも、これまでのご意見と新バージョンの遊び方を踏まえて試みた、最適化プラン第一弾です。新バージョンの実装後も、ぜひ引き続き多くのご意見・ご提案をお寄せください。皆さんの実際の使用体験とご意見を継続的に受け止め、調整を続けてまいります。
では、スタイリストの皆様、一緒に今後実装される新バージョンのキー配置を見ていきましょう!
まず、PS5およびPCでコントローラーを使用している方向けに、新バージョンの戦闘により適した、全く新しい、ボタン配置を追加しました。この新しい配置により、イザンの地での新たな挑戦において、皆様によりスムーズで快適な操作体験をご提供します。また、願いの平原で冒険をともにした、従来の操作方法も引き続きご利用可能です。バージョン更新後は、ゲーム内の【設定 - 操作】で、2種類の配置を自由に切り替えることができます。
| PS5コントローラー | PCコントローラー |
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![]() |

PC版については、新バージョンの戦闘とシステム機能に適した形に調節するため、一部デフォルトキー配置とボタン割り当てを変更します。
・ 【鈴鳴】を【E】キーから【X】キーに変更し、【E】キーは新しいスキルに対応しました。これにより、皆様が新マップを探索する際に、頻繁にかつ便利にご使用いただけます。
・ 【ガイド】は【G】キーとの紐付けを解除します。関連するチュートリアルが発生した際は、引き続きガイドが表示されます。それ以外の場合は、ビアリーから過去のチュートリアルを確認することができます。
・ ゲーム画面の一部ボタン位置が調整され、新たに追加されるバトルコンテンツにより適した表示になります。
・ 一部バトルコンテンツ関連のキー配置およびメイン画面ボタンが新たに追加されます。
Tips:
新バージョンで複数の新たな遊び方とシステム機能を追加したため、バージョン更新後、カスタマイズしたキーバインドが、新しいデフォルトキーバインドと競合した場合、【操作-キーバインド設定】から再度カスタムキーを設定していただく必要があります。ご不便をおかけし、大変申し訳ありません。
| 変更前 | 変更後 |
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一方、モバイル端末でも、新しい戦闘に対応するため、いくつかのキー配置調整を行いました。
・ 【鈴鳴】ボタンを縮小し、ハートの右側へ移動しました。
・ コーデスキルの【派生スキル】ボタンのサイズを縮小し、位置を調整しました。
・ 【コーデ特殊スキル】ボタンと【サイドバー】の矢印位置を上に移動。【コーデ特殊スキル】ボタンは【攻撃】長押し後、上にスワイプすると表示される方式から、常時表示に変更しました。
・ 弓矢スキル関連のボタンを新たに追加しました。
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変更前 |
変更後 |
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このように、新しい機能が追加されキーの割り当てが変更された際にはPC版、スマホ版の両方に影響があることもあります。また、リリース時には問題なかった場合でも、運用する以上、調整が入る可能性は常に考えられます。
特に「インフィニティニキ」のように新しい遊び方を提案するゲームの場合はある程度想定する必要がありそうです。
このようにゲームを運用し、新しい機能を追加すると、キーの割り当てに影響することがあるため、構造的にUIのルールが複雑になるのかな、と考えました。
理由3:コマンドのキャプションがない
UIのルールが複雑に見えるのは、コマンドの意味を説明するキャプションの有無も大きいかもしれません。
ゲームの場合、主に世界観を訴求する目的でコマンドにしばしば独自の用語が使われます。現実世界でも使われる言葉であれば意味を紐付けることができるかもしれませんが、現実世界と意味が違ったり、あまりにも独自の用語だとコマンドの意味を理解するのが難しい場合があります。

▲「インフィニティニキ」のメニュー画面
例えば「インフィニティニキ」の『共鳴』コマンドは所謂『ガチャ』に相当するものです。

▲所謂『ガチャ』
このようにコマンド名が直感的ではなく、説明も書かれていない場合、学習コストは相対的に高くなるかなと思います。
一方、コンシューマーではしばしばコマンドのキャプションを見かけます。
以下は自分がプレイしたPC版とiOS版があるゲームでの例です。
| ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅 | ファイナルファンタジーIX | クロノ・トリガー |
![]() |
![]() |
![]() |
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▲これらのタイトルもSteam版、iOS版があるが、元はコンシューマである
ゲーム独自の用語を使った場合でも、このようなキャプションがあればユーザーの理解を促し、学習コストを下げられると考えます。
PC版だけを考えればキャプションを表示することはできると思いますが、スマホだと十分なスペースが無かったり、カレント状態(hover状態)がないことが多いため、省略されがちなのかもしれません。
理由4:見た目の把握コストが高い
これはケースバイケースですが、ゲームUIの場合、webと比較して世界観をビジュアルで表現することが多いためか、見た目の情報量が多く、把握コストが高い傾向があるように思えます。
以下は「インフィニティニキ」のミッション系の画面の例です。
どれもAボタンを長押しすると「全て受け取る」ことができる操作は共通していますが、見た目の共通点はありません。
| ミッション | デイリーミッション | シーズンミッション |
![]() |
![]() |
![]() |
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タイトルにもよりますが、このように同じようなミッション報酬受け取り画面でも見た目が異なることがあります。
では、機能に合わせて見た目を統一すれば良いのか、と言うとゲームUIの場合はそう単純でもないかと思います。
おそらく、グリッドデザインや汎用的なUIパーツで画面をデザインすれば、学習コストを下げることはできます。ただ、昨今のゲームとしてはビジュアル面で見劣りする懸念も浮かびます。
実際にイメージしてみます。
以下は「インフィニティニキ」の中でも汎用パーツで構成されたシンプルな見た目の画面です。
おそらく学習コストは下げられると思いますが、「インフィニティニキ」の世界観を訴求しているか、楽しそうか、といった評価軸で見ると微妙な感じがします。
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▲このような画面ばかりだと、見た目を通じたゲーム体験が弱くなるかも
そこで、ある程度見た目の情報量が多い豪華な画面が求められます。
では、どのような画面を優先的に豪華にするか、と言うと、これもゲームの内容次第ですが、「インフィニティニキ」のような基本無料のゲームの場合、見た目が豪華な画面の特徴は大まかに以下に分類できます。
- 商品訴求したい画面(例:ガチャ画面)
- ビジュアルを訴求したい画面(例:キャラクター詳細)
- ダイジェティックなUI(例:図鑑)
- 新しい機能、目玉の機能(例:ハウジング)
- 他のゲームを倣う(例:シーズンパス)
個人的には、これは一種の『当たり前品質の積み重ね』だと認識しています。
開発者が新規タイトルをデザインする際、既存タイトルをクオリティラインとした場合、シンプルな画面にすると当たり前品質を満たしておらずクオリティ面で見劣りするかも…、という考え方です。

▲ガチャ画面はソシャゲの文化的に豪華な画面です。このような『当たり前品質』の積み重ねで見た目の情報量が多くなる印象です
「Pokémon Trading Card Game Pocket(ポケポケ)」のようなシンプルな見た目を採用して成功するような例外もありますが、ほとんどのタイトルはこの流れに巻き込まれる気がしています。
理由5:一貫性のあるキーの割り当てが困難
これまで紹介してきたように見た目や操作性が複雑になるとキー割り当てを考慮する要素が増え、一貫性のあるキー割り当てが困難になりやすいと感じました。
例えば、「インフィニティニキ」の場合、メニューコマンドの切り替え方法が3パターンあります。
- Lスティック操作
- 上下キー操作
- Lスティック&上下キー操作
具体的には以下の画面でそれぞれ操作が異なります。
| 操作方法 | 画面 | 該当箇所 |
| Lスティック操作 | ![]() |
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| 上下キー操作 |
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| Lスティック&上下キー操作 |
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▲コマンドを切り替える操作がそれぞれの画面によって違う
なぜ一貫性がないのか正確な事情は分かりませんが、画面内で干渉するボタンがあるかどうかで変わっているように見えます。
例えば、ショップ画面では上キーを長押しが課金石などのメニューの展開に割り当てられています。
![]()
▲上キーを長押しすると…
![]()
▲メニューが展開する
仮に上下キーでコマンドを切り替えられた場合、意図せずメニューを展開する可能性も考えられます。
したがって、操作が干渉しないようにするため、ショップ画面でのコマンドの切り替えはLスティックのみに絞ったと推測します。他の画面もこのような事情が少なからず関係しているのかもしれません。
理由6:最適化が困難
最後の理由は、デザインの最適化が困難であることです。
これは以下の2つに分けて考えてみます。
- 「見た目の最適化」が困難
- 「ユーザーのペルソナに合わせた最適化」が困難
以下、それぞれ補足します。
理由6-1:見た目の最適化が困難
「インフィニティニキ」のように複数のデバイスに対応する場合、共通したレイアウトでの最適化が困難だと推測します。特にタッチ操作とコントローラー操作の最適化の違いが大きく、直感的な操作あるいは直感的な理解が求められる場面では最適化が強く求められると考えます。
例えば、アクションの駆け引きが特徴的な「星の翼」の場合、スマホ操作とコントローラー操作でレイアウトを分けています。
| Steam版(キーボード&マウス) | Steam版(コントローラー) | iOS版 |
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![]() |
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ボタンの大きさに注目した場合、PC版は視認性の担保だけで済みますが、iOS版は視認性だけではなく操作性の担保も重要です。

▲iOS版では視認性だけではなく操作性の担保も重要
このように、画面に求める条件よっては最適化を進めると共通のレイアウトでは無くなることがあるかと思います。
理由6-2:ユーザーのペルソナに合わせた最適化が困難
ユーザーに合わせた最適化も困難だと思います。
プラットフォームに注目してみると、PCでゲームを遊ぶユーザーとスマホでゲームを遊ぶユーザーを比較した場合、一般的にはスマホで遊ぶユーザーの方がカジュアル層が多いと考えられます。
また、ソシャゲのように基本無料のゲームは有料買い切りのゲームと比較してカジュアル層が多くプレイしています。
したがって、カジュアル層にとっては、ある程度情報が見えるようになっていると機能を把握する学習コスト下がり、理解しやすくなるのかな、と推測します。

▲カジュアル層にとっては機能が把握しやすい画面
一方、PCでゲームをプレイするユーザーはスマホでプレイするカジュアル層と比較して、ゲームに慣れていると言い換えることもできます。
もしかすると、PC版をプレイしているユーザーの方がゲームに慣れるのが速かったり、すでに他のゲームで操作を学習しているかもしれません。
このように、プラットフォームという要素が増えることで、ユーザーのペルソナも多様化する可能性があります。ペルソナが複雑化することで、最適化する難易度も少なからずあがるのかな、と推測します。
まとめ
まとめです。
マルチプラットフォーム対応のUIが複雑になる構造的な理由を6つ述べさせていただきました。
- 理由1:一画面内に多くの機能が内包されている
- 理由2:運用すると機能が増える
- 理由3:コマンドのキャプションがない
- 理由4:見た目の把握コストが高い
- 理由5:一貫性のあるキーの割り当てが困難
- 理由6:最適化が困難
程度の差こそあれ、個々の項目はほとんどのゲームに当てはまるかと思いますが、このような構造を多く、且つ強く持つゲームほど、マルチプラットフォーム対応が複雑になるのではないかと考えました。
私自身、まだ模索している部分がありますが、自分自身の考えをまとめるためにも一旦整理してみました。マルチプラットフォーム対応の難易度を事前に図る際の参考などになれば幸いです。
以下、各タイトルのガイドラインなどの情報です。
「インフィニティニキ」
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「ドラゴンクエストモンスターズ3 魔族の王子とエルフの旅」
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「星の翼」
https://idoc.shengtiangames.com/doc/info.html?id=673ae3608f19d155320a6d73








































