
★アラ還原付日記(仮)その6「50cc LOVERS FOREVER」の一部をご紹介しています★
2024年11月24日(日)
Hondaウエルカムプラザ青山へスーパーカブ50ファイナルエディションを見に。
日曜の都会なんて久しく出かけてないので忘れかけてたけど、電車といい街なかといい、混んでるのねやっぱり。
ファイナルエディションとキティちゃん
どこへ行っても混むに決まっている土日祝日は、なるべく家に引きこもるようにしている私だが、よりにもよって東京なんていう過密の権化みたいなところへ日曜に出かけて行ったのは、ほかでもない。
Hondaウエルカムプラザ青山に展示中のスーパーカブ50ファイナルエディション、およびハローキティ仕様が、今日を限りに公開終了となるからだ。
12月1日に迫った文学フリマ東京39を前に、いろいろとばたばたしていたら、あっという間に今日しかなくなってしまった。
せめて今月いっぱいくらい展示しといてくれてもいいのにと思うが、向こうも商売だ。本日、11月24日は、期間限定受注生産となるファイナルエディション(およびキティちゃんバージョン)の受付最終日。受付終了とともに展示も終了となるのはもっともなことで、一目見たいだけの者は見られるだけでありがたいと思わねばならない。
青山へはうちのほうから国道246号一本なので、根性があれば(かつ、駐めるところがあるものなら)ミドリで行くことも不可能ではない。けど、伊勢原、秦野以西でもよっぽど覚悟を決めないと怖くて乗れない246、東京方面へ乗って行くなんて百年修業を積んでも私には無理。大人しく電車で来た。電車も電車で混んでたけど命の危険までは感じないのが何よりだ。
東京メトロ青山一丁目駅五番出口すぐのHonda青山ビル。その1階にあるウエルカムプラザはすぐにわかった。
そういえば、カフェカブミーティングin青山というカブ乗りの祭典が毎年行われていると聞くけど、その会場がここだったんですね。
プラザ内は大変なにぎわいだった。こんなに大勢の人がファイナルエディションを見るために詰めかけているのか。
人混みを縫って奥へ進んでみると、特設コーナーに2台のカブが向かい合わせに置かれていた。
ボニーブルーのファイナルエディション。鮮やかな赤のハローキティ。キティちゃんバージョンは50と110が出るそうで、展示されているのは110だった。
ぱっと目を引くのは真っ赤なキティちゃんだけど、キティちゃんが鮮やかなほどにファイナルエディションの落ち着いた色合いがじんわりと心にしみる。
しかし、特設コーナーの周囲はエアポケットのように閑散として、足を止めているのは私だけであった。
人混みの法則
う……うん、まあ、そうですよね。世界のホンダはカブだけを製造しているわけじゃない。
そして広い世間は基本、原付なぞ知らないし興味もなく、何なら二輪すべてが同じ「バイク」に見えていて、50cc生産終了? それが何か。という話であろう。ミドリに乗り始めるちょっと前までの自分や、自分の周りの人びとがどうだったか考えてみれば明白だ。
じゃあ、今日のこのにぎわいっぷりは何なのかというと「F1ラスベガスグランプリ決勝レースパブリックビューイング&レーシングドライバー、F1ジャーナリストによるトークショー」というイベントが行われるそうである。
ホンダ車が出ているのでしょうね。これぞウエルカムプラザの本流というべきイベント。私はたまたまその入場受付開始直後に紛れ込んでしまったらしく、場に渦巻く並々ならぬ高揚の理由を初めて理解したのであった。
誰もファイナルエディションなんか見に来てないなら、むしろ好都合。あらゆる角度からゆっくり見られるうえ、思う存分写真も撮れる。
いずれ完成品が出回り始めれば、町で見かけることもあると思うけど、それはもう勝手にカメラを向けられない人さまの私物なので。これを最後に二度と新モデルは出ないぴかぴかのファイナルエディション、撮るなら今のうちだ。
スマホでパシャパシャやっていると、だんだん人が集まってきた。
おお、やっぱり見に来た人もいるんだ。
しかし混んでくると写真は撮りづらいので、いったん離脱。場内をぐるっと歩き回ると、グッズ売場があったので見てみることにした。
ホンダのロゴ入り雑貨やTシャツ、キャップ、ミニカー、文房具。
ファイナルエディションをデザインした記念キーホルダーがあったので買った。それと、スーパーカブのロゴステッカーも何枚か。
ひとしきり買い物を楽しんで、特設コーナーに戻ってみると、人の姿は絶えていた。
ラッキーと思ってまた写真を撮り始めると、また人が集まってきた。
もしかしてこれ、写真撮ってると混んでくる……?
もともとカブ目当てではない、F1イベントのお客さんが、開始時刻までのつれづれに、あそこに何かあるの? みたいに無意識に吸い寄せられて。
確かに! ZINEフェスみたいなイベントでも、人が熱心に立ち読みしているブースは何となく足を止めてのぞいてみたくなる。
カブ特設コーナーに足を止めた方たちが、F1イベントのついでに良いものを見たと思ったら私もちょっと嬉しい。「ファイナルエディションだって」なんて言葉を交わし合うひともいたので、心に残ったんじゃないかな。切ない響きがありますもんね。ファイナルエディション。
私も良いものを見ることができて幸せな日曜午後のひとときだった。
いつまでもあると思うな……
かくてファイナルエディション受注期間は終了したので、私にはいよいよミドリしかなくなった。
こうなってみると、買い替えなんて初めから考えてないと言いつつ、それはあくまで買い替えようと思えば買い替えられること前提で言っているにすぎなかったんだなと思う。
実際には、生産終了と同時にバタッと1台も新車がなくなるわけではないと思うけど。ミドリを買った時のように、町のバイクショップへ行って「スーパーカブ50くださーい。色は緑で!」なんてことは二度とできない。
カブに限らず50ccの原付なんて、自転車くらいありふれたものと思っていたのに、終わる時というのは来るものなんですね。
いつまでもあると思うな親と金、というけど、その2つに関しては、まあ、わかるじゃないですか。どんなものでもいつまでもあると思っちゃいけないというのが、今回のこの件から学ぶ重要な教訓だ。
3年後、5年後、原付の常識がどのように塗り替わっているかわからないけれど、ミドリには大事に大事に乗り続けていることを誓う。
(※ファイナルエディションは、計画の6倍近い1万1000台を受注したそうである。町で行き合うのが楽しみだ)
(※なお、この日訪れたウエルカムプラザは、4ヵ月後の2025年3月31日、Honda青山ビル建て替えのため閉館となった。1997年以来続いてきたというカフェカブミーティングin青山も、1024年10月の第27回をもって区切りとなったらしい。いつまでもあると思うな何もかも……)
(※そしてこの原稿をまとめている2025年10月、新基準原付スーパーカブ110Lite、スーパーカブ110プロLite、クロスカブ110Liteの発売が発表された。110とあるけどLiteなら従来の原付免許で乗れるそう。町で見られるようになるのはいつ頃でしょうか。何ならいっぺんだけ乗ってみたいけどどっかでレンタルできないかしら)