男らしさの表象史。意志の力、名誉、勇気などの男らしさは、近代社会の基盤として、あらゆる場面で引き合いに出されてきた。現存する秩序を擁護するものとして、また変革を求めるものには欠かせない属性として。決闘、肉体美、スポーツ、戦争などにおいて男らしさが一定の役割を果たすと同時に、男らしくないものを排除する概念装置としても機能してきた。
本書は、いかに男らしさが、個人と社会を健全に形成するために望ましいものとして考えられてきたかについて述べている。反対に、デカダンスや男色など、男らしくないものは社会を不健全なものにするとして徹底的に排除されてきた。進歩と秩序をつかさどる男らしさの概念装置としての強固さについて改めて考えさせられた。これはある種のイデオロギーである。