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源河亨『「美味しい」とは何か』(中公新書)

 味覚に関する美学的考察。我々は五感を総動員して味を感じている。視覚や聴覚も味覚と連合する。食の評価には主観主義と客観主義があるが、あらゆる文化の人がおいしいと感じるものはないが、それぞれの文化の人に美味しいと言わせる傾向性はある。また、知識も味に影響を与える。味を言語化にするに際しては、「優しい味」などのメタファーがよくつかわれる。また、料理も芸術と共通する性質を多数持つ。

 美学理論を駆使しながら、味覚という難しい感覚について優れた思考を展開している作品である。本書を読んで、私は論文の質の高さという意味で感動した。論文としての問題設定のうまさ、論理展開の鮮やかさ、結論の妥当さ、そういうものが感じられ、論文として高く評価される本だと思う。素晴らしい作品を読ませてもらった。




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