グリーンインフラとしての都市の緑地が規制緩和で失われようとしている。その実態に迫った本。都市において緑地は「林泉」として、「都市の肺」として、都市の住民にとっての重要な社会的共通資本だった。特に著者が危惧しているのは、百年前に国民の貢献により作り出された文化資産としての神宮外苑が、規制緩和のもと超高層ビルの谷間に沈んでいくことである。緑地は日本文化を映し出す鏡であり、社会の富である。
都市にとって公園緑地がどのような意味合いを持つかについて理解が深まる本だと思う。公園緑地はどのような歴史でつくられて、どのような機能を果たしていて、それが今どのような局面を迎えているか。そういうことが分厚く記述されている好著である。都市の緑地の問題を再考する良いきっかけになりそうだ。