難民問題について概説している本。難民とは狭義には自国で迫害を受ける可能性のある人たちだが、実際にはもう少し広義に、紛争が起きている地域に居住している人たちを難民として扱うようになってきた。難民の受け入れ方には「待ち受け方式」と「連れてくる方式」があり、後者のうち第三国定住は、受け入れ国が難民を審査した後積極的に受け入れることができ、優れた方式である。子どもや女性、老人など特に脆弱な難民を積極的に受け入れる国々もある。
難民について多くのことがこれ一冊でわかるすぐれものだ。難民に関わる論点についても多岐にわたり詳述しており、難民の受け入れ方について様々な考え方が交錯していることがわかる。それこそ、人道と国益が交じり合うところに難民問題はあるのだ。難民問題はそれ単独で論じられるものではなく、広く移住や移民といった問題と関連して論じる必要があることもわかる。とにかく勉強になった。