脱成長を思想的基礎から説明している本。GDP偏重や経済成長は、社会や生態系に外部不経済をもたらしている。気候変動や南北問題など弊害は様々だ。それはもともと、ベーコンやデカルトが自然と人間を二元的に切り離したことに由来する。そうではなく、人間と自然が一体となったアニミズムに基づき、脱成長を目指すのが重要である。それは土地と人々、自らの心の脱植民地化、コモンズの脱・囲い込み、公共財の脱商品化、労働と生活の脱・強化、人間と自然の脱・モノ化、生態系の脱・危機化を意味する。
脱成長を唱えている論者は多いが、それを近代思想にまでさかのぼって、ベーコンやデカルトの思想を精査したうえで、それに代わるものとしてのアニミズムという思想的基礎をきちんと示している論者は初めて見た。脱成長は豊かさを手放すことではない。経済成長が取りこぼしている経済の外側の豊かさや価値を重視するということだ。その動きはこれからどんどん加速していくだろうし、本書は未来を見越した先見の明のあるものだと思う。