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フランソワ・ジュリアン『道徳を基礎づける』(講談社学術文庫)

 孟子の道徳思想を西洋の道徳思想と対比させることで、道徳思想の在り方を揺り動かす本。孟子は「忍びざる心」、つまり、他人の不幸にふと救助の手を差し伸べようとする心を道徳の端緒と考える。忍びざる心は、他者から発されたものに対する反作用であり、情動横断的な現象である。忍びざる心は道徳性の兆候であり、人が仁であることの表れである。忍びざる心を通して、個別性に閉じこもっていた心が他者との活き活きとしたつながりをもう一度回復し、政治的な治もその連帯によって保証される。

 本書は、西洋における道徳思想における基礎付けの問題や、意志と理性の問題などを、孟子の思想を対置させることで相対化し、道徳思想の真の在り方について問題提起をしている。カントの定言命法やルソーの憐みの心と比較して、孟子の思想は独自の構造を持っており、カントやルソーが前提としているその前提に疑問符を抱かせるものである。哲学的に非常に優れた議論であり、名著の名に値すると言える。




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