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帚木蓬生『ネガティブ・ケイパビリティ』(朝日選書)

 

 

  ネガティブ・ケイパビリティとは「答えの出ない事態に耐える力」のことであり、19世紀イギリスの詩人キーツにまでさかのぼり、それを20世紀に同じくイギリスの精神科医ビオンが広めた概念である。

 性急に答えを出さず、宙づりの状態に耐えるこの「負の力」は様々な分野で求められており、例えば文学の創造の現場においてわからない対象と向き合いより深く対象を把握するために必要である。また終末医療においても、もはや治療が不可能な患者と向き合う際には必要となるし、精神科の臨床においても、ただ話を聞いてあげることしかできないケースは非常に多い。教育においても従来はすぐに答えを出すポジティブ・ケイパビリティが涵養されたが実際には世の中にはすぐには解決できない問題の方が多い。ネガティブ・ケイパビリティとは寛容の力でもある。

 本書は著者が小説家ということもあり、割と無駄が多く論述がスマートではないが、とりあえずネガティブ・ケイパビリティという概念を世に知らしめるには十分だし、世に知らしめる価値のある考え方だと思う。性急に答えや結果を求めてきた日本社会への警鐘ともとらえることができるし、これから不透明化していく社会ではますます必要とされる力だと思う。




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