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原則と例外

 原則と例外に本質的な区別はないのではないだろうか。「人を殺した者は罰する」を原則、「ただし違法性がなければ罰しない」を例外とすると、ここで言われている法命題は、「人を殺した者で違法性がある者を罰する」という単一の命題でしかないのではないか。原則があって、それに対する例外がたくさんあったとしても、結局は一つの法命題にまとめることができる。そのまとめられた法命題において、原則も例外も論理的には等値である。

 ではなぜ原則と例外があるのか。これは統計学的に原則通り判断していればおおむね妥当な判断だということが分かっているからである。おおむね妥当であれば、単純な形式で表されている原則は、判断基準として使い易い。「人を殺した者は罰する」はまったくもって単純明快であり、これに基づいて判断する者は無駄な思考力を費やさなくてよい。思考の経済と、思考を省略することの統計学的妥当性にもとづいて、原則と例外は区別されているにすぎない。原則と例外に「論理的な」違いはない。




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