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【ネタバレ感想】ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVSブンブンジャー

地上波本編の最終回では、不思議と泣かなかった。

 

その後ひとりで行ったオープニングテーマTVサイズで全部歌うカラオケ(イントロナレーション付き)の時にも、泣かなかった。

 

1年間、この日を迎えることなく終了させられてしまう不安と隣り合わせだった『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャー』。それがきちんと最終回を迎えられて、しかもそれが「これからも続いていく日常」を描いていたから。だから最終回を観た時の私の気持ちは寂しさよりも楽しさや安心だった。シリーズが終了するだけで、私の日常にもスーパー戦隊が共にいてくれる。そう思えた。

 

と同時に、「泣けなかった」自分がいたことに不安も覚えた。

 

昔からこうだ。卒業シーズンになって皆が「え〜皆と離れ離れになるの寂し〜」と涙目でいる同級生を「それ本気で思っとんのけ?」「今の時代全然連絡とか気軽にとれるやんけ」と素直に共感してやれない、ドライな自分。そんな自分のスタンスが、愛してやまないスーパー戦隊に対しても反映されている恐ろしさ。

 

スーパー戦隊で泣く、という事自体が世間一般の価値観からはズレているのかもしれないが、去年制覇したのでそれは間違っていると胸を張って言える。強いて言うなら、私が嵐の解散を「あら残念やね、おれも『花男』のやつとか好きやったけど」くらいで受け止めているのと同じように、世間と私の間には隔たりがあるのだろう。

 

 

 

 

『ナンバーワン戦隊ゴジュウジャーVSブンブンジャー』(以下、『ゴジュブン』)を観た。

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引用:https://x.com/sentai_official/status/2034758318955405796?s=46

ユニバースナンバーワン怪人・ユニバースノーワンが「ユニバース融合」を発生させ、幾多の並行宇宙が混ざり合いはじめた。(中略)ユニバース融合が進めば世界が崩壊してしまうと知ったゴジュウジャーとブンブンジャーは、ノーワンを倒すべく奔走するが……。

 

並行宇宙が混ざり合うことで邂逅することのできる2つのスーパー戦隊という表現は、スーパー戦隊シリーズの放送枠を受け継いで現在放送中の『超宇宙刑事ギャバンインフィニティ』の要素を違和感なく盛り込んでおり、後発の別シリーズ作品の設定すら我が物顔で扱うスーパー戦隊シリーズの裾野の広さ(≒節操の無さ)を改めて思い知った。

 

この前提によって登場することができた、ボウケンレッド、ゴーカイレッド、ジュウオウイーグルのオリジナル戦士たち。ピンチに陥ったゴジュウジャーとブンブンジャーの面々に、それぞれの戦隊が1年かけて手に入れてきた大切な意志の力を受け継いでいく。

 

予告時点で一触即発になりそうだったゴジュウポーラー(俺様)×ブンブルー(クール)×ブンブラック(2人のケンカを身体張って止めそう)のチームに、この手の映画に出てきたらとりあえず後輩にド派手に攻撃するゴーカイレッドをマッチアップさせ、 ブラックの「ブンブンジャーを守るためにブンブンジャーになった」警察屋らしい発言、ブルーの「真っ白なブラック」発言で『ブンブンジャー』らしさを感じさせてくれたかと思えば「なんか3人とも「しろ」やね」という「これぞ『ゴジュウジャー』」とでも言わんばかりの雑さで連携をとらせたり、

 

まぁ落ち着いて話をしてくれるでしょうという期待通り、ゴジュウティラノ×ゴジュウイーグル×ブンオレンジのチームがボウケンレッドの仕掛けた罠に対し、多少の (87歳と10万27歳の嘘みたいな)年長者マウント合戦はあったものの、「ちょっとした冒険」という発言を聞き逃さないティラノの丁寧さでイーグルがパリピ魂を取り戻し、オレンジの提案した過酷なトラップだらけの道を敢えて選ぶという順当な連携をとるなど、キャラクターの要素や積み上げてきたものをきちんと大切にしている脚本の細やかさは、『ゴジュウジャー』におけるガオレンジャー回やルパパト回を担当した樋口達人さんの手腕によるものだと納得がいった。

 

逆に意外だったというか、己の浅はかさを思い知ったのはゴジュウレオン×ゴジュウユニコーン×ブンピンクのチーム。陽性のノリで和やかに仲良くなるかと想像していたが、ピンチにも関わらずアイドルでいるレオンにピンクが「信じらんない!」とさせた上で、アイドルの自分のまま他人のためにその身を投げ出せるヒーロー性でもってピンクとのわだかまりを解く、という流れには一切の違和感なく予想を遥かに上回られて感服した。それらの一連を「違っていてもどこかで繋がっている」というジュウオウイーグルの包容力で抱きしめる、この心強さ。

 

ユニコーンがいる以上、不祥事での役者交代による脚本の変更は避けられなかっただろう。世界の危機でいっぱいいっぱいのピンクが犬探しをやっていたのも、きっとユニコーンのお節介に流されたからだろう。困っている人を笑顔にしたい、そんな「2人」のヒーロー性でピンクは2人を認めてあげられたかもしれない。『ゴジュウジャー』放送時にも抱いた、あんな事さえ無ければもっと違うものが観れたのだろうか、というないものねだりはやはり付いて回る。

 

おそらくそれはウルフ×レッドの場面にも影響を与えたのだろう。真偽が定かではないから明言もしないが、光と「影」の2つに分かれてしまったウルフの折れた心を甦らせるのは、「影」であることを隠しながら戦い、一度は仲間の元を離れるも、他でもないその仲間から求められ帰ってこれた「あの御方」だったのではないだろうか。終了してしまうスーパー戦隊シリーズ、その最後のVS映画にもし出てもらえていたら、天晴れと、そう東映を労えていたかもしれない。

 

ただ。私は知っている。というか『ゴジュウジャー』を観てきた貴方達なら、知っているはずだ。

 

転んでもただでは起きないのが東映である、と。

 

自らの光の部分に全てを奪われ、抜け殻と化してしまった影のゴジュウウルフを、ブンレッドは見つけ出す。

 

悲鳴もあげていないのに。

 

かつて悲鳴をあげている人がいたのに助けられなかった「少年」が、悲鳴をあげているところに駆けつけたくてブンレッドになり、そして後輩レッドを導く存在として、あまりにも頼もしすぎるカッコいい大人になって帰ってきた、この鮮やかさ。若くして財を成した余裕たっぷりの大富豪、というキャラクターが、今日この『ゴジュブン』でもって完成したと言ってもいい。まったく、『爆上戦隊ブンブンジャー』、爆上という割にじっくりコトコト過ぎる。洗脳解くくらい美味いカレーかい。

 

正直ユニコーンの代役に歴戦の女傑(最大限の感謝とリスペクトを込めてこう呼ばせていただく)志田こはくさん(マジでありがとうございます。マジで)をキャスティングしたことと同じくらいのウルトラCを決めていると思う。多分「あの御方」が出れていたとしたら、ブンレッドはいつものゴジュウウルフに戻ってくれと願う仲間たちの声を届けるだけの存在になっていたかもしれない。

 

かくして王道ヒーローの誰もが成し得なかった境地に達したブンレッドの助けを借りて、ゴジュウウルフは奮起する。世界を1つにして争いを無くすという光のゴジュウウルフの願いは、両者の意志など気にも留めず握手で「はい、仲直り」させる暴力的な事なかれ主義として表現される。決して願いが悪いとは言わない。むしろ素晴らしい。ただ、それじゃいけないのだ。……こういうのはちょっと、極端な解釈をすれば戦争すら肯定してしまっているような気がして凄く嫌なのだが……

 

戦わなければ。

 

戦って、相手を理解しなければ。

 

他でもない自分自身の光と戦って理解したからこそ、願いの無い抜け殻の影を連れて、日常を大切な仲間達と共に戦いながら、向き合いながら生きることを願ったのだ、『ゴジュウジャー』本編のゴジュウウルフは。私もそうでなければ。

 

そこから敵を撃破するに至る一連で、私は泣いた。「泣けた」と言うべきか。意識的にスーパー戦隊の歴史で戦おうとしなかった『ゴジュウジャー』が、アニバーサリー戦隊らしく、シリーズ最後の戦隊らしく、歴史の重圧を打ち倒したからだろう。

 

終わってしまった現実を達観する自分と、終わらせたくない足掻きを続けている自分。ずっと戦っていたのだ、『ギャバン』を観て楽しんでいる自分も。おれはファイナルライブツアーでどうなってしまうんだ。なんか故郷の公演チケット選んだせいで変に文脈が乗ってしまっている。泣きたくない自分がいる。笑顔で見届けたい。本当に終わってしまう事実を真っ正面から受け止められる自信がない。だから今までファイナルライブツアー行こうとしなかったのか。おれ、全部の戦隊でロスしとったんや。うわぁ〜……

 

こんな私を、世間はどう見るのだろう。やっぱり、変、なのだろうか。まぁこっちはこっちで、はぐれ一匹 上等、なのだが。あぁ人間、どこまでいっても難儀な生き物だ。

影を連れて

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